「法案を審議する」「申請書類を審査する」など、「審議」と「審査」は、行政や議会、企業などで使われる言葉です。
どちらにも詳しく調べて判断するという意味がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
結論からいうと、「審議」は物事について詳しく調査・検討し、良し悪しなどを判断すること。「審査」は物事を詳しく調べ、適否・優劣・等級などを決めることです。
例えば、会社の経営会議で新しい事業計画について詳しく検討する場合は、「事業計画を審議する」と表現できます。一方、融資の申し込みについて、提出書類や返済能力などを調べて判断する場合は、「融資を審査する」が自然です。
ただし、審議と審査は完全に異なる意味ではありません。審議でも判断を行い、審査でも複数の人が議論しながら判断する場合があります。
また、国会では、委員会で法律案を専門的に調べることを「審査」、本会議で議論することを「審議」と呼ぶ用法がありますが、国会で法律案を扱う過程全体も「審議」と呼ばれます。
この記事では、「審議」と「審査」の基本的な意味を比較表で整理し、議会、行政、企業、採用、資格試験などでの使い分けを解説します。さらに、「検討」「検証」「承認」「審理」との違いや、間違えやすい表現についても紹介します。
「審議」と「審査」の違い【結論】
「審議」と「審査」の違いを理解するには、何を目的として詳しく調べるのかに注目するとわかりやすくなります。
- 審議:ある物事について詳しく調査・検討し、その良し悪しなどを判断すること。
- 審査:ある物事を詳しく調べ、適切かどうか、優れているかどうか、どの等級に当たるかなどを判断すること。
例えば、企業が新しい事業を始めるかどうかについて、役員が会議で事業の必要性や予算、実施方法を検討する場合は、「事業計画を審議する」が自然です。
一方、新しい取引先の登録申請について、必要書類や取引条件などを調べ、登録できるかどうか判断する場合は、「登録申請を審査する」が自然です。
一般的には、議題や案について詳しく検討する場面では「審議」、申請や応募、資格などについて適否・優劣を判断する場面では「審査」が使いやすいでしょう。
ただし、これは代表的な使用傾向であり、すべての場面に当てはまる厳密な区別ではありません。
【徹底比較】「審議」と「審査」の違いを比較表で整理
| 比較項目 | 審議 | 審査 |
|---|---|---|
| 読み方 | しんぎ | しんさ |
| 基本的な意味 | 詳しく調査・検討し、良し悪しなどを決めること | 詳しく調べ、適否・優劣・等級などを決めること |
| 主な着眼点 | 議題や案についての詳しい検討 | 対象についての詳しい調査と判定 |
| 代表的な対象 | 議案、計画、方針、制度など | 申請、応募、資格、作品、書類など |
| 代表的な表現 | 議案を審議する | 申請書類を審査する |
| よく使われる場面 | 議会、審議会、経営会議など | 行政手続き、採用、資格審査、作品選考など |
| 複数人で行うか | 会議などで複数人が行うことが多い | 一人でも複数人でも行われる |
| 判断を伴うか | 伴う場合がある | 適否・優劣などの判定が中心 |
| 共通点 | 対象となる物事を詳しく調べ、評価・判断するという意味を持つ | |
審議には「議」という漢字が含まれていますが、必ず複数人で会議を開かなければならないという意味ではありません。
また、審査も一人だけで行うとは限らず、委員会や審査員が話し合いながら判断する場合があります。
「審議」とは?意味と正しい使い方
審議は、物事について詳しく調査・検討すること
「審議」は、ある物事について詳しく調査・検討し、その良し悪しなどを決めることです。
小学館『デジタル大辞泉』でも、物事について詳しく調査・検討し、良し悪しなどを決めるという意味で説明されています。
例えば、会社で新しい勤務制度を導入する場合、従業員への影響や費用、業務上の問題などを詳しく検討することがあります。
こうした事項について会議で検討する場合、「新しい勤務制度を審議する」と表現できます。
また、審議という言葉は、国会や地方議会、行政の審議会などでも広く使用されています。
審議には調査や資料の確認も含まれる
審議というと、会議の場で意見を交換することだけを意味すると思われるかもしれません。
しかし、審議には詳しく調査・検討するという意味があるため、議論に必要な資料を調べることなども関係します。
例えば、新しい事業計画を審議する場合、売上の見通しや必要な費用、想定されるリスクなどを調べる必要があるでしょう。
必要な情報を確認し、それぞれの立場から意見を述べ、事業を進めるかどうか検討することが考えられます。
審議と最終決定は同じではない
審議という言葉には、詳しく検討して判断する意味がありますが、審議を行ったすべての案件について、その場で最終決定が行われるとは限りません。
例えば、企業の委員会で新しい制度について審議した後、その結果を経営陣に報告し、別の会議で最終的な判断が行われる場合があります。
また、国会では、法律案が委員会で審査された後、本会議で審議され、採決が行われるという手続きがあります。
審議したことと、案件が最終的に可決・承認されたことは区別する必要があります。
「審議」の例文
- 新しい事業計画について、経営会議で審議した。
- 議会では、提出された議案の審議が行われた。
- 審議会が制度の見直しについて審議する。
- 委員からの意見を踏まえ、引き続き審議することになった。
- 審議の結果、提案された計画の一部を修正することになった。
「審査」とは?意味と正しい使い方
審査は、詳しく調べて適否や優劣などを判断すること
「審査」は、物事を詳しく調べ、その適否や優劣、等級などを決めることです。
例えば、資格試験で受験者が必要な条件を満たしているかを調べる場合は、「受験資格を審査する」と表現できます。
また、作品コンクールで応募作品を評価し、入賞作品を選ぶ場合も「作品を審査する」といいます。
審査では、対象を調べたうえで、一定の条件や評価項目などを踏まえて判断する場面が多くあります。
審査には適否を判断する場合と優劣を判断する場合がある
審査という言葉は、必ずしも合格か不合格かを決める場合だけに使われるわけではありません。
例えば、ある制度への申請について、必要な条件を満たしているかどうかを判断する場合には、適否の審査が行われます。
一方、作文コンクールやデザインコンテストでは、応募作品を比較して優れた作品を選ぶ審査が行われます。
また、技能の習熟度などを調べ、一定の等級を認定する場合もあります。
このように、審査では、何を判断するかによって、用いられる基準や方法が異なります。
審査は必ず合格・不合格を決めるわけではない
審査の結果は、合格・不合格だけとは限りません。
例えば、作品の審査では順位や賞が決められることがあります。
また、申請内容に不足がある場合には、追加資料の提出や修正が求められる場合もあります。
そのため、「審査中」「審査を通過した」「審査の結果、追加資料を求められた」など、実際の状況に応じた表現を使うことが大切です。
「審査」の例文
- 申請書類を審査し、必要な条件を満たしているか判断する。
- 応募作品は、専門の審査員によって審査された。
- 融資の審査には、一定の期間がかかる場合がある。
- 受験資格の審査を通過した。
- 提出された資料を基に、登録の可否を審査する。
「審議」と「審査」の決定的な違い
違い1:議題の検討か、対象の判定か
審議と審査を区別するうえで重要なのは、何を中心に行うのかという点です。
審議は、議案や計画、方針などについて詳しく検討する場合によく使われます。
一方、審査は、申請や応募、資格、作品などについて詳しく調べ、適否や優劣を判断する場合によく使われます。
例えば、新しい社員研修制度を導入すべきかどうかを会議で検討する場合は、「研修制度を審議する」が自然です。
一方、その研修への参加申込者が受講条件を満たしているか確認し、参加の可否を判断する場合は、「申込者を審査する」が自然です。
違い2:審議でも審査でも、詳しい調査が行われる
「審議は話し合いだけ」「審査は書類を調べるだけ」と考えるのは正確ではありません。
審議では、会議で意見を述べるだけでなく、資料を調べたり、必要な情報を収集したりすることがあります。
一方、審査では、審査員が意見交換をしたり、委員会で議論したりする場合もあります。
実際に、国会の委員会審査では、法律案について趣旨説明、質疑、討論などが行われます。
このように、行われる作業には共通する部分があるため、言葉の意味だけで厳密に作業内容を区別することはできません。
違い3:組織や制度によって正式な用語が決まっている場合がある
一般的な文章では、審議と審査の意味が重なる場合があります。
しかし、国会や行政、資格認定などの制度では、使用する用語が決められている場合があります。
例えば、国会では、法律案について委員会で詳しく専門的に調べることを「審査」、本会議で扱うことを「審議」と呼ぶ用法があります。
ただし、国会における法律案の検討全体を「国会審議」と表現することもあります。
正式な手続きについて説明する場合は、実際の制度で使われている用語を確認しましょう。
【実践】国会では「審議」と「審査」をどう使い分ける?
国会における用語の使い分けは、審議と審査の違いを理解するための具体例になります。
参議院の公式資料では、法律案は原則として、まず委員会で詳しく専門的に審査され、その後、本会議で審議されると説明されています。
ステップ1:法律案が提出される
法律案は、国会議員や内閣から提出されます。
提出された法律案は、通常、内容に応じた委員会に付託されます。
委員会では、法律案について詳しい検討が行われます。
ステップ2:委員会で法律案を審査する
委員会では、法律案の提案理由や内容について説明を受け、委員が質問を行います。
必要に応じて、参考人から意見を聞いたり、公聴会を開催したりする場合もあります。
また、法律案に対して修正案が提出されることもあります。
委員会での質疑などが終了した後は、討論や採決を行い、委員会としての結論を出します。
このような法律案の詳しい専門的な検討を、委員会の「審査」と呼びます。
ステップ3:本会議で審議する
委員会での審査が終了した法律案は、原則として本会議で審議されます。
本会議では、委員長が委員会での審査経過や結果を報告します。
その後、必要に応じて質疑や討論を行い、採決によって議院としての意思を決定します。
この段階を「本会議の審議」と呼びます。
なお、法律案の成立までの具体的な手続きは、案件の種類や両議院の議決状況などによって異なります。
ステップ4:国会審議全体を指す場合もある
「審議」という言葉は、本会議だけでなく、法律案を国会で検討する過程全体を指す場合もあります。
例えば、「法案の審議が続いている」というニュース表現では、委員会での審査を含めた国会での検討状況を表している場合があります。
そのため、「国会では審議と審査が完全に別々の行為として扱われる」と理解するのは適切ではありません。
正確な意味を知りたい場合は、委員会の審査について述べているのか、本会議の審議について述べているのか、それとも国会での検討全体を指しているのかを確認しましょう。
【実践】行政・企業・日常での使い分け
場面1:行政の審議会で制度を検討するとき
行政では、専門家などで構成される審議会が、制度や政策のあり方について検討する場合があります。
例えば、ある制度の見直しについて諮問を受けた審議会が、現状や問題点、今後の方向性について詳しく検討する場合、「審議会で審議する」という表現が自然です。
審議会の検討結果は、答申や報告書などにまとめられることがあります。
ただし、審議会の設置目的や権限、検討する事項などは、個別の制度によって異なります。
場面2:行政手続きで申請書類を調べるとき
行政手続きでは、提出された申請書類などについて、必要な条件を満たしているかどうかを調べることがあります。
例えば、ある資格の認定申請について、申請者が定められた要件を満たしているかを判断する場合は、「資格認定の審査」が自然です。
ただし、審査の対象や必要な資料、判定方法などは、制度によって異なります。
具体的な手続きについては、各制度の申請案内や根拠となる法令などを確認する必要があります。
場面3:企業の経営会議で事業計画を検討するとき
企業の経営会議などでは、新しい事業計画や投資計画について詳しく検討する場合があります。
例えば、設備投資の必要性や費用、期待される効果などについて会議で意見を交換する場合は、「設備投資計画を審議する」と表現できます。
ただし、企業によっては「投資審査」「審査委員会」などの名称を使用する場合もあります。
組織内で正式な名称が定められている場合は、その名称を使用しましょう。
場面4:採用で応募者を評価するとき
採用活動では、応募者の経歴や資格、面接での受け答えなどを確認し、採用基準に照らして判断することがあります。
このような場合は、「応募者を審査する」「選考書類を審査する」という表現が使えます。
一方、採用基準そのものを変更すべきかどうかについて、委員会や経営会議で詳しく検討する場合は、「採用基準の見直しを審議する」という表現も可能です。
審査の対象となる人と、審議の対象となる制度や基準を区別すると、使い分けがわかりやすくなります。
場面5:コンクールで作品を評価するとき
作文や写真、デザインなどのコンクールでは、応募作品を詳しく調べ、優れた作品を選ぶ場合があります。
このような場合は、「作品を審査する」「審査員が入賞作品を決定する」と表現できます。
また、審査員同士が作品の評価について話し合う場合、「審議する」という表現が使われることもあります。
ただし、コンクールごとに、審査方法や審査員の役割などは異なります。正式な説明では、主催者が使用している用語を優先しましょう。
審議・審査を正確に伝えるための実践的な方法
1. 誰が何を判断するのかを明確にする
審議や審査について説明する際には、誰が何について検討・判断するのかを明確にしましょう。
例えば、「申請を審査する」という文章だけでは、誰がどのような基準で審査するのかがわからない場合があります。
必要に応じて、「担当部署が提出書類を審査し、申請条件を満たしているか判断する」などと説明すると、手続きがわかりやすくなります。
2. 検討する事項や審査基準を整理する
審議では、何について検討する必要があるのかを整理することが重要です。
例えば、設備投資について審議する場合には、必要性、費用、期待される効果、代替案などが検討事項となる場合があります。
一方、審査では、対象となる申請や作品などについて、どのような基準で判断するのかが重要になります。
例えば、作品の審査であれば、独創性、完成度、テーマとの適合性などを評価項目として設定する方法があります。
審議と審査のどちらの場合も、何を判断する必要があるのかを明確にしておくことが大切です。
3. 現在の問題と今後の課題を整理する
審議では、現在の問題点を把握し、今後どのような課題に取り組むべきかを検討する場面があります。
例えば、新しい勤務制度について審議する場合、現在の制度で発生している問題と、制度を見直すために取り組むべき事項を分けて考えることができます。
問題点と解決に向けた課題を整理すると、審議の対象が明確になりやすくなります。
関連する表現については、「問題」と「課題」の違いも参考になります。
4. 調査や確認と、判定を区別する
審査では、資料を調べる行為と、その資料に基づいて判断する行為を区別すると、手続きがわかりやすくなります。
例えば、申請書類に必要な項目が記載されているか確認することと、申請者が制度上の要件を満たしているか審査することは、同じとは限りません。
また、検査記録の数値が正しいか確かめることと、その数値に基づいて製品の適否を判断することも区別できます。
情報を確かめる行為については、「確認」と「検証」の違いも参考になります。
5. 審議・審査の結果と正式な決定を区別する
審議や審査を行った結果が、そのまま組織の最終決定になるとは限りません。
例えば、社内の委員会で設備投資について審議した後、経営会議で正式に承認する場合があります。
また、申請書類の審査が終了しても、必要な決裁や通知などの手続きが残っている場合があります。
審議・審査と承認を混同しないよう、各組織の手続きを確認することが重要です。
関連する表現については、「承認」と「了承」の違いも参考になります。
「審議」「審査」と似た言葉の違い
「検討」との違い
「検討」は、ある物事について詳しく調べ、良いか悪いかなどを考えることです。
審議と意味が重なりますが、審議は、議案や方針などについて詳しく調査・検討し、判断するという意味で、会議や審議会などの場面で使われる傾向があります。
一方、検討は、個人が何かについて考える場合にも幅広く使用できます。
例えば、「旅行先を検討する」は自然ですが、通常の旅行計画について「旅行先を審議する」と表現すると、改まった印象になります。
「検証」との違い
「検証」は、事実や仮説などが正しいかどうかを、根拠に基づいて調べることです。
一方、審査は、対象となる物事を詳しく調べ、適否や優劣などを判断することです。
例えば、新しい製造方法によって不良率が低下するかどうかを調べる場合は、「効果を検証する」が自然です。
一方、製造方法の導入申請について、必要な条件を満たしているか判断する場合は、「導入申請を審査する」と表現できます。
「審理」との違い
「審理」は、事実や条理を詳しく調べて、明らかにすることです。
特に法律の分野では、裁判所が裁判の対象となる事実関係や法律関係を取り調べ、明らかにすることを意味します。
例えば、「裁判所が事件を審理する」という表現があります。
一方、審議は議案などを詳しく調査・検討すること、審査は対象を詳しく調べ、適否などを判断することです。
法律上の専門用語として使う場合は、対象となる手続きで定められた意味を確認しましょう。
「調査」との違い
「調査」は、物事の実態や状況などを明らかにするため、調べることです。
例えば、顧客の利用状況を把握するためにアンケート調査を行う場合があります。
一方、審査は、対象を詳しく調べて適否や優劣などを判断することです。
審査の過程で調査を行う場合もありますが、調査しただけで審査が終了したことになるとは限りません。
「選考」との違い
「選考」は、多くの候補の中から、条件などを考慮して適切なものを選び出すことです。
審査は適否や優劣などを判断する行為ですが、選考は、その結果などを踏まえて候補者や作品を選ぶことに重点があります。
例えば、採用活動では、応募書類を審査した後、面接などを経て採用候補者を選考する場合があります。
ただし、「書類選考」「書類審査」のように、近い意味で使われる表現もあります。
「承認」との違い
「承認」は、ある事柄について、正当または適当であると認めることです。
審査では、申請などの適否を詳しく調べて判断します。
そして、審査の結果を踏まえ、権限を持つ人や機関が承認する場合があります。
ただし、審査と承認の関係や順序は、対象となる制度や組織によって異なります。
「審議」と「審査」の3秒判定
どちらの言葉を使うか迷ったときは、次の表を参考にしてください。
| 伝えたい内容 | 使いやすい言葉 |
|---|---|
| 経営会議で新しい事業計画を詳しく検討する | 審議 |
| 審議会で制度の見直しについて検討する | 審議 |
| 国会の本会議で法律案を議論する | 審議 |
| 国会の委員会で法律案を専門的に調べる | 審査 |
| 申請書類を調べ、要件を満たしているか判断する | 審査 |
| 応募作品を評価し、入賞作品を選ぶ | 審査・選考 |
| 仮説が正しいかどうかを調べる | 検証 |
| 裁判所が事件の事実関係などを取り調べる | 審理 |
| 調査結果などを基に、正式に認める | 承認 |
案や方針について詳しく検討するなら「審議」、申請や応募などについて適否・優劣を判定するなら「審査」が、一般的な使い分けの目安です。
よくある間違いと注意点
「審議」は話し合いだけを意味するわけではない
審議には、詳しく調査・検討し、良し悪しなどを決めるという意味があります。
そのため、単に意見交換することだけでなく、必要な情報を収集したり、資料を確認したりすることも関係します。
「審議=話し合いだけ」と覚えるのは適切ではありません。
「審査」は必ず書類だけで行うわけではない
審査では、書類のほか、面接や実技、作品の評価など、さまざまな方法が使用される場合があります。
例えば、採用や資格認定、コンクールなどでは、それぞれの目的に合わせて審査方法が定められます。
「審査=書類確認」という区別は正しくありません。
「審議」は必ず複数人で行うと決まっているわけではない
審議は会議や審議会などで行われることが多いため、複数人で行う印象があります。
しかし、辞書上の意味だけで、必ず複数人が参加しなければならないと決まっているわけではありません。
ただし、審議会や議会などの正式な手続きでは、構成員や開催方法、議決方法などが規定されている場合があります。
審査を通過したことと、最終的に承認されたことは異なる
例えば、企業の取引先登録で、担当部署の審査を通過したとしても、その後に別の部署の確認や、責任者の承認が必要な場合があります。
このような場合、「審査を通過した」と「正式に承認された」は区別して説明する必要があります。
実際の手続きでどのような段階があるのかを確認し、状況に合った表現を選びましょう。
「審議」と「審査」の例文10選
「審議」を使った例文
- 新しい事業計画について、経営会議で審議した。
- 議会では、提出された議案の審議が行われた。
- 審議会が制度の見直しについて審議する。
- 委員からの意見を踏まえ、引き続き審議することになった。
- 審議の結果、提案された計画の一部を修正することになった。
「審査」を使った例文
- 申請書類を審査し、必要な条件を満たしているか判断する。
- 応募作品は、専門の審査員によって審査された。
- 融資の審査には、一定の期間がかかる場合がある。
- 受験資格の審査を通過した。
- 提出された資料を基に、登録の可否を審査する。
FAQ|「審議」と「審査」のよくある質問
Q1. 「審議」と「審査」は同じ意味ですか?
どちらにも詳しく調べて判断するという意味があり、意味が重なる部分があります。ただし、一般的には、審議は議案や計画などについて詳しく調査・検討する場面、審査は申請や応募などについて詳しく調べ、適否や優劣を判断する場面で使われる傾向があります。
Q2. 国会では「審議」と「審査」をどう使い分けますか?
国会では、法律案が原則として委員会で詳しく専門的に審査された後、本会議で審議されます。ただし、法律案を国会で扱う過程全体を「国会審議」と呼ぶ場合もあります。正式な説明では、どの段階について述べているのかを確認しましょう。
Q3. 「審査」と「検査」はどう違いますか?
審査は、詳しく調べて適否・優劣・等級などを決めることです。一方、検査は、一定の基準などに照らし合わせ、異常や不備などがないか調べることを意味します。例えば、製品を検査した結果を資料として、出荷の可否を審査する場合があります。
Q4. 「審議」と「検討」はどう違いますか?
検討は、物事について詳しく調べ、良いか悪いかなどを考えることです。審議も詳しく調査・検討することを意味しますが、議案や計画などについて、会議や審議会などで検討する場面で使われることが多い言葉です。
Q5. 「審査」と「承認」はどう違いますか?
審査は、申請などについて詳しく調べ、適否などを判断することです。一方、承認は、ある事柄を正当または適当であると認めることです。審査の結果を踏まえて承認が行われる場合もありますが、具体的な手続きは制度や組織によって異なります。
Q6. 「審議」と「審理」はどう違いますか?
審議は、ある物事について詳しく調査・検討し、良し悪しなどを決めることです。一方、審理は、事実や条理を詳しく調べて明らかにすることを意味します。特に裁判では、裁判所が事件の事実関係や法律関係を取り調べることを指します。
Q7. 応募作品を評価する場合は、審議と審査のどちらですか?
一般的には「審査」が自然です。審査員が作品を詳しく調べ、優劣などを判断して入賞作品を決める場面で使用できます。ただし、審査員同士が作品について詳しく議論する場面では、「審議」という表現も使われる場合があります。
Q8. 審議や審査が終われば、必ず正式な決定が出ますか?
必ずしもそうではありません。組織や制度によっては、審議や審査の後に、別の会議での判断や責任者による承認などが必要になる場合があります。また、追加資料を求めたり、引き続き検討したりする場合もあります。
まとめ|審議は詳しく検討すること、審査は詳しく調べて判定すること
「審議」と「審査」は、どちらも対象となる物事を詳しく調べ、判断することに関係していますが、一般的には重点の置き方が異なります。
- 審議:物事について詳しく調査・検討し、その良し悪しなどを決めること。
- 審査:物事を詳しく調べ、適否・優劣・等級などを決めること。
- 共通点:詳しい調査や検討を通じて、対象について評価・判断すること。
議案や計画、制度などについて詳しく検討する場合は「審議」、申請や応募、資格などについて適否や優劣を判断する場合は「審査」が使いやすいでしょう。
ただし、両者の意味には重なる部分があります。特に国会や行政などでは、正式な手続きに応じて用語が定められている場合があるため、一般的な意味と制度上の用法を区別することが大切です。
文章を作成するときは、何について調べるのか、どのような判断を行うのか、どの制度や組織で使用するのかを確認し、文脈に合った言葉を選びましょう。
参考資料・出典
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goo辞書|審議の意味・読み方・使い方
小学館『デジタル大辞泉』による「審議」の基本的な意味と用例を確認できます。
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コトバンク|審査の意味・読み方
小学館『デジタル大辞泉』『日本国語大辞典』などによる「審査」の意味や、適否・優劣・等級などを判断する用法を確認できます。
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参議院|法律ができるまで
国会で法律案が提出されてから、委員会の審査や本会議の審議を経て、法律が成立するまでの基本的な流れを確認できます。
