「見守り等」と「一部介助」の違いとは?要介護認定の判断基準・具体例・特記事項の書き方を徹底比較

「要介護認定の見守り等と一部介助は何が違う?」「転倒しないように体を支えている場合は、どちらになる?」「服薬を毎回確認している場合は、一部介助になる?」など、介護認定の調査項目には、似ているようで判断基準が異なる言葉があります。

その代表例が「見守り等」と「一部介助」です。

どちらも、本人が日常生活の動作を行う際に、ほかの人から支援を受けている状態を表します。しかし、認定調査では、単に支援の量が少ないか多いかによって区別するわけではありません。

結論からいうと、「見守り等」は原則として対象となる動作そのものの介助は行わず、安全確認や指示、声かけなどを行うこと。「一部介助」は、対象となる一連の動作の一部を介護者が実際に手伝うことです。

例えば、本人が歩く際に、家族が転倒しないよう付き添っているだけなら、移動の項目では「見守り等」に該当する場合があります。一方、歩行中に体を支えたり、段差で車椅子を押したりしていれば、「一部介助」に該当する場合があります。

ただし、調査項目によっては「見守り等」という独立した選択肢がなく、見守りや声かけを「一部介助」に含めるものもあります。

この記事では、見守り等と一部介助の違いを比較表で整理し、移動・移乗・食事・排せつ・服薬などの具体例、判断を間違えやすい場面、特記事項に伝えるべき情報、認定調査で家族が準備したいことまで解説します。

  1. 「見守り等」と「一部介助」の違い【結論】
  2. 【徹底比較】「見守り等」と「一部介助」の違い
  3. 「見守り等」とは?安全確認・指示・声かけなどを行うこと
    1. 本人が動作を行い、介護者は安全などを確認する
    2. 声かけや指示も含まれる
    3. 見守りが長時間必要でも、一部介助とは限らない
  4. 「一部介助」とは?対象となる動作の一部分を手伝うこと
    1. 本人ができない部分を介護者が手伝う
    2. 介助する部分が少なくても一部介助になる場合がある
    3. 一部介助と全介助も区別する
  5. 【重要】調査項目によって「見守り等」の扱いが違う
    1. 「見守り等」が独立した選択肢にある項目
    2. 見守り等が「一部介助」に含まれる項目
    3. 声かけだけで一部介助に該当する項目もある
  6. 【場面別比較】移動・移乗・食事・排せつではどう判断する?
    1. 移動:付き添うだけか、体を支えるか
    2. 移乗:安全確認か、乗り移る動作の補助か
    3. 食事摂取:声かけか、食べる動作への介助か
    4. 排尿・排便:声かけか、一連の動作への介助か
  7. 見守り等と一部介助は、介護時間の長さで決まる?
  8. 【具体例】特記事項には何を伝えればよい?
    1. 見守り等の場合の具体例
    2. 一部介助の場合の具体例
  9. 介助の方法が日によって違う場合はどうなる?
  10. 実際に介助していない場合も、必要な介助を評価できる?
  11. 見守り等と一部介助は、要介護度にどう影響する?
  12. 【実践】認定調査前に家族が整理したい5つのポイント
    1. 1. 対象となる動作を本人がどこまでできるか
    2. 2. 実際に行っている支援の方法
    3. 3. 介助や見守りが必要になる頻度
    4. 4. 福祉用具を使用しているときの状況
    5. 5. 調査当日と普段の状態に違いがあれば伝える
  13. 認定調査の内容に疑問がある場合は?
    1. 基本調査の選択理由について確認する
    2. 認定後に状態が変わった場合は区分変更申請を検討する
  14. 「見守り等」「一部介助」と似た言葉の違い
    1. 「介助されていない」との違い
    2. 「全介助」との違い
    3. 「能力」と「介助の方法」の違い
    4. 「基本調査」と「特記事項」の違い
  15. 「見守り等」と「一部介助」の3秒判定
  16. よくある間違いと注意点
    1. 「見守り等は、一部介助より必ず介護の手間が少ない」は誤り
    2. 「体に触れていなければ、必ず見守り等になる」は誤り
    3. 「声かけだけなら、必ず介助されていないになる」は誤り
    4. 「一部介助なら、家族が長時間介護している」は誤り
    5. 「家族が希望する選択肢を調査員へ伝えればよい」は誤り
  17. 「見守り等」と「一部介助」の例文12選
    1. 「見守り等」を使った例文
    2. 「一部介助」を使った例文
  18. FAQ|「見守り等」と「一部介助」のよくある質問
    1. Q1. 見守り等と一部介助の最も大きな違いは何ですか?
    2. Q2. 声かけだけなら、必ず見守り等になりますか?
    3. Q3. 歩くときに家族が付き添っている場合は、見守り等ですか?
    4. Q4. 移乗の際に体を支えている場合は、一部介助ですか?
    5. Q5. 洗身の際に見守っているだけでも、一部介助になりますか?
    6. Q6. 食事を小さく切っている場合は、一部介助ですか?
    7. Q7. 薬を飲んだかどうか確認している場合は、見守り等ですか?
    8. Q8. 見守りが長時間必要なら、一部介助になりますか?
    9. Q9. 日中は見守り、夜間は一部介助の場合はどうなりますか?
    10. Q10. 実際に介助を受けていなくても、一部介助と評価されることはありますか?
    11. Q11. 見守り等から一部介助に変わったら、要介護度も上がりますか?
    12. Q12. 認定調査で普段の介護の状況を十分に伝えられなかった場合は?
  19. まとめ|見守り等と一部介助は、介護の量ではなく方法で区別する
  20. 参考リンク

「見守り等」と「一部介助」の違い【結論】

二つの言葉を区別する基本的なポイントは、対象となる動作について、介護者がどのような方法で支援しているかです。

  • 見守り等:対象となる動作そのものの介助は行わず、安全のための付き添い、確認、指示、声かけなどを行うこと。
  • 一部介助:本人が行う一連の動作のうち、一部分について、介護者が手を添えたり、体を支えたり、動作の一部を代わりに行ったりすること。

例えば、椅子から車椅子へ乗り移る「移乗」の場合です。

本人が自分で乗り移ることができ、介護者はそばで安全を確認しているだけなら、「見守り等」が関係します。

一方、介護者が本人の体を支え、乗り移る動作の一部を手伝っている場合は、「一部介助」が関係します。

ただし、本人の身体に触れているかどうかだけで、すべての項目を機械的に判断できるわけではありません。例えば、移乗の際に本人の身体に触れず、動作に合わせて車椅子を動かす行為は、所定の条件で「見守り等」に含まれます。

認定調査では、必ず各項目の定義と選択基準に沿って判断する必要があります。

【徹底比較】「見守り等」と「一部介助」の違い

比較項目 見守り等 一部介助
基本的な意味 安全確認、付き添い、指示、声かけなど 対象となる動作の一部を実際に手伝うこと
本人の動作 原則として本人が動作そのものを行う 本人と介護者が動作を分担する
主な支援方法 確認、指示、声かけ、常時の付き添いなど 体を支える、手を添える、動作の一部を代行するなど
移動の例 転倒を防ぐため、本人の移動に付き添う 移動中に体を支える、段差で車椅子を押す
移乗の例 本人が乗り移る際に、安全を確認する 乗り移る際に体を支える
食事摂取の例 食事中に必要な確認や声かけをする 食べ物を小さく切る、スプーンに載せるなど、対象となる動作の一部を介助する
認定調査での扱い 独立した選択肢がある項目で選択する 対象となる動作の一部に介助がある場合に選択する
介護にかかる時間 短時間とは限らない 長時間とは限らない
選択肢があるか 項目によっては独立した選択肢がない 項目ごとの選択基準に従う

見守り等と一部介助は、必要な介護の時間や家族の負担の大小を直接示すものではなく、原則として介助の方法を区別する言葉です。

「見守り等」とは?安全確認・指示・声かけなどを行うこと

本人が動作を行い、介護者は安全などを確認する

見守り等は、対象となる動作を本人が行う際、介護者が必要な確認や付き添いなどを行う状態です。

例えば、本人が歩くことはできるものの、転倒する危険があるため、家族が移動のたびに付き添っている場合です。

このような場合、移動の動作そのものは本人が行っていますが、安全のための見守りが必要です。

声かけや指示も含まれる

見守り等には、身体に触れずに付き添うことだけでなく、認知機能の低下などによって必要となる確認、指示、声かけなども含まれます。

例えば、本人がトイレへ移動できるものの、適切なタイミングで声をかけ、行き先を案内する必要がある場合です。

ただし、声かけがあるから必ず「見守り等」となるわけではありません。調査項目によって、声かけや確認が「一部介助」に含まれる場合があるためです。

見守りが長時間必要でも、一部介助とは限らない

見守り等と一部介助を区別する際、特に注意したいのが介護時間との関係です。

例えば、短時間だけ体を支える場合と、長時間にわたって転倒を防ぐために付き添う場合を比較してみましょう。

後者のほうが家族にとって時間的な負担が大きい場合もあります。

しかし、見守り等と一部介助は、介護にかかる時間だけで決まるものではありません。

長時間の見守りが必要な場合は、その具体的な内容や頻度を特記事項へ記録することが重要です。

「一部介助」とは?対象となる動作の一部分を手伝うこと

本人ができない部分を介護者が手伝う

一部介助は、本人が対象となる動作のすべてを自分で行うのではなく、その一部分について介護者が実際に手伝っている状態です。

例えば、ベッドから車椅子へ乗り移る際に、本人が上半身を動かせるものの、立ち上がりや姿勢の保持に介護者の支えが必要な場合です。

このような場合は、移乗の項目で一部介助に該当する可能性があります。

介助する部分が少なくても一部介助になる場合がある

一部介助は、介護者が長時間手伝っている状態だけを指すわけではありません。

例えば、食事摂取の項目では、食べ物を小さく切ったり、魚の骨を取ったり、食べ物をスプーンに載せたりする介助も、一部介助に含まれます。

このとき、介助にかかる時間の長さだけで判断するわけではありません。

対象となる動作のどの部分を、どのように手伝っているのかが重要です。

一部介助と全介助も区別する

一部介助は、一連の動作のうち一部分を介護者が手伝う状態です。

一方、全介助は、原則として対象となる一連の動作すべてについて介護者が介助している状態です。

例えば、移乗の動作を本人が一部行い、介護者が体を支えている場合は一部介助が関係します。

一方、本人が自力では移乗できず、介護者が抱えて乗り移らせるなど、動作のすべてを介助している場合は全介助が関係します。

ただし、全介助の具体的な判断基準も項目によって異なるため、それぞれの定義に沿って確認する必要があります。

【重要】調査項目によって「見守り等」の扱いが違う

見守り等と一部介助を正確に理解するうえで、最も注意したいのが、調査項目による選択肢の違いです。

要介護認定の基本調査には、介助の方法で評価する項目が16項目あります。

しかし、16項目すべてに「見守り等」という独立した選択肢があるわけではありません。

「見守り等」が独立した選択肢にある項目

例えば、移乗、移動、食事摂取、排尿、排便、上衣の着脱、ズボン等の着脱、簡単な調理などでは、見守り等と一部介助が別々の選択肢として設けられています。

そのため、原則として、見守りや声かけにとどまるのか、対象となる動作の一部分を実際に介助しているのかによって判断します。

見守り等が「一部介助」に含まれる項目

一方、洗身、つめ切り、口腔清潔、洗顔、整髪などでは、「見守り等」という独立した選択肢がありません。

例えば、洗身では、見守り等が行われている場合も「一部介助」に含まれます。

口腔清潔でも、歯磨き中の指示や見守り、磨き残しの確認などが行われている場合は、一部介助に含まれます。

そのため、身体に触れる介助を行っていなくても、項目によっては一部介助に該当します。

声かけだけで一部介助に該当する項目もある

例えば、薬の内服については、見守りや服薬の確認などの介助が行われている場合、一部介助に該当することがあります。

金銭の管理についても、介護者による確認などが行われている場合は、一部介助に含まれます。

したがって、「声かけだけなら必ず見守り等」という判断は誤りです。

認定調査では、必ず各項目に設けられた選択肢と、その定義を確認する必要があります。

【場面別比較】移動・移乗・食事・排せつではどう判断する?

移動:付き添うだけか、体を支えるか

移動の項目では、日常生活で食事や排せつ、入浴などのために必要な場所へ移動する際の介助の方法を評価します。

具体的な状況 関係する選択肢
本人が自力で移動し、介助も見守りも行われていない 介助されていない
転倒を防ぐため、家族が常時付き添っている 見守り等
介護者が本人の体を支えながら移動する 一部介助
本人が移動の動作を行えず、すべて介護者が介助する 全介助

ただし、移動の手段は問いません。車椅子や歩行器などを使用している場合は、実際の使用状況に基づいて評価します。

移乗:安全確認か、乗り移る動作の補助か

移乗とは、ベッドから車椅子へ、車椅子から椅子へ乗り移るなど、臀部を移動させる動作です。

本人が乗り移る際に、介護者が安全確認や声かけを行っている場合は、見守り等が関係します。

一方、介護者が本人の体を支えたり、手を添えたりして乗り移る動作の一部を手伝っている場合は、一部介助が関係します。

なお、介護者が本人の身体に直接触れず、動作に合わせて車椅子を臀部の下へ差し入れている場合は、厚生労働省の手引きでは見守り等に含まれます。

食事摂取:声かけか、食べる動作への介助か

食事摂取の項目では、食べ物を口へ運ぶことなど、対象となる食事摂取の動作にどのような介助が行われているかを評価します。

例えば、食事中に必要な声かけや確認を行う場合は、見守り等が関係します。

一方、食べ物を小さく切る、魚の骨を取る、スプーンに食べ物を載せるなど、食事摂取の行為の一部を手伝っている場合は、一部介助が関係します。

ただし、台所での調理や配膳、食後の後片付けなどは、原則として食事摂取の評価に含まれません。

排尿・排便:声かけか、一連の動作への介助か

排尿や排便では、トイレへの誘導に必要な声かけや、対象となる一連の行為での介助などが関係します。

例えば、本人が一連の動作を行えるものの、適切なタイミングでトイレへ行くよう声をかける場合は、見守り等が関係します。

一方、衣服の上げ下げや清拭など、対象となる一連の動作の一部分を介護者が手伝っている場合は、一部介助が関係します。

なお、排尿と排便は別々の調査項目です。同じ人でも、排尿と排便で異なる選択肢になる場合があります。

見守り等と一部介助は、介護時間の長さで決まる?

見守り等と一部介助は、基本的には介助の方法を示す選択肢です。

そのため、介護にかかる時間だけで選択するわけではありません。

例えば、移動時に短時間だけ体を支えている場合と、毎回の移動で長時間の付き添いが必要な場合です。

前者は一部介助、後者は見守り等に該当する可能性があります。

したがって、介護の手間が多いから一部介助、少ないから見守り等という判断は適切ではありません。

介護にかかる時間や頻度など、選択肢だけでは十分に伝わらない情報については、認定調査票の特記事項が重要になります。

【具体例】特記事項には何を伝えればよい?

特記事項は、基本調査でその選択肢を選んだ理由や、具体的な介護の手間、頻度などを記録する部分です。

家族は、普段どのような支援を行っているのかを、認定調査員へ具体的に伝えるとよいでしょう。

見守り等の場合の具体例

例えば、移動について見守り等が関係する場合です。

「移動するときに見守っている」という説明だけでは、どのような介護の手間があるのか十分に伝わらないことがあります。

次のような情報を整理しましょう。

  • どのような危険を防ぐために見守りが必要か
  • 移動のたびに付き添う必要があるか
  • どのような声かけや指示をしているか
  • 一日に何回程度、見守りが必要になるか
  • 時間帯や体調によって状況が変わるか

一部介助の場合の具体例

例えば、移乗について一部介助が関係する場合です。

「乗り移るときに介助している」という説明だけでなく、どの部分を手伝っているのかを整理しましょう。

  • 立ち上がる際に体を支えているか
  • 姿勢を保持するために手を添えているか
  • 乗り移る動作のうち、本人ができる部分はどこか
  • 介助が必要になる頻度はどの程度か
  • 福祉用具を使用している場合、どのように利用しているか

なお、特記事項は、原則として認定調査員が調査結果に基づいて作成します。家族のメモがそのまま採用されるわけではありません。

介助の方法が日によって違う場合はどうなる?

本人の体調や時間帯によって、必要な介助の方法が異なることがあります。

例えば、日中は見守りだけで移動できるものの、夜間は体を支える必要がある場合です。

介助の方法で評価する項目では、原則として調査日からおおむね過去1週間の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況などを基に選択します。

ただし、より頻回に見られる状況だけを記録すれば、それ以外の介助はすべて無視されるというわけではありません。

必要に応じて、ほかの時間帯に発生する介助の内容や頻度なども特記事項に記録し、介護認定審査会で検討するための資料とします。

実際に介助していない場合も、必要な介助を評価できる?

原則として、介助の方法に関する調査項目では、実際に行われている介助の状況を基に評価します。

ただし、本人の状態に対して実際の介助が不適切であると、認定調査員が判断する場合があります。

例えば、一人暮らしで介護者がいないために、本来必要な介助を受けられていない場合です。

このような場合、認定調査員は、所定の基準に従って適切と考えられる介助の方法を選択し、その理由や実際の状況を特記事項に記載して、介護認定審査会の判断を仰ぐことができます。

ただし、本人や家族が介助を必要だと考えているという理由だけで、希望する選択肢がそのまま採用されるわけではありません。

見守り等と一部介助は、要介護度にどう影響する?

見守り等と一部介助は、認定調査の基本項目において、介助の方法を評価するための選択肢です。

その結果は、ほかの調査項目や主治医意見書の一部の情報などとともに、コンピュータによる一次判定に使用されます。

その後、介護認定審査会が、一次判定を原案として、認定調査の特記事項や主治医意見書などを踏まえた二次判定を行います。

そのため、「見守り等から一部介助に変われば、必ず要介護度が上がる」とは限りません。

また、日常生活で必要な見守りが長時間に及ぶ場合などは、特記事項に具体的な介護の手間や頻度が記録されていれば、二次判定で検討されることがあります。

【実践】認定調査前に家族が整理したい5つのポイント

1. 対象となる動作を本人がどこまでできるか

例えば、移動、移乗、食事、排せつなどについて、本人が自分でできる部分を整理しましょう。

対象となる動作そのものの介助が必要なのか、安全確認や声かけが必要なのかを区別すると、普段の状態を説明しやすくなります。

2. 実際に行っている支援の方法

介護者が付き添っているだけなのか、体を支えているのか、動作の一部分を代わりに行っているのかを整理しましょう。

ただし、選択肢を家族が決める必要はありません。認定調査員が各項目の定義に従って評価します。

3. 介助や見守りが必要になる頻度

毎回必要なのか、週に数回なのか、特定の時間帯だけなのかなどを整理しましょう。

介助の具体的な内容だけでなく、頻度も特記事項で重要になる情報です。

4. 福祉用具を使用しているときの状況

杖、歩行器、車椅子などを使用している場合は、その使用状況と、実際に必要となる介助を伝えましょう。

本人が普段使用している用具を無視して、使用しない場合だけで評価するとは限りません。

5. 調査当日と普段の状態に違いがあれば伝える

調査当日は普段より調子がよく、いつもは必要な介助が不要になる場合もあります。

反対に、体調不良や緊張などによって、普段はできる動作が難しくなる場合もあります。

そのようなときは、普段の状態と調査当日の違いを、具体的に認定調査員へ伝えましょう。

認定調査の内容に疑問がある場合は?

基本調査の選択理由について確認する

認定調査で、普段の状態とは異なる選択肢になったと感じた場合は、市区町村の介護保険担当窓口へ相談しましょう。

自治体によっては、所定の手続きによって、認定調査票の情報提供や開示を受けられる場合があります。

認定調査票を確認できる場合は、基本調査の選択肢と、特記事項に記録された具体的な状況を区別して確認することが重要です。

基本調査の記載を確かめることと、普段の介護記録などを照らし合わせて内容の妥当性を調べることについては、「確認」と「検証」の違いも参考になります。

認定後に状態が変わった場合は区分変更申請を検討する

認定を受けた後に本人の心身の状態が大きく変わり、現在の認定区分が合わなくなった場合は、有効期間中でも区分変更申請を検討できます。

一方、認定時点の状態について、認定処分そのものに不服がある場合は、介護保険審査会への審査請求などが関係します。

これらは目的が異なるため、市区町村へ具体的な状況を伝え、適切な手続きを確認しましょう。

「見守り等」「一部介助」と似た言葉の違い

「介助されていない」との違い

「介助されていない」は、原則として対象となる動作について介助が行われていない状態です。

一方、「見守り等」は、対象となる動作そのものの介助は行っていなくても、必要な確認や付き添い、指示、声かけなどが行われている状態です。

ただし、項目によって見守り等の扱いが異なることがあります。

「全介助」との違い

一部介助は、対象となる一連の動作の一部分を介護者が手伝うことです。

一方、全介助は、原則として一連の動作すべてについて介護者が介助する状態です。

具体的な選択基準は各調査項目の定義に従って確認します。

「能力」と「介助の方法」の違い

能力で評価する項目は、本人が所定の動作を行えるかどうかを確認するものです。

一方、介助の方法で評価する項目は、対象となる動作について、他者からどのような介助が行われているかを確認するものです。

例えば、歩行の能力と、日常生活で必要な場所へ移動するときの介助の状況は、別の調査項目です。

「基本調査」と「特記事項」の違い

基本調査は、全国共通の所定の選択肢で本人の状態を評価するものです。

一方、特記事項は、選択した理由や、具体的な介護の手間、頻度などを文章で記録するものです。

見守り等と一部介助の選択だけでは十分に伝わらない介護の状況は、特記事項が重要な資料になります。

「見守り等」と「一部介助」の3秒判定

状況 主に関係する選択肢・扱い
移動の際、転倒を防ぐために常時付き添う 見守り等
移動の際、介護者が本人の体を支える 一部介助
移乗の際、介護者が安全を確認する 見守り等
移乗の際、介護者が体を支える 一部介助
食事中に必要な声かけを行う 見守り等
食事摂取の際、食べ物を小さく切る 一部介助
洗身の際に見守りが必要 洗身の項目では一部介助に含まれる
口腔清潔の際に磨き残しを確認する 口腔清潔の項目では一部介助に含まれる
見守りが長時間必要 選択肢だけで介護の手間を判断せず、特記事項に内容・頻度を記録する

ただし、これは代表的な例です。実際の認定調査では、各項目の定義や選択基準、本人の具体的な状況などを踏まえて判断します。

よくある間違いと注意点

「見守り等は、一部介助より必ず介護の手間が少ない」は誤り

見守り等と一部介助は、原則として介助の方法を示します。

見守りが長時間必要な場合もあり、選択肢だけで介護の手間の大小を単純に比較することはできません。

「体に触れていなければ、必ず見守り等になる」は誤り

調査項目によっては、声かけや確認などが一部介助に含まれる場合があります。

例えば、洗身、口腔清潔、薬の内服などでは、項目ごとの定義を確認する必要があります。

「声かけだけなら、必ず介助されていないになる」は誤り

見守り等に必要な声かけや指示が含まれる項目があります。

また、独立した見守り等の選択肢がない項目では、一部介助に含まれる場合があります。

「一部介助なら、家族が長時間介護している」は誤り

一部介助は、対象となる動作の一部分を手伝うことです。

介助にかかる時間が短くても、所定の条件を満たせば一部介助に該当します。

「家族が希望する選択肢を調査員へ伝えればよい」は誤り

認定調査では、調査員が全国共通の定義や選択基準に従って評価します。

家族は選択肢を指定するのではなく、普段どのような介助や見守りが必要なのか、具体的な状況を正確に伝えることが重要です。

「見守り等」と「一部介助」の例文12選

「見守り等」を使った例文

  1. 父は歩行できるが転倒の危険があるため、移動の際には見守り等が必要である。
  2. 認定調査では、移乗について見守り等が行われていると説明した。
  3. 日常生活で必要な確認や声かけも、項目によっては見守り等に含まれる。
  4. 食事摂取の際には、必要な見守り等を行っている。
  5. 見守り等が必要になる頻度を、認定調査員へ具体的に伝えた。
  6. 見守り等の選択肢があるかどうかは、調査項目によって異なる。

「一部介助」を使った例文

  1. 母は移乗の際に体を支える必要があるため、一部介助が行われている。
  2. 食事摂取では、食べ物を小さく切るなどの一部介助が必要である。
  3. 移動の際に体幹を支えている場合は、一部介助に該当することがある。
  4. 口腔清潔の際に磨き残しを確認している場合も、一部介助に含まれる。
  5. 一部介助の内容と頻度について、認定調査員へ説明した。
  6. 一部介助という選択肢だけでは、実際に発生している介護の手間を十分に表現できない場合がある。

FAQ|「見守り等」と「一部介助」のよくある質問

Q1. 見守り等と一部介助の最も大きな違いは何ですか?

原則として、対象となる動作そのものを介護者が手伝っているかどうかです。見守り等は安全確認や指示、声かけなどを行うこと、一部介助は対象となる一連の動作の一部分を実際に手伝うことです。ただし、項目によって例外があります。

Q2. 声かけだけなら、必ず見守り等になりますか?

必ずしもそうではありません。調査項目によっては、見守りや声かけが一部介助に含まれる場合があります。各項目の定義に従って判断する必要があります。

Q3. 歩くときに家族が付き添っている場合は、見守り等ですか?

移動の項目では、対象となる動作そのものの介助は行わず、安全のために常時付き添っている場合、見守り等に該当することがあります。ただし、体を支えるなどの介助が行われている場合は、一部介助が関係します。

Q4. 移乗の際に体を支えている場合は、一部介助ですか?

本人が乗り移る動作の一部を行い、介護者が体を支えるなどの介助を行っている場合は、移乗の項目で一部介助に該当することがあります。

Q5. 洗身の際に見守っているだけでも、一部介助になりますか?

洗身の項目では、見守り等が行われている場合も、一部介助に含まれます。すべての項目に見守り等という独立した選択肢があるわけではありません。

Q6. 食事を小さく切っている場合は、一部介助ですか?

食事摂取の項目では、食べ物を小さく切る、魚の骨を取る、食べ物をスプーンに載せるなどの介助は、一部介助に含まれます。

Q7. 薬を飲んだかどうか確認している場合は、見守り等ですか?

薬の内服の項目では、服薬時の確認や見守りなどが、一部介助に含まれる場合があります。調査項目ごとの定義を確認する必要があります。

Q8. 見守りが長時間必要なら、一部介助になりますか?

見守り等と一部介助は、介護にかかる時間だけで区別するものではありません。見守りが長時間必要な場合は、その具体的な内容や頻度などを特記事項で記録することが重要です。

Q9. 日中は見守り、夜間は一部介助の場合はどうなりますか?

介助の方法で評価する項目では、原則として調査日からおおむね過去1週間の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況などを基に選択します。ほかの時間帯で必要な介助の内容や頻度などは、特記事項に記録することがあります。

Q10. 実際に介助を受けていなくても、一部介助と評価されることはありますか?

実際の介助が本人にとって不適切だと認定調査員が判断する場合は、所定の基準に従って適切と考えられる介助の方法を選択し、その理由を特記事項に記録して介護認定審査会の判断を仰ぐことがあります。

Q11. 見守り等から一部介助に変わったら、要介護度も上がりますか?

必ずしもそうではありません。要介護認定は、複数の調査項目や主治医意見書などを基に審査するため、一つの選択肢が変わっただけで認定区分が必ず変わるわけではありません。

Q12. 認定調査で普段の介護の状況を十分に伝えられなかった場合は?

まず、市区町村の介護保険担当窓口へ相談しましょう。認定結果への疑問がある場合は、認定調査票の情報提供などの手続きについても確認できます。認定後に心身の状態が変わった場合は区分変更申請、認定処分そのものに不服がある場合は審査請求などが関係します。

まとめ|見守り等と一部介助は、介護の量ではなく方法で区別する

「見守り等」と「一部介助」は、どちらも要介護認定における介助の方法を評価するための言葉ですが、基本的な意味が異なります。

  • 見守り等:対象となる動作そのものの介助は行わず、安全確認や指示、声かけ、必要な付き添いなどを行うこと。
  • 一部介助:対象となる一連の動作のうち、一部分を介護者が実際に手伝うこと。
  • 重要な注意点:調査項目によっては、見守りや声かけが一部介助に含まれる場合がある。また、選択肢だけで介護の手間の大小は決まらない。

特に重要なのは、見守り等と一部介助を、介護にかかる時間や家族の負担の大小だけで区別しないことです。

認定調査では、本人がどのような動作を行えるか、実際にどのような介助や見守りを受けているかを、調査項目ごとの定義に沿って評価します。

また、選択肢だけでは伝わりにくい介護の具体的な内容や頻度などは、特記事項が重要な資料になります。

家族が認定調査に同席する場合は、希望する選択肢を指定するのではなく、普段どのような介助や見守りが必要なのかを、できるだけ具体的かつ正確に伝えましょう。

参考リンク

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