「内閣総理大臣が国務大臣を辞めさせることができる権利を何という?」
政治・公民・憲法の学習などで、このような問題を目にすることがあります。
答えを先に言うと、一般に「罷免権(ひめんけん)」と呼ばれる権限です。
日本国憲法第68条第2項では、内閣総理大臣について、
「任意に国務大臣を罷免することができる」
と定められています。
そのため、内閣総理大臣には、自ら任命した国務大臣を辞めさせる権限があります。
ただし、「罷免権」という言葉については、
- 「罷免」とは何?
- 「罷免権」は憲法にそのまま書かれている言葉?
- 「権利」と「権限」のどちらが正しい?
- 総理大臣は理由がなくても大臣を辞めさせられる?
- 国会の承認は必要?
- 「任命権」とはどう違う?
- 「解任」「更迭」「辞任」とは何が違う?
- 裁判官なども総理大臣が罷免できる?
など、意外と多くの疑問があります。
この記事では、「罷免権」の意味を基本から確認し、日本国憲法第68条との関係、任命権・解任・更迭・辞任との違いまでわかりやすく解説します。
- 「罷免権」とは?【結論】
- 「罷免権」の読み方
- そもそも「罷免」とは?
- 内閣総理大臣が国務大臣を辞めさせる権限は何という?
- 罷免権の根拠は日本国憲法第68条
- 「任免」とは?
- 「罷免権」は「権利」と「権限」のどっち?
- 憲法68条の「任意に罷免する」とは?
- 総理大臣は理由を示さず国務大臣を罷免できる?
- 国会の承認がなくても罷免できる?
- 「罷免権」と「任命権」の違い
- 「罷免権」と「解任」の違い
- 「罷免権」と「更迭」の違い
- 「罷免」と「辞任」の違い
- 「辞任を求める」と「罷免する」は同じ?
- 「罷免権」と「解職」の違い
- 内閣総理大臣は誰でも罷免できる?
- 裁判官も総理大臣が罷免できる?
- 国務大臣を罷免すると、その省庁はどうなる?
- 「罷免」と内閣改造の違い
- なぜ総理大臣に罷免権があるの?
- 「罷免権」は内閣全体が持つ?それとも総理大臣個人?
- 「罷免権」は国会が持つ?
- 国務大臣とは?
- 「任命」と「指名」は違う?
- 試験で覚えたい「指名・任命・罷免」の関係
- 「罷免権」と「任免権」の違い
- 「罷免権」の例文
- 「罷免権を行使する」は自然な表現?
- 「罷免権を持つ」と「罷免権を有する」の違い
- 罷免された人は政治家を辞めるの?
- 罷免と「クビ」は同じ?
- 3秒で理解|罷免権・任命権・辞任の違い
- よくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
「罷免権」とは?【結論】
罷免権とは、一定の地位・役職にある人を、その職から辞めさせることができる権限を意味します。
日本の政治で「罷免権」と言う場合、特に重要なのが、
内閣総理大臣が国務大臣を罷免できる権限
です。
日本国憲法第68条では、内閣総理大臣に国務大臣の任命と罷免に関する権限を与えています。
| 権限 | 意味 |
|---|---|
| 任命 | 人を国務大臣の職に就ける |
| 罷免 | 国務大臣をその職から辞めさせる |
つまり、内閣総理大臣には、
「大臣にする権限」と「大臣を辞めさせる権限」の両方がある
と考えると分かりやすいでしょう。
「罷免権」の読み方
「罷免権」は、
ひめんけん
と読みます。
それぞれ、
- 罷免(ひめん)
- 権(けん)
です。
「罷免」という言葉自体は日常会話ではあまり使いませんが、政治・行政・法律に関するニュースでは使われることがあります。
そもそも「罷免」とは?
「罷免」とは、一定の地位・職務に就いている人を、その地位・職務から辞めさせることです。
本人が自分から辞めるのではなく、権限を持つ側が職を解くという点が重要です。
たとえば国務大臣について、
「本人が辞表を提出して辞める」
のであれば「辞任」と呼ばれることがあります。
一方、内閣総理大臣が国務大臣を職から外すのであれば「罷免」です。
「罷免」という言葉そのものについて詳しく知りたい場合は、「罷免」とは?意味・読み方・使い方も参考にしてください。
内閣総理大臣が国務大臣を辞めさせる権限は何という?
学校の公民・政治経済・憲法の問題で、
「内閣総理大臣が国務大臣を辞めさせることができる権限を何というか」
と聞かれた場合は、
「罷免権」
と答えるのが基本です。
より正確に説明するなら、
「内閣総理大臣の国務大臣に対する罷免権」
です。
ただし、日本国憲法第68条に「罷免権」という見出し・単語がそのまま書かれているわけではありません。
憲法には、内閣総理大臣が国務大臣を「任意に罷免することができる」と規定されています。
この憲法上の権限を説明する言葉として「罷免権」が使われています。
罷免権の根拠は日本国憲法第68条
罷免権を理解するうえでもっとも重要なのが、日本国憲法第68条です。
第68条では、まず第1項で、内閣総理大臣が国務大臣を任命することを定めています。
そして第2項で、内閣総理大臣が国務大臣を任意に罷免できることを定めています。
つまり、第68条は、
- 国務大臣を選んで職に就ける
- 必要に応じて職から外す
という国務大臣の「任免」に関する重要な規定です。
「任免」とは?
「任免(にんめん)」とは、
任命と罷免をまとめた言葉
です。
「任」は任命、「免」は職を免じることを表します。
したがって、
「国務大臣の任免」
といえば、
- 国務大臣を任命すること
- 国務大臣を罷免すること
の両方を含みます。
「罷免権」だけを単独で覚えるより、
「総理大臣は国務大臣を任命し、罷免できる」
とセットで覚えると理解しやすいでしょう。
「罷免権」は「権利」と「権限」のどっち?
検索では、
「国務大臣を辞めさせることができる権利」
と表現されることがあります。
意味は通じますが、政治・法律の説明としては「権限」と表現するほうがより適切です。
「権利」は一般に、人が法律上認められている利益・自由などについて使われます。
一方、「権限」は、ある立場・機関が法律などに基づいて行える職務上の範囲を表す場合に使います。
内閣総理大臣が国務大臣を罷免するのは、私人として持っている権利ではありません。
内閣総理大臣という地位に与えられた憲法上の権限です。
そのため、
△ 内閣総理大臣が持つ権利
○ 内閣総理大臣が持つ権限
と説明するほうが正確です。
ただし、学校問題などで「何という権利ですか」と聞かれた場合でも、答えとして求められているのは通常「罷免権」です。
憲法68条の「任意に罷免する」とは?
日本国憲法第68条第2項では、内閣総理大臣は国務大臣を「任意に」罷免できるとされています。
ここでいう「任意」は、日常会話の、
「参加は任意です」
という「やってもやらなくてもよい」という意味とは少し文脈が異なります。
この場合は、内閣総理大臣の判断によって国務大臣を罷免できるという意味で理解すると分かりやすいでしょう。
憲法第68条第2項には、罷免について、
- 国会の議決を必要とする
- 他の国務大臣の同意を必要とする
- 一定の罷免理由がなければならない
といった条件は条文上記載されていません。
この仕組みによって、内閣総理大臣は内閣を構成する国務大臣について、自らの判断で交代させることができます。
総理大臣は理由を示さず国務大臣を罷免できる?
憲法第68条第2項は、特定の罷免理由を列挙する形にはなっていません。
したがって、憲法上、
- 重大な法律違反があったときだけ
- 国会が罷免を要求したときだけ
- 病気になったときだけ
といった限定は置かれていません。
ただし、これは「政治的な責任を一切考えず、何をしてもよい」という意味ではありません。
内閣総理大臣や内閣は政治的な責任を負う立場にあり、実際の罷免には政治的な事情・内閣運営・国会との関係などが伴います。
ここでは、憲法上、罷免できる主体が内閣総理大臣とされ、罷免理由が条文上限定列挙されていないと理解しておくとよいでしょう。
国会の承認がなくても罷免できる?
日本国憲法第68条第2項は、内閣総理大臣が国務大臣を任意に罷免できると規定しています。
罷免に際して国会の承認を必要とするという規定は置かれていません。
そのため、国務大臣一人を交代させるたびに国会で罷免の議決を行う仕組みではありません。
これは、内閣総理大臣が内閣の統一性を保ち、行政を運営していくうえで重要な権限と位置付けられます。
「罷免権」と「任命権」の違い
罷免権と反対方向の働きをするのが「任命権」です。
| 比較 | 任命権 | 罷免権 |
|---|---|---|
| 何をする権限? | 人を役職に就ける | 役職から辞めさせる |
| 国務大臣の場合 | 総理大臣が国務大臣を任命する | 総理大臣が国務大臣を罷免する |
| 憲法上の根拠 | 第68条第1項 | 第68条第2項 |
したがって、国務大臣については、
任命 → 職に就ける
罷免 → 職から外す
という関係です。
「罷免権」と「解任」の違い
「罷免」と「解任」はどちらも、人を役職から外す意味で使われます。
ただし、「罷免」は特に政治家・公務員など公的な地位について使われることが多い言葉です。
一方、「解任」は、
- 会社役員
- 代表者
- 責任者
- 委員
など、より幅広い役職について使われます。
そのため、内閣総理大臣が国務大臣を職から外す場面では、憲法の言葉に合わせて「罷免」と表現します。
詳しい違いは、「罷免」と「解任」の違いで解説しています。
「罷免権」と「更迭」の違い
ニュースでは、
「○○大臣を更迭した」
という表現を目にすることがあります。
「更迭」は、ある地位に就いている人を交代させることを表す言葉です。
一方、「罷免」は、その職を辞めさせることです。
したがって、
罷免=職から外す行為
更迭=人を入れ替えることに注目した表現
という違いがあります。
政治報道では、大臣が交代する状況を広く「更迭」と表現する場合がありますが、憲法上の権限を説明するときは「罷免」が重要です。
「罷免」と「辞任」の違い
誰が辞めることを決めるかが大きな違いです。
| 言葉 | 誰の意思? | 意味 |
|---|---|---|
| 辞任 | 原則として本人 | 自ら役職を辞める |
| 罷免 | 罷免権を持つ側 | 役職から辞めさせる |
国務大臣が自分から辞表を出して職を辞めるなら「辞任」と表現されます。
一方、内閣総理大臣が国務大臣を職から外すなら「罷免」です。
「辞任を求める」と「罷免する」は同じ?
同じではありません。
「辞任を求める」は、本人に対して、
「自分から辞めてほしい」
と求めることです。
本人が応じて辞任すれば、形式としては本人の辞任になります。
一方、「罷免する」は、罷免する側がその権限によって職を解くことです。
つまり、
- 辞任要求 → 本人へ辞めるよう求める
- 辞任 → 本人が自ら辞める
- 罷免 → 権限者が辞めさせる
という違いがあります。
「罷免権」と「解職」の違い
「解職」も、職を解くという意味の言葉です。
ただし、「罷免」「解職」は使われる制度・対象が異なる場合があります。
「罷免権」は特定の人に与えられている「罷免する権限」を表しますが、「解職」は行為・制度そのものを指す言葉です。
地方自治などでは「解職」という用語が使われる場面もあります。
詳しくは、「罷免」と「解職」の違いも参考にしてください。
内閣総理大臣は誰でも罷免できる?
いいえ。憲法第68条第2項の罷免権は、国務大臣に対する権限です。
「総理大臣に罷免権がある」と聞くと、国のすべての公務員・役職者を自由に辞めさせられるように感じるかもしれません。
しかし、そうではありません。
日本国憲法第68条が直接規定しているのは、
内閣総理大臣 → 国務大臣
という関係です。
ほかの公務員・裁判官・地方公共団体の長などについては、それぞれ別の法律・制度によって任免の仕組みが定められています。
裁判官も総理大臣が罷免できる?
国務大臣と同じように、内閣総理大臣が憲法68条を使って裁判官を任意に罷免できるわけではありません。
日本国憲法は、裁判官について別の身分保障・罷免制度を設けています。
したがって、
「総理大臣には罷免権がある」
という説明だけを見て、
「総理大臣はあらゆる国家機関の人を罷免できる」
と考えるのは誤りです。
国務大臣を罷免すると、その省庁はどうなる?
国務大臣を罷免すると、その大臣が担当していた職務を誰かが担う必要があります。
主任の国務大臣が欠けた場合については、内閣法に基づき、内閣総理大臣または内閣総理大臣が指定する国務大臣が臨時にその職務を行う仕組みがあります。
つまり、大臣が罷免されたからといって、省庁の行政そのものが止まる仕組みではありません。
「罷免」と内閣改造の違い
「内閣改造」は、内閣総理大臣が国務大臣の顔ぶれを入れ替えることを一般に表す言葉です。
複数の大臣を交代させることもあります。
一方、「罷免」は個々の国務大臣を職から外す行為を表す法的な言葉です。
そのため、
内閣改造=内閣のメンバー構成を変更する政治上の呼び方
罷免=国務大臣を職から外す行為
と考えると分かりやすいでしょう。
なぜ総理大臣に罷免権があるの?
内閣は、内閣総理大臣とその他の国務大臣によって構成されます。
そして内閣は、行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負います。
もし総理大臣が、内閣の方針に従わない国務大臣や、総理大臣が職務継続を適当でないと判断した国務大臣を交代させられないとすると、内閣全体を統一して運営することが難しくなる場合があります。
国会資料でも、国務大臣の罷免に関する制度について、内閣の統一性を保つ観点との関係が論じられています。
したがって、罷免権は、単に「大臣をクビにするための権限」というだけではなく、内閣総理大臣が内閣をまとめて行政を運営していくための重要な権限として理解できます。
「罷免権」は内閣全体が持つ?それとも総理大臣個人?
日本国憲法第68条第2項の文言は、
「内閣総理大臣は」
国務大臣を罷免することができる、としています。
そのため、憲法上この権限を持つ主体は内閣総理大臣です。
「内閣が国務大臣を罷免する」と覚えるより、
「内閣総理大臣が国務大臣を罷免する」
と覚えましょう。
「罷免権」は国会が持つ?
国務大臣についての憲法68条上の罷免権を持つのは、内閣総理大臣です。
国会は内閣総理大臣を指名する重要な役割を持ち、衆議院には内閣不信任決議に関する権限もあります。
しかし、
「○○大臣を罷免する」
という憲法68条第2項の権限そのものは内閣総理大臣に与えられています。
国務大臣とは?
国務大臣は、内閣を構成する大臣です。
一般には、
- 総務大臣
- 法務大臣
- 外務大臣
- 財務大臣
など、各行政分野を担当する大臣をイメージすると分かりやすいでしょう。
日本国憲法第68条第1項では、国務大臣は内閣総理大臣が任命し、その過半数は国会議員の中から選ばなければならないと定められています。
「任命」と「指名」は違う?
ここも混同しやすいポイントです。
内閣総理大臣については、まず国会が指名します。
一方、国務大臣については、内閣総理大臣が任命します。
したがって、
- 内閣総理大臣 → 国会が指名
- 国務大臣 → 内閣総理大臣が任命
という違いがあります。
そのうえで、国務大臣については、内閣総理大臣が任意に罷免できます。
試験で覚えたい「指名・任命・罷免」の関係
| 対象 | 行為 | 誰が行う? |
|---|---|---|
| 内閣総理大臣 | 指名 | 国会 |
| 国務大臣 | 任命 | 内閣総理大臣 |
| 国務大臣 | 罷免 | 内閣総理大臣 |
公民・政治経済の学習では、この3つをセットで整理すると混乱しにくくなります。
「罷免権」と「任免権」の違い
「罷免権」は、職から辞めさせる権限だけを指します。
一方、「任免権」は、
- 任命する権限
- 罷免する権限
をまとめて表す言葉です。
したがって、
罷免権 ⊂ 任免権
という関係で理解できます。
国務大臣について内閣総理大臣が持つ権限をまとめて説明するなら、
「国務大臣の任免権」
という表現が使えます。
「罷免権」の例文
政治・憲法
- 内閣総理大臣は国務大臣に対する罷免権を持つ。
- 国務大臣の罷免権については、日本国憲法第68条が重要である。
- 総理大臣の罷免権は、内閣を統一的に運営するうえで重要な権限である。
学校の答案
「内閣総理大臣が国務大臣を辞めさせることのできる権限を罷免権という。」
説明文
「日本国憲法第68条第2項により、内閣総理大臣は国務大臣を任意に罷免することができる。」
「罷免権を行使する」は自然な表現?
自然な表現です。
「権限を実際に使う」という意味で、
- 罷免権を行使する
- 罷免権を有する
- 罷免権を持つ
などと表現できます。
文章をより具体的にするなら、
「内閣総理大臣が国務大臣を罷免する」
と書いてもよいでしょう。
「罷免権を持つ」と「罷免権を有する」の違い
意味はほぼ同じです。
「持つ」は一般的で分かりやすい表現です。
「有する」は法律・公的文書などで使われやすい硬い表現です。
たとえば、
「総理大臣は国務大臣の罷免権を持つ。」
は一般向けの説明に向いています。
「内閣総理大臣は国務大臣に対する罷免権を有する。」
とすれば、より硬い文章になります。
罷免された人は政治家を辞めるの?
国務大臣を罷免されることと、国会議員の身分を失うことは別の問題です。
たとえば国会議員が国務大臣を務めていて、その大臣職を罷免された場合、
「国務大臣を辞めさせられた」ことだけで、当然に国会議員の身分まで失うという意味ではありません。
大臣としての地位と国会議員としての地位は区別する必要があります。
罷免と「クビ」は同じ?
日常的には「大臣をクビにする」と説明されることがあります。
意味を簡単につかむには分かりやすい表現ですが、正式な説明では「罷免」を使うほうが適切です。
特に、
- 公民の答案
- 政治・憲法の説明
- ニュース記事
- レポート
では、
「国務大臣を罷免する」
と表現しましょう。
3秒で理解|罷免権・任命権・辞任の違い
- 大臣に就ける → 任命
- 大臣を辞めさせる → 罷免
- 罷免できる権限 → 罷免権
- 本人が自分から辞める → 辞任
- 大臣の顔ぶれを入れ替える → 内閣改造・更迭など
特に試験では、
「内閣総理大臣は国務大臣を任命し、任意に罷免できる」
と覚えておくとよいでしょう。
よくある質問
内閣総理大臣が国務大臣を辞めさせる権限を何といいますか?
罷免権と呼ばれます。
日本国憲法第68条第2項に、内閣総理大臣は国務大臣を任意に罷免できると定められています。
「罷免権」は何と読みますか?
「ひめんけん」と読みます。
罷免権を持つのは誰ですか?
国務大臣について、日本国憲法第68条第2項に基づき罷免する権限を持つのは内閣総理大臣です。
罷免されるのは誰ですか?
憲法第68条第2項が直接対象としているのは国務大臣です。
総理大臣は国務大臣を自由に辞めさせられますか?
憲法第68条第2項では「任意に」罷免できると規定されています。
罷免について国会の承認を必要とする旨や、特定の罷免理由を必要とする旨は同条には定められていません。
「罷免権」は権利ですか、権限ですか?
一般的な問題文では「辞めさせる権利」と表現されることもありますが、法律・政治の説明としては、内閣総理大臣の職務上の「権限」と説明するほうが正確です。
任命権と罷免権の違いは?
任命権は人を職に就ける権限、罷免権は人を職から辞めさせる権限です。
国務大臣については、どちらも内閣総理大臣に関係する重要な権限です。
国会が国務大臣を罷免するのですか?
憲法第68条第2項の罷免権を持つ主体は内閣総理大臣です。
国会には内閣総理大臣の指名や、衆議院による内閣不信任決議など別の重要な権限があります。
罷免と辞任は同じですか?
違います。
辞任は本人が自ら職を辞めること、罷免は権限を持つ者がその人を職から辞めさせることです。
罷免と解任は同じですか?
意味が近い言葉ですが、使われる対象・制度が異なります。
国務大臣について憲法上使われている言葉は「罷免」です。
総理大臣は裁判官も罷免できますか?
国務大臣と同じように、憲法第68条に基づいて任意に罷免することはできません。
裁判官については別の憲法上の制度があります。
罷免されたら国会議員も辞めるのですか?
国務大臣の地位と国会議員の地位は別です。
国務大臣を罷免されたことだけで、当然に国会議員の身分まで失うという意味ではありません。
「任免権」と「罷免権」の違いは?
任免権は、任命と罷免の両方を含む言葉です。
罷免権は、そのうち「職から辞めさせる」側の権限を指します。
まとめ
「罷免権」とは、一定の地位・役職にある人を、その職から辞めさせることのできる権限です。
日本の政治で特に重要なのが、内閣総理大臣が国務大臣を罷免する権限です。
日本国憲法第68条では、
- 第1項:内閣総理大臣が国務大臣を任命する
- 第2項:内閣総理大臣が国務大臣を任意に罷免できる
と定められています。
したがって、
「内閣総理大臣が国務大臣を辞めさせることができる権限を何という?」
と聞かれた場合は、
「罷免権」
と覚えておけばよいでしょう。
また、「権利」と表現されることもありますが、厳密には、私人として持つ権利ではなく、内閣総理大臣という地位に与えられた憲法上の権限と考えるのが適切です。
似た言葉を整理すると、
- 任命:人を職に就ける
- 罷免:人を職から辞めさせる
- 任免:任命と罷免をまとめた言葉
- 辞任:本人が自ら職を辞める
- 解任:役職・任務などから外す
- 更迭:役職者を交代させることに重点を置く
という違いがあります。
迷ったときは、「総理大臣が国務大臣を任命し、辞めさせる側が罷免。その権限が罷免権」と覚えると分かりやすいでしょう。
参考リンク・出典
- 衆議院「日本国憲法」 — 第68条に、内閣総理大臣による国務大臣の任命と、任意の罷免について規定されています。
- 衆議院「内閣総理大臣の職務権限に関する質問に対する答弁書」 — 内閣総理大臣が国務大臣の任免などの権限を有することが説明されています。
- 衆議院「憲法改正による緊急事態条項の規定の必要性に関する質問に対する答弁書」 — 憲法68条2項による国務大臣の罷免と、主任の国務大臣が欠けた場合の職務について確認できます。
- 国立国会図書館「日本国憲法の誕生―帝国憲法改正案」 — 日本国憲法制定過程の資料として、国務大臣の任命・罷免に関する規定の経緯を確認できます。
