会社や行政の仕事では、
「選定基準に基づいて業者を選ぶ」
「候補者の選定基準を決める」
「選定基準を明確にしてください」
といった表現が使われます。
しかし、「選定基準」とは具体的に何を意味するのでしょうか。
また、実際に基準を作ろうとすると、
- 選定基準には何を書けばよいのか
- 選定基準と選考基準は何が違うのか
- 評価基準と選定基準は同じなのか
- 選定条件との違いは何か
- 業者選定ではどのような項目を設定すればよいのか
- 価格だけで決めてもよいのか
- 選定理由はどのように説明すればよいのか
- 公平な選定基準を作るにはどうすればよいのか
など、さまざまな疑問が出てきます。
結論からいうと、「選定基準」とは、複数の候補の中から適切なものを選び定める際に、判断のよりどころとする項目・条件・尺度のことです。
簡単に言えば、
「何を見て、どのような考え方で選ぶのかをあらかじめ決めたもの」
です。
この記事では、「選定基準」の意味をわかりやすく解説したうえで、「選考基準・評価基準・選定条件」との違い、選定基準の作り方、業者・製品・人材などを選ぶ際の具体例まで詳しく解説します。
- 結論|「選定基準」とは何を基準に選ぶかを決めたもの
- 「選定基準」の読み方と意味
- なぜ選定基準が必要なのか?
- 選定基準には何を書く?基本的な構成
- 「選定基準」と「評価基準」の違い
- 「選定基準」と「選考基準」の違い
- 「選定基準」と「選定条件」の違い
- 「選定基準」と「選定理由」の違い
- 選定基準の作り方|6つの手順
- 業者・委託先の選定基準の具体例
- 製品・設備の選定基準の具体例
- 人を選ぶ場合の選定基準
- 良い選定基準を作るための5つのポイント
- 選定基準が曖昧だと何が問題になる?
- 価格だけを選定基準にしてもいい?
- 選定基準と採点表の違い
- 選定基準の例文・使い方
- 選定基準を作るときによくある失敗
- 選定基準を文章で書く場合の例
- 選定基準は途中で変更してもいい?
- FAQ|「選定基準」についてよくある質問
- まとめ|選定基準は「なぜそれを選んだか」を支えるものさし
- 参考リンク・出典
結論|「選定基準」とは何を基準に選ぶかを決めたもの
「選定基準」とは、
複数の候補の中から、目的に合ったものを選定するための判断基準
です。
たとえば、会社が新しい業務システムを導入するため、3社から提案を受けたとします。
単純に担当者が、
「なんとなくA社が良さそうだ」
という理由だけで決めてしまうと、判断に一貫性がありません。
そこで、あらかじめ、
- 価格
- 機能
- 導入実績
- サポート体制
- セキュリティ
- 導入までの期間
などを比較することにします。
これが選定基準です。
たとえば、
| 評価項目 | 配点 |
|---|---|
| 機能・提案内容 | 30点 |
| 価格 | 25点 |
| 導入実績 | 15点 |
| サポート体制 | 15点 |
| セキュリティ | 10点 |
| 導入スケジュール | 5点 |
| 合計 | 100点 |
のように設定しておけば、各候補を同じ視点から比較しやすくなります。
つまり、
選定=選び決める行為
選定基準=選び決めるための判断のものさし
という関係です。
「選定」という言葉そのものについては、「選定」とは?意味・使い方をわかりやすく解説も参考にしてください。
「選定基準」の読み方と意味
「選定基準」は、
せんていきじゅん
と読みます。
言葉を二つに分けると意味が理解しやすくなります。
「選定」は、複数の候補の中から目的や条件に合ったものを選び定めることです。
「基準」は、物事を判断したり比較したりする際のよりどころです。
したがって「選定基準」とは、
「何を選ぶかを判断するためのよりどころ」
を意味します。
たとえば、
- 業者の選定基準
- 製品の選定基準
- 候補者の選定基準
- 設備の選定基準
- 委託先の選定基準
- システムの選定基準
など、さまざまな対象について使うことができます。
なぜ選定基準が必要なのか?
「良いものを選べばいいのだから、わざわざ基準を作る必要はない」と考えることもできます。
しかし、仕事として選定を行う場合は、基準を明確にしておくことに大きな意味があります。
1.判断のばらつきを減らせる
選定基準がなければ、人によって判断が変わりやすくなります。
Aさんは価格を重視し、Bさんは機能を重視し、Cさんは会社の知名度を重視するかもしれません。
同じ案件なのに判断軸がばらばらでは、合理的な比較が難しくなります。
あらかじめ基準を決めることで、複数の評価者が比較的同じ視点で候補を見ることができます。
2.選定理由を説明しやすくなる
選んだ結果だけでなく、
「なぜそれを選んだのか」
を説明することも重要です。
たとえば、
「A社を選びました。」
だけでは理由がわかりません。
一方、
「価格、実績、実施体制、提案内容の4項目を評価した結果、A社の総合評価が最も高かったため選定した。」
とすれば、判断過程がわかりやすくなります。
3.公平性を高められる
業者選定、公募、採用、委託先選定などでは、公平性が重要になります。
後から特定の候補だけに有利な条件を付けるのではなく、事前に選定基準を明確にしておくことで、より公平な評価を行いやすくなります。
国土交通省でも、プロポーザル方式などについて、評価項目・評価の着目点・判断基準・評価のウェートを説明書等に示す考え方が示されています。
4.選定後のトラブルを減らせる
選定結果について、
「なぜこの会社なのか」
「なぜこちらの商品ではないのか」
「担当者の好みで決めたのではないか」
といった疑問が生じることがあります。
明確な選定基準と評価結果があれば、判断の根拠を説明しやすくなります。
選定基準には何を書く?基本的な構成
選定基準の内容は対象によって異なります。
ただし、一般的には次のような要素で考えると作りやすくなります。
①選定の目的
最初に、何のために選定するのかを明確にします。
たとえば、
- 業務を安定して委託できる事業者を選ぶ
- 自社に最適なシステムを選ぶ
- プロジェクトの責任者を選ぶ
- 品質と価格のバランスがよい製品を選ぶ
などです。
目的が違えば、重視すべき選定基準も変わります。
②評価項目
次に、「何を見るのか」を決めます。
これが評価項目です。
業者選定なら、
- 価格
- 実績
- 技術力
- 提案内容
- 実施体制
- 納期
- 財務状況
- アフターサポート
などが考えられます。
製品選定なら、
- 性能
- 価格
- 耐久性
- 操作性
- 保守性
- 安全性
などに変わります。
③判断基準
「実績」という項目だけでは、どの程度なら高評価なのかわかりません。
そこで、判断の仕方も具体化します。
たとえば、
| 実績 | 評価例 |
|---|---|
| 同種業務10件以上 | 5点 |
| 同種業務5~9件 | 4点 |
| 同種業務3~4件 | 3点 |
| 同種業務1~2件 | 2点 |
| 同種業務なし | 1点 |
のようにすれば、評価者による判断の差を小さくできます。
④配点・重要度
すべての項目が同じ重要度とは限りません。
たとえば、安全性が非常に重要な製品なら、価格より安全性の配点を高くすることが考えられます。
反対に、一定の性能を満たす製品の中から低価格品を選ぶことが目的なら、価格の比重を大きくすることもあります。
⑤必須条件
点数評価とは別に、最低限満たさなければならない条件を設定する場合があります。
たとえば、
- 必要な資格を持っている
- 指定期限までに納品できる
- 特定の規格に適合している
- 必要な許認可を受けている
などです。
必須条件を満たさなければ、点数が高くても選定対象外とする運用もあります。
「選定基準」と「評価基準」の違い
「選定基準」と非常に近い言葉が「評価基準」です。
両者は重なる部分が大きく、実務上ほぼ同じような内容を指すこともあります。
ただし、言葉の中心を分けると、
- 選定基準=最終的に何かを選ぶための基準
- 評価基準=対象を評価する際の基準
と考えることができます。
たとえば、業者選定において、
「技術力を5段階で評価する」
というルールは評価基準です。
その評価結果を含めて、
「総合得点が最も高い会社を選定する」
というところまで含めれば、選定基準という意味合いが強くなります。
| 比較 | 選定基準 | 評価基準 |
|---|---|---|
| 目的 | 選ぶこと | 評価すること |
| 対象 | 候補者・業者・製品など | 能力・品質・提案内容など幅広い |
| 関係 | 評価基準を含むことがある | 選定以外にも使う |
実際の公的な選定でも、「評価項目」「評価の視点」「配点」などを含む選定基準が作られています。
「選定基準」と「選考基準」の違い
「選考基準」もよく似ています。
一般的には、
- 選定基準=物・業者・方法・候補などを幅広く選び定める基準
- 選考基準=人物や作品などを審査して選ぶ基準
という傾向があります。
たとえば、
選定基準
- 委託業者の選定基準
- 設備の選定基準
- システムの選定基準
- 材料の選定基準
選考基準
- 採用試験の選考基準
- 作品の選考基準
- 奨学生の選考基準
- 受賞者の選考基準
などです。
ただし、「事業者選考」「候補者選定」のように両方使える場面もあり、厳密に完全分離されているわけではありません。
「選定」と「選考」そのものの違いについては、「選定」と「選考」の違いで詳しく解説しています。
「選定基準」と「選定条件」の違い
「選定条件」も似ていますが、少しニュアンスが異なります。
「条件」は、選定対象となるために満たす必要がある要件を表しやすい言葉です。
一方、「基準」は、複数の候補を比較・判断するためのものさしを表しやすい言葉です。
たとえば、業者選定で、
選定条件:過去3年間に同種業務の受注実績があること
選定基準:受注実績が10件以上なら5点、5~9件なら4点……
という使い分けができます。
| 言葉 | 考え方 |
|---|---|
| 選定条件 | 満たしているか・いないか |
| 選定基準 | どの程度優れているかを比較する |
ただし、実際の文書では「選定条件」の中に評価基準まで含めることもあります。
「選定基準」と「選定理由」の違い
「選定基準」と「選定理由」は、選定の前後という点でも違います。
選定基準は、原則として選ぶ前に決めます。
選定理由は、その基準などに基づいて実際に選んだ後、「なぜその候補を選んだのか」を説明するものです。
たとえば、
選定基準:
価格30点、技術力30点、実績20点、サポート20点
選定理由:
A社は価格では2位だったものの、技術力・実績・サポートで最高評価となり、総合得点が最も高かったため選定した。
という関係です。
基準が先、理由が後と考えるとわかりやすいでしょう。
選定基準の作り方|6つの手順
実際に選定基準を作る場合は、いきなり点数表を作るのではなく、順番に整理したほうが失敗しにくくなります。
手順1.選定の目的を明確にする
最初に、
「何のために選ぶのか」
を明確にします。
たとえば業者を選ぶ場合でも、
- 最も安い業者を選びたい
- 長期間安心して任せられる業者を選びたい
- 高度な技術力を持つ業者を選びたい
- 短納期に対応できる業者を選びたい
では選定基準が変わります。
手順2.候補に求める条件を洗い出す
次に、目的達成のために必要な要素を挙げます。
たとえば、
- 価格
- 品質
- 納期
- 技術
- 実績
- 対応力
- 安全性
などです。
手順3.必須条件と評価項目を分ける
すべてを点数評価にする必要はありません。
「これを満たさなければ候補にならない」というものは必須条件にします。
たとえば、
必須条件
- 必要な許可を持つ
- 期限内に対応可能
- 仕様書の必須要件を満たす
評価項目
- 価格
- 提案内容
- 実績
- サポート
と分けます。
手順4.評価の物差しを具体化する
「良い提案なら高得点」のような曖昧な表現だけでは、評価者によって判断が大きく変わる可能性があります。
できるだけ、
- 何を確認するのか
- どの状態なら何点なのか
- どの程度を合格とするのか
を具体化します。
内閣府のPFIに関する実務資料でも、評価項目について数値で判断できる評価指標を設定し、得点化方法をあらかじめ示す考え方が説明されています。
手順5.重要度に応じて配点する
目的に直結する項目ほど配点を高くします。
たとえば、専門性の高い仕事なのに、
価格50点
技術10点
実績10点
としてしまうと、価格の影響が大きくなりすぎるかもしれません。
「何を最も重視して選びたいのか」と配点が一致しているか確認します。
手順6.実際に候補へ当てはめて確認する
基準を決めたら、一度サンプル評価をしてみます。
極端な結果になる場合は、配点や判断基準が適切でない可能性があります。
実際の評価前に、
- 項目が重複していないか
- 特定候補だけに有利になっていないか
- 評価者によって判断が大きく変わらないか
- 配点の合計が目的と合っているか
を確認するとよいでしょう。
業者・委託先の選定基準の具体例
業者選定では、次のような基準が考えられます。
| 評価項目 | 確認内容 | 配点例 |
|---|---|---|
| 提案内容 | 目的・仕様を理解した提案か | 25点 |
| 実績 | 同種業務の経験が十分か | 15点 |
| 実施体制 | 必要な人員・専門性があるか | 15点 |
| スケジュール | 期限内に実施可能か | 10点 |
| 品質 | 品質確保の仕組みがあるか | 15点 |
| 価格 | 内容に対して妥当な価格か | 15点 |
| サポート | 実施後の対応が十分か | 5点 |
実際の行政による事業者選定でも、業務への理解、実施体制、業務実績、工程、提案内容、見積金額など、複数の観点を設定して評価する例があります。
厚生労働省の調査でも、委託先の評価・選定では、取組内容・実績、制度への理解、担当者の資格・経験など、価格以外の観点も幅広く用いられていることが示されています。
製品・設備の選定基準の具体例
製品や設備を選ぶ場合は、業者選定とは項目が変わります。
たとえば製造設備なら、
- 処理能力
- 精度
- 安全性
- 導入価格
- ランニングコスト
- 保守性
- 消耗品の入手性
- 故障時のサポート
- 設置スペース
などです。
パソコンなら、
- CPU性能
- メモリ容量
- ストレージ
- 画面サイズ
- 重量
- バッテリー
- 価格
- 保証
などが選定基準になります。
大切なのは、商品一般の「良し悪し」ではなく、自分の目的に対して何が重要かを考えることです。
人を選ぶ場合の選定基準
役員、委員、責任者、代表者など、人を選定する場合にも基準が必要になることがあります。
たとえば、
- 経験
- 専門知識
- 資格
- 実績
- 調整能力
- リーダーシップ
- 職務への適性
などです。
ただし、人を正式な役職などに就ける場面では、「選定」だけでなく「選任」という言葉が使われる場合があります。
詳しくは、「選定」と「選任」の違いも参考にしてください。
良い選定基準を作るための5つのポイント
1.目的と関係のある項目だけを入れる
評価できるからといって、何でも項目に入れればよいわけではありません。
選定目的と関係の薄い項目を増やすと、重要な評価軸がぼやけます。
2.できるだけ具体的にする
「信頼性が高いこと」だけでは評価者によって解釈が異なります。
何をもって信頼性が高いと判断するのかを決めることが重要です。
たとえば、
- 同種業務実績
- 資格保有者数
- 事故件数
- 財務状況
など、確認できる項目に落とし込みます。
3.配点にメリハリをつける
重要項目と補助的な項目を同じ配点にすると、本当に重視したいポイントが最終結果に反映されにくくなります。
4.特定の候補ありきで作らない
先に選びたい候補を決め、その候補が有利になるように後から基準を作ると、公平性に疑問が生じます。
特に公的な選定や複数部署が関係する案件では注意が必要です。
5.選定後に説明できる内容にする
基準を設定するときには、
「なぜこの項目が必要なのか」
を説明できるか考えます。
選定結果だけでなく、基準自体にも合理性が求められます。
選定基準が曖昧だと何が問題になる?
選定基準が曖昧だと、さまざまな問題が生じやすくなります。
評価者ごとに結果が変わる
「提案が優れているか」というだけでは、人によって判断が違います。
選定理由を説明できない
結果について問われたとき、
「こちらのほうが良いと思ったからです」
では説得力に欠けます。
重要ではない項目に引っ張られる
比較しやすいという理由だけで価格ばかり重視すると、本来必要な品質・技術・安全性などが十分評価されないことがあります。
後から不公平だと思われる
評価途中で判断基準を変えれば、特定の候補に有利な選定だったのではないかと疑われる可能性があります。
価格だけを選定基準にしてもいい?
目的によっては価格を重要な基準にすることはあります。
しかし、必ずしも「最も安い=最も適切」ではありません。
たとえば委託業者なら、
- 安いが必要な人員を確保できない
- 安いが同種業務の経験がない
- 安いがサポートが不十分
- 安いが納期を守れない
という可能性があります。
反対に、高価格だから優れているとも限りません。
そのため、価格だけでなく、品質・実績・体制などを総合的に見る方法が使われることがあります。
厚生労働省の委託先選定に関する調査でも、価格だけでなく、取組内容・実績、制度への理解、担当者の資格・経験などが評価・選定の観点として挙げられています。
選定基準と採点表の違い
選定基準を決めたあと、その基準を実際に評価するため「採点表」「評価表」を作ることがあります。
つまり、
- 選定基準=どういう観点で選ぶかというルール
- 評価表・採点表=そのルールを実際に記録・採点する書類
です。
たとえば、
選定基準:実績を20点満点で評価する
評価表:
| 候補 | 実績 | 得点 |
|---|---|---|
| A社 | 同種業務15件 | 20点 |
| B社 | 同種業務8件 | 15点 |
| C社 | 同種業務3件 | 10点 |
のような関係です。
選定基準の例文・使い方
一般的な例文
- 選定基準を明確にしてから候補を比較する。
- 価格だけでなく品質も選定基準に含める。
- 今回の選定基準について関係部署で協議した。
- 各候補を同一の選定基準で評価する。
業者選定での例文
- 委託先の選定基準を公募要領に明記する。
- 実績・実施体制・価格を主な選定基準とする。
- 選定基準に基づき提案内容を採点する。
社内文書での例文
「候補製品について、価格、性能、保守性および導入実績を選定基準として比較検討する。」
「業者選定に当たっては、別紙の選定基準に基づき評価を行う。」
「選定基準および評価結果について、選定委員会で確認する。」
選定基準を作るときによくある失敗
項目が多すぎる
細かく公平にしようとして項目を増やしすぎると、かえって重要な基準がわかりにくくなります。
似た項目を重複して評価する
たとえば、
- 技術力
- 専門能力
- 専門性
を別々に評価すると、同じ内容を重複して加点してしまう場合があります。
評価の言葉が抽象的すぎる
「非常に良い」「良い」「普通」のような表現だけでは、人によって判断が変わりやすくなります。
価格の配点が極端
価格だけでほぼ結果が決まる設計になっているのに、「総合評価」と呼んでいるケースなどには注意が必要です。
選定後に基準を作る
選んだ候補を正当化するために後から基準を作ると、選定基準本来の意味が失われます。
選定基準を文章で書く場合の例
点数表だけでなく、文章として選定基準を示すこともできます。
たとえば、
「事業者の選定に当たっては、本業務に対する理解度、提案内容の具体性、同種業務の実績、業務実施体制、スケジュールおよび見積金額の妥当性を総合的に評価する。」
といった形です。
さらに明確にするなら、
「評価は100点満点とし、提案内容40点、業務実績20点、実施体制20点、価格20点とする。」
など、配点まで示します。
選定基準は途中で変更してもいい?
社内で候補を検討している初期段階で、評価方法自体を見直すことはあり得ます。
しかし、公募などで候補者へすでに条件を示した後に、特定候補が有利になるよう基準を変更するのは問題になる可能性があります。
特に公的な調達・公募については、それぞれの制度・要領に従う必要があります。
選定基準を公表・通知している場合は、自己判断で変更せず、適用される手続を確認してください。
FAQ|「選定基準」についてよくある質問
Q1.選定基準とは簡単に言うと何ですか?
複数の候補から一つまたは複数を選ぶときに、何を見て判断するかを決めたものです。
「選ぶためのものさし」と考えるとわかりやすいでしょう。
Q2.選定基準には何を書きますか?
目的によって異なりますが、一般には評価項目、判断基準、必須条件、配点・重要度などを定めます。
Q3.選定基準と評価基準は同じですか?
重なる部分は大きいですが、完全に同じとは限りません。
評価基準は対象を評価する基準、選定基準はその評価などを使って最終的に候補を選ぶための基準という違いがあります。
Q4.選定基準と選考基準の違いは?
選定基準は業者・製品・設備など幅広い対象に使えます。
選考基準は人物・作品・応募者などを審査して選ぶ場面で使われる傾向があります。
Q5.選定基準と選定条件の違いは?
選定条件は「満たす必要がある要件」、選定基準は「候補を比較・判断するためのものさし」という意味で区別できます。
Q6.選定基準は点数にする必要がありますか?
必ずしも点数化する必要はありません。
ただし複数人で評価するときや客観性を高めたいときは、配点や評価段階を設定すると判断をそろえやすくなります。
Q7.業者選定では何を基準にしますか?
業務内容によりますが、価格、提案内容、技術力、過去の実績、実施体制、納期、品質、サポート体制などが考えられます。
Q8.一番安い会社を選べば公平ですか?
価格のみで選定する仕組みなら価格が中心になりますが、仕事によっては品質や技術力、実績なども重要です。
目的に応じて基準を決める必要があります。
Q9.選定基準はいつ決めますか?
基本的には、候補を実際に評価する前に決めます。
先に結果を決め、その候補が有利になる基準を後から作るのは避けるべきです。
Q10.選定基準と選定理由の違いは?
選定基準は選ぶ前に使う判断ルール、選定理由は選んだ後に「なぜその候補を選んだか」を説明するものです。
Q11.選定基準に正解はありますか?
すべての選定に共通する唯一の正解があるわけではありません。
何を選ぶのか、何を目的とするのかによって適切な基準は変わります。
Q12.選定基準は公開する必要がありますか?
案件や制度によって異なります。
公的な公募・プロポーザルなどでは評価基準等を事前に示す場合がありますが、すべての社内選定で公開義務があるという意味ではありません。
該当する制度・社内規程を確認してください。
まとめ|選定基準は「なぜそれを選んだか」を支えるものさし
「選定基準」とは、複数の候補から目的に合ったものを選び定める際の判断のよりどころです。
ポイントを整理すると、
- 選定基準=何を見て選ぶかを決めたもの
- 選定=実際に候補を選び定める行為
- 評価基準=対象をどのように評価するかという基準
- 選考基準=人物・作品などの選考で使われる傾向がある
- 選定条件=候補になるための必須要件を表しやすい
- 選定理由=選定後に「なぜ選んだか」を説明するもの
- 良い選定基準では目的・評価項目・判断基準・重要度を明確にする
- 価格だけでなく、目的に応じて品質・実績・体制なども検討する
- 基準は原則として評価を始める前に設定する
と覚えておくとよいでしょう。
特に重要なのは、
「選定基準は、選定結果を決めるためだけでなく、その結果を第三者へ説明するためのものでもある」
という点です。
「何となく良かったから」ではなく、
「この目的に対し、この基準で比較した結果、この候補が最も適していた」
と説明できるようにしておけば、選定の客観性・一貫性・納得感を高めやすくなります。
