仕事の報告やニュースなどで、
「来月完成する見込みです」
「来月完成する見通しです」
という表現を見かけることがあります。
どちらも「将来こうなりそうだ」という意味に見えるため、
- 「見込み」と「見通し」は何が違うのか
- 「完成する見込み」と「完成する見通し」はどちらが自然なのか
- 売上は「見込み」と「見通し」のどちらを使うのか
- 「見込みがある」と「見通しがある」は同じなのか
- 「見込みが立つ」と「見通しが立つ」はどう違うのか
- 見込みと予測・予定・可能性はどう使い分けるのか
など、細かな違いに迷うことがあります。
結論からいうと、「見込み」と「見通し」は意味が重なる言葉ですが、一般には次のように考えると使い分けやすくなります。
見込み=ある結果になるという予想・可能性・期待
見通し=今後どのように物事が進むかについての予測・展望
つまり、「見込み」は特定の結果が実現しそうかという点に重点が置かれやすく、「見通し」は今後の成り行きや将来全体をどう見るかという意味で使われやすい言葉です。
ただし、「来月完成する見込み」「来月完成する見通し」のように、両方が使える場面もあります。
この記事では、「見込み」と「見通し」の違いを基本から整理し、仕事・売上・工事・予定・人材・病気・天気などの具体例、「予測・予定・可能性・展望」との違いまで詳しく解説します。
- 結論:「見込み」は結果の可能性、「見通し」は将来の成り行き
- 「見込み」とは?意味をわかりやすく解説
- 「見通し」とは?意味をわかりやすく解説
- 「見込み」と「見通し」の最大の違い
- 「来月完成する見込み」と「来月完成する見通し」はどちらが正しい?
- 「見込み」と「見通し」は言い換えられることも多い
- 売上は「見込み」と「見通し」のどちら?
- 「見込額」と「見通し」の違い
- 「卒業見込み」はなぜ「見通し」ではない?
- 「合格の見込み」と「合格の見通し」は?
- 「回復の見込み」と「回復の見通し」の違い
- 「復旧の見込み」と「復旧の見通し」は?
- 「見込みがある」と「見通しがある」の違い
- 人に対して「見込みがある」は使えるが、「見通しがある」は使いにくい
- 「見込み客」の「見込み」はどんな意味?
- 「見込み違い」と「見通し違い」は?
- 「見込みが立つ」と「見通しが立つ」はどう違う?
- 「めど」と「見通し」の違い
- 「見込み」と「予定」の違い
- 「見通し」と「予定」の違い
- 「見込み」と「予測」の違い
- 「見通し」と「予測」の違い
- 「見込み」と「可能性」の違い
- 「見通し」と「展望」の違い
- 経済では「見通し」がよく使われる
- 「見込み」と「見通し」のビジネス例文
- 同じ内容を「見込み」と「見通し」で書き分ける例
- 「見込み」のある人と「見通し」の良い人は意味が違う
- 「見通し」には物理的に遠くまで見える意味もある
- 「見込み」と「見通し」の使い分け早見表
- 「見込み」と「見通し」で迷ったときの判断方法
- 「見込み」と「見通し」に関するよくある質問
- Q1.「見込み」と「見通し」の違いを一言でいうと?
- Q2.「見込み」と「見通し」は同じ意味ですか?
- Q3.「完成する見込み」と「完成する見通し」はどちらが正しい?
- Q4.売上は「見込み」と「見通し」のどちら?
- Q5.「卒業見込み」と「卒業見通し」はどちら?
- Q6.「回復の見込み」と「回復の見通し」はどちら?
- Q7.「見込みが立つ」と「見通しが立つ」はどちらが自然?
- Q8.「見込みがある」とはどういう意味?
- Q9.「見込み客」の意味は?
- Q10.「見通しが立たない」とは?
- Q11.「見通しが明るい」とは?
- Q12.「予定」と「見込み」は同じですか?
- Q13.「見込み」と「可能性」は同じ?
- Q14.「見込み」と「予想」はどう違う?
- Q15.「見込み」と「見通し」はどちらのほうが確実?
- まとめ
- 参考リンク・出典
結論:「見込み」は結果の可能性、「見通し」は将来の成り行き
まず、「見込み」と「見通し」の違いを比較表で確認しましょう。
| 比較項目 | 見込み | 見通し |
|---|---|---|
| 読み方 | みこみ | みとおし |
| 基本的な意味 | 先行きの予想・将来の可能性 | 物事の成り行き・将来についての予測 |
| 意味の重点 | 特定の結果になりそうか | 今後どのように進みそうか |
| よく使う対象 | 完成、合格、回復、売上、人の将来性など | 経済、業績、復旧、工事、予定、将来など |
| 可能性の意味 | 強い | あるが、将来の展望という意味が中心 |
| 人の将来性 | 使える | 通常は使いにくい |
| 例 | 合格する見込みがある | 業績回復の見通しが立つ |
非常に簡単にいえば、
「なる可能性」を見る → 見込み
「これからどうなるか」を見る → 見通し
と考えると違いがつかみやすくなります。
「見込み」とは?意味をわかりやすく解説
「見込み」は、
見込み(みこみ)
と読みます。
主な意味には、
- 先行きについての予想
- 将来実現する可能性
- 将来性・期待
があります。
たとえば、
- 来春卒業する見込みです
- 今月中に完成する見込みです
- 売上は1億円になる見込みです
- 合格する見込みがある
- 回復の見込みがある
- 将来見込みのある若手社員
などと使います。
「見込み」には、単なる予想だけでなく、「実現する可能性」「期待できる可能性」という意味があるのが特徴です。
「見通し」とは?意味をわかりやすく解説
「見通し」は、
見通し(みとおし)
と読みます。
もともと「見通す」には、遮るものを越えて先まで見るという意味があります。
そこから、将来について、
「今後どのように物事が進んでいくのかを予測すること」
という意味でも使われます。
たとえば、
- 今後の経済の見通し
- 売上の見通し
- 工事完了の見通し
- 復旧の見通し
- 先行きの見通し
- 業績回復の見通し
などです。
「見通し」という言葉そのものの意味については、「見通し」とは?意味・使い方をわかりやすく解説でも詳しく説明しています。
「見込み」と「見通し」の最大の違い
両者の違いを理解するうえで重要なのが、何に注目して将来を見ているのかです。
見込みは「結果」に重点がある
「見込み」は、ある結果が実現しそうかどうかについて使われやすい言葉です。
たとえば、
「予定どおり完成する見込みです」
なら、
「予定どおり完成する可能性が高い」
という結果を表しています。
見通しは「今後の流れ」に重点がある
「見通し」は、将来の成り行きや展望を表す場面で使われやすくなります。
たとえば、
「今後も売上は緩やかに増加する見通しです」
なら、売上がこれからどのように推移していくかという将来の流れを予測しています。
したがって、
見込み=到達しそうな結果
見通し=そこへ至る将来の成り行き・展望
という違いがあると考えるとわかりやすいでしょう。
「来月完成する見込み」と「来月完成する見通し」はどちらが正しい?
どちらも使えます。
ただし、ニュアンスが少し異なります。
来月完成する見込み
「来月完成する可能性・予想」に重点があります。
たとえば、
「工事は順調に進んでおり、来月末に完成する見込みです。」
という使い方です。
来月完成する見通し
今までの進捗や今後の予定などを踏まえ、将来的に来月完成すると予測しているニュアンスがあります。
「資材の調達にめどがつき、来月末には完成する見通しです。」
などと使えます。
実際の文章では意味がかなり重なるため、必ずしも明確にどちらか一方だけが正しいわけではありません。
「見込み」と「見通し」は言い換えられることも多い
両者は類語なので、文章によっては入れ替えても意味が大きく変わりません。
たとえば、
「今年度は黒字になる見込みです。」
「今年度は黒字になる見通しです。」
はいずれも自然です。
ただし、
「見込み」のほうは黒字という結果になる可能性に重点があり、
「見通し」のほうは現在の状況を踏まえて将来をそのように予測しているという印象が出やすくなります。
この違いは微妙なので、ビジネス文書では「どちらが絶対に正しいか」ではなく、伝えたい内容に合わせて選ぶことが大切です。
売上は「見込み」と「見通し」のどちら?
売上については、どちらも使われます。
ただし、使い方に傾向があります。
売上見込み
「売上見込み」は、一定期間の売上がどの程度になりそうかを表すときに使われます。
たとえば、
「今月の売上見込みは500万円です。」
という表現です。
この場合は、最終的にいくらになりそうかという予想額に重点があります。
売上の見通し
「売上の見通し」は、今後の売上がどのように推移していくかという展望を表す場合に向いています。
たとえば、
「下半期も売上は堅調に推移する見通しです。」
という使い方です。
整理すると、
売上見込み=予想される売上額・結果
売上の見通し=今後の売上の成り行き
とするとわかりやすいでしょう。
「見込額」と「見通し」の違い
会計・予算・売上管理などでは、「見込額」という言葉も使われます。
「見込額」は、現時点で予想される具体的な金額です。
たとえば、
「今年度の売上見込額は1億2,000万円です。」
のように使います。
一方、「見通し」は金額そのものだけでなく、
「売上は今後も増加する見通しです」
のように、方向性・成り行きについても使えます。
そのため、
具体的な予想額 → 見込額
将来の方向性・展望 → 見通し
という使い分けができます。
「卒業見込み」はなぜ「見通し」ではない?
学校・就職活動では、
「卒業見込み」
という表現が広く使われます。
「2027年3月卒業見込み」
などです。
ここでは、「卒業」という明確な結果について、現在の履修状況などから将来実現すると予想しているため、「見込み」がよく合います。
「卒業見通し」という表現では、通常の証明書や履歴書の定型表現としては不自然です。
つまり、定着した言い方がある場合には、意味が似ていても自由に入れ替えられないことがあります。
「合格の見込み」と「合格の見通し」は?
試験については、一般に「合格の見込み」のほうが自然です。
たとえば、
「この成績なら合格の見込みがある。」
と表現します。
これは、合格という特定の結果が実現する可能性を表しているからです。
「合格の見通し」でも意味は推測できますが、日常的には「見込み」「可能性」のほうが使いやすいでしょう。
「回復の見込み」と「回復の見通し」の違い
「回復」については両方使えますが、重点が異なります。
回復の見込み
回復できそうかという可能性に重点があります。
「十分に回復する見込みがあります。」
などです。
回復の見通し
いつごろ、どのように回復しそうかという将来の成り行きに重点を置きやすくなります。
「来月には通常の状態に戻る見通しです。」
といった表現です。
したがって、
回復できるか → 見込み
いつ・どのように回復するか → 見通し
という考え方もできます。
「復旧の見込み」と「復旧の見通し」は?
災害・停電・システム障害などでは、「復旧の見通し」という表現をよく見かけます。
たとえば、
「現時点では復旧の見通しが立っていません。」
という文章です。
これは、「いつ、どのような状況で復旧できるのか」という将来の展望がまだ立っていないことを表します。
一方、
「今日中に復旧する見込みです。」
なら、「今日中に復旧する」という具体的な結果が予想されていることを表します。
このように同じ「復旧」でも、文章の作り方によって両方を自然に使えます。
「見込みがある」と「見通しがある」の違い
この二つは同じようには使えません。
「見込みがある」は自然
「見込みがある」は、実現する可能性や将来性があるという意味で広く使われます。
- 合格の見込みがある
- 回復の見込みがある
- 成功する見込みがある
- 見込みのある新人
「見通しがある」は使える場面が限られる
「見通し」は通常、
「見通しが立つ」
「見通しがつく」
「見通しを示す」
「見通しが明るい」
などの形でよく使われます。
「成功する見通しがある」とするよりも、
「成功の見通しが立っている」
などのほうが自然な場合があります。
人に対して「見込みがある」は使えるが、「見通しがある」は使いにくい
「見込み」には、将来性・有望さという意味があります。
そのため、
「彼は見込みのある新人だ。」
「見込みのある若手を育てる。」
などと、人について使えます。
ここでの「見込み」は、
「将来成長する可能性がある」
という意味です。
一方、
×「彼は見通しのある新人だ」
とは通常いいません。
人の将来性を評価するときは、「見込み」が適しています。
「見込み客」の「見込み」はどんな意味?
営業でよく使われる、
見込み客
という言葉があります。
これは、将来的に商品・サービスを購入する可能性がある顧客を指します。
つまり、ここでも「見込み」は、
「将来そうなる可能性」
という意味です。
「見通し客」という言葉には通常置き換えられません。
「見込み違い」と「見通し違い」は?
「予想が外れた」という意味では、
見込み違い
という表現があります。
たとえば、
「これほど売れないとは見込み違いだった。」
と使います。
これは、自分が予想していた結果と実際の結果が違ったという意味です。
一方、「見通し違い」という言い方は、「見込み違い」ほど一般的ではありません。
「見通しが外れた」
「見通しを誤った」
などと表現するほうが自然です。
「見込みが立つ」と「見通しが立つ」はどう違う?
両方見かける表現ですが、「見通しが立つ」のほうが非常によく使われます。
見通しが立つ
今後どうなるかについて、ある程度予測できる状態になることです。
たとえば、
- 復旧の見通しが立つ
- 完成の見通しが立つ
- 資金調達の見通しが立つ
などです。
見込みが立つ
実現する可能性について予測できるようになる、という意味で使われることがあります。
ただし、一般的には、
「見込みが立つ」より
「見込みがある」「見込みがつく」「見込みが出てくる」
など、文脈に応じた別の言い方が自然な場合もあります。
「めど」と「見通し」の違い
「見通しが立つ」と近い表現に、
「めどが立つ」
があります。
「めど」は、おおよその目標・見当・区切りを表します。
たとえば、
「復旧のめどが立った。」
なら、復旧できそうな時期・条件などがある程度見えてきたことを表します。
「見通し」は将来の成り行きについての予測なので、
めど=いつ・どこまでならできそうかという目安
見通し=今後どのようになるかという予測・展望
という違いがあります。
「見込み」と「予定」の違い
「予定」は、将来行うことや起こることについて、前もって決めた内容です。
「見込み」は予想です。
たとえば、
「3月31日に完成する予定です」
なら、3月31日を完成日として計画しています。
「3月31日に完成する見込みです」
なら、現在の進捗などから3月31日に完成すると予想しています。
つまり、
予定=前もって決めている
見込み=実際にそうなりそうだと予想している
という違いです。
「見通し」と「予定」の違い
こちらも同じく、計画と予測の違いがあります。
「来月発売する予定です」
なら、会社として来月発売する計画です。
「来月発売できる見通しです」
なら、開発状況・審査・製造などを踏まえて、来月発売できそうだと判断していることを表します。
予定は意思・計画を含み、見通しは将来についての判断である点が違います。
「見込み」と「予測」の違い
「予測」は、将来の出来事・数値などをあらかじめ推し量ることです。
「見込み」も予想を表しますが、「可能性」「期待」という意味を含みやすい点が特徴です。
たとえば、
「来年の人口を予測する」
は、データなどを使って将来の人口を推定することです。
「来年、売上が増える見込みだ」
は、売上増加という結果になる可能性があると判断しています。
「見通し」と「予測」の違い
「予測」と「見通し」は非常に近い言葉です。
一般には、
予測=将来の状態・数値などを推し量る行為・結果
見通し=予測を踏まえた将来の成り行き・展望
という違いがあります。
たとえばデータ分析では「需要を予測する」、経営判断では「来年度の需要の見通しを示す」といった使い分けができます。
詳しい違いについては、「予測」と「見通し」の違いとは?意味・使い分けを天気・売上・経営・将来予想の例文で徹底解説も参考にしてください。
「見込み」と「可能性」の違い
「可能性」は、あることが実現することがあり得るという意味です。
「見込み」も将来の可能性を表しますが、単なる「あり得る」より、ある程度の予想や判断が加わっている場面で使われやすくなります。
たとえば、
「明日は雪になる可能性がある」
なら、雪になることがあり得るという意味です。
「明日は大雪になる見込みだ」
なら、現在得られている情報から、大雪になると予想しているニュアンスが強くなります。
ただし、実際の確実性の程度は文章・情報源によって異なるため、「見込みなら○%以上」のような固定した基準があるわけではありません。
「見通し」と「展望」の違い
「展望」は、将来を見渡すことや、将来についての期待・見通しを表す言葉です。
「見通し」と意味が重なる部分がありますが、「展望」のほうが、
- 中長期的
- 広い視野
- 将来像
というニュアンスを持ちやすくなります。
たとえば、
「来月の売上の見通し」
は自然ですが、
「会社の10年後の展望」
のように、中長期的な将来像には「展望」がよく合います。
経済では「見通し」がよく使われる
経済・景気・物価など、今後の推移を説明する場面では「見通し」がよく使われます。
たとえば、
- 経済成長率の見通し
- 物価の見通し
- 景気の見通し
- 為替相場の見通し
- 今後の市場見通し
などです。
これは、一つの結果だけでなく、さまざまな要因を踏まえて今後どのように推移していくかを示すためです。
日本銀行でも「経済・物価情勢の展望」において、「経済・物価見通し」という表現が使われています。
「見込み」と「見通し」のビジネス例文
「見込み」の例文
- 新商品の初年度売上は1億円となる見込みです。
- 工事は予定どおり今月末に完了する見込みです。
- 今年度中に目標を達成できる見込みがあります。
- 来年度は50名を採用する見込みです。
- この案件は来月受注できる見込みが高まっています。
- 今期の利益見込みを再計算してください。
「見通し」の例文
- 今後も需要は緩やかに増加する見通しです。
- 原材料価格は当面高い水準で推移する見通しです。
- 来月にはシステム復旧の見通しが立つ予定です。
- 今期後半の業績見通しを下方修正しました。
- 現時点では工事再開の見通しが立っていません。
- 市場環境の変化を踏まえて、来年度の見通しを見直します。
同じ内容を「見込み」と「見通し」で書き分ける例
違いをより具体的に見てみましょう。
売上
見込み:
「今年度の売上は5億円となる見込みです。」
→ 最終的な売上額についての予想。
見通し:
「今後も売上は緩やかに増加する見通しです。」
→ 今後の推移・方向性についての予測。
工事
見込み:
「工事は6月末に完了する見込みです。」
→ 完了時期という結果の予想。
見通し:
「資材調達の問題が解消し、工事完了の見通しが立ちました。」
→ 将来の進行について予測できる状態になった。
事業
見込み:
「今年度中に黒字化する見込みです。」
→ 黒字化という結果。
見通し:
「来年度以降も収益改善が続く見通しです。」
→ 将来の流れ・展望。
「見込み」のある人と「見通し」の良い人は意味が違う
人について「見込みがある」と言う場合は、将来性・有望さを意味します。
「彼は見込みのある若手だ。」
なら、将来活躍しそうだという評価です。
一方、「見通しの良い人」というと、通常は同じ意味にはなりません。
「見通しが良い」は、
- 道路などで遠くまで見える
- 将来の状況が明るい
などに使われます。
このように、両者が置き換えられない用法も少なくありません。
「見通し」には物理的に遠くまで見える意味もある
「見通し」は将来予測だけを表す言葉ではありません。
たとえば、
- 見通しの良い道路
- 見通しの悪い交差点
- この展望台は見通しがよい
のように、遮るものがなく遠くまで見えるという意味があります。
この意味では、「見込み」に置き換えることはできません。
×「見込みの良い道路」
とは通常いいません。
「見込み」と「見通し」の使い分け早見表
| 場面 | おすすめ | 例 |
|---|---|---|
| 卒業できそう | 見込み | 来春卒業見込み |
| 合格できそう | 見込み | 合格の見込みがある |
| 将来性のある人 | 見込み | 見込みのある新人 |
| 予想される金額 | 見込み | 売上見込み・見込額 |
| 経済の今後 | 見通し | 経済の見通し |
| 業績の推移 | 見通し | 業績見通し |
| 復旧時期が見えてきた | 見通し | 復旧の見通しが立つ |
| 完成時期を予想 | どちらも可 | 完成する見込み/見通し |
| 将来の市場動向 | 見通し | 市場の見通し |
| 人の将来性 | 見込み | 見込みのある人物 |
「見込み」と「見通し」で迷ったときの判断方法
迷った場合は、次の順番で考えると選びやすくなります。
「実現する可能性」を言いたい?
→ 見込み
例:合格の見込みがある
「最終的にどうなるか」を予想している?
→ 見込みが使いやすい
例:売上は5億円になる見込み
「今後どう推移するか」を言いたい?
→ 見通し
例:需要は増加する見通し
「いつできるかわかってきた」という意味?
→ 見通し
例:復旧の見通しが立った
人の将来性を評価している?
→ 見込み
例:見込みのある新人
将来の経済・市場全体について話している?
→ 見通しが自然
例:来年度の経済見通し
「見込み」と「見通し」に関するよくある質問
Q1.「見込み」と「見通し」の違いを一言でいうと?
「見込み」はある結果になる可能性・予想、「見通し」は今後の成り行きについての予測・展望です。
Q2.「見込み」と「見通し」は同じ意味ですか?
意味が重なる部分はありますが、完全な同義語ではありません。
「見込みのある新人」のように「見込み」しか使いにくい表現や、「見通しの良い道路」のように「見通し」しか使えない表現があります。
Q3.「完成する見込み」と「完成する見通し」はどちらが正しい?
どちらも使えます。
「見込み」は完成という結果になる予想、「見通し」は現在の状況から将来の完成を予測しているというニュアンスが出やすくなります。
Q4.売上は「見込み」と「見通し」のどちら?
どちらも使います。
予想売上額なら「売上見込み」、今後の売上推移なら「売上の見通し」とすると違いが明確です。
Q5.「卒業見込み」と「卒業見通し」はどちら?
一般には「卒業見込み」です。
履歴書や就職活動でも「卒業見込み」「卒業見込」という表現が定着しています。
Q6.「回復の見込み」と「回復の見通し」はどちら?
両方使えます。
回復する可能性なら「回復の見込み」、回復時期・今後の経過などを含む展望なら「回復の見通し」が使いやすいでしょう。
Q7.「見込みが立つ」と「見通しが立つ」はどちらが自然?
「見通しが立つ」は非常によく使われる定型的な表現です。
特に「復旧の見通しが立つ」「完成の見通しが立つ」などと使われます。
Q8.「見込みがある」とはどういう意味?
あることが実現する可能性がある、または人などに将来性があるという意味です。
「成功する見込みがある」「見込みのある若手」のように使います。
Q9.「見込み客」の意味は?
将来的に商品・サービスを購入する可能性がある顧客です。
この「見込み」も「将来そうなる可能性」という意味です。
Q10.「見通しが立たない」とは?
今後どうなるのか、いつ実現できるのかなどについて予測できない状態です。
「復旧の見通しが立たない」「再開の見通しが立たない」などと使います。
Q11.「見通しが明るい」とは?
将来について良い結果が期待できる状態を表します。
反対に、「見通しが暗い」とすれば、今後の状況が厳しいと予想されていることを意味します。
Q12.「予定」と「見込み」は同じですか?
同じではありません。
予定は前もって決めた計画、見込みは現在の状況などから考えた予想です。
Q13.「見込み」と「可能性」は同じ?
近い意味がありますが、「可能性」は単に「あり得ること」を幅広く表します。
「見込み」は、現在の情報などからある結果になると予想・期待しているニュアンスを含みやすい言葉です。
Q14.「見込み」と「予想」はどう違う?
どちらも将来について考える言葉ですが、「見込み」には実現可能性や期待という意味もあります。
予想は将来の出来事・結果をあらかじめ考えることを幅広く表します。
「予想」の意味については、「予想」とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説も参考にしてください。
Q15.「見込み」と「見通し」はどちらのほうが確実?
言葉だけから、どちらの確実性が常に高いとは決められません。
どちらも予測に関係する表現であり、実際の確実性は根拠や状況によって異なります。
「見込みだから確実」「見通しだから不確実」という固定的な区別はしないほうがよいでしょう。
まとめ
「見込み」と「見通し」は、どちらも将来について予想する際に使われますが、意味の中心には違いがあります。
見込み=ある結果になるという予想・可能性・期待
見通し=物事が今後どのように進むかについての予測・展望
です。
具体的には、
- 来春卒業見込み
- 合格の見込みがある
- 見込みのある新人
- 今月の売上見込み
- 今後の経済見通し
- 復旧の見通しが立つ
- 業績は改善する見通し
のように使います。
ただし、
「来月完成する見込み」
「来月完成する見通し」
のように、両方が自然な場面もあります。
その場合は、
完成するという結果に重点を置く → 見込み
現在の状況から今後の成り行きを予測する → 見通し
と考えると違いを説明しやすくなります。
また、「見込み」には可能性・将来性という意味があるため、「見込み客」「見込みのある新人」のような用法があります。
一方、「見通し」には遠くまで見えるという別の意味もあり、「見通しの良い道路」のようにも使われます。
迷ったときは、
「最終的にそうなりそうか」を言いたい → 見込み
「これからどうなりそうか」を言いたい → 見通し
という基準から考えると、自然に使い分けやすくなるでしょう。
参考リンク・出典
-
コトバンク「見込み」
見込み(ミコミ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 見込みの用語解説 - 1 先行きの予想。あて。「来春卒業の見込み」「明日は晴れの見込みです」2 将来の可能性。「なかなか見込みのある男だ」「治る見込みのない病人」3 《茶席で茶碗拝見のとき、まず内部をのぞき込むところから... -
コトバンク「見通し」
見通し(ミトオシ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 見通しの用語解説 - 1 《「みどおし」とも》初めから終わりまで見つづけること。「朝からテレビの―だ」2 さえぎるものがなく遠くまで見えること。また、その場所。「―のきく展望台」3 人の心や目に見えない内面の物事を見抜く... -
コトバンク「見込む」
見込む(ミコム)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - 見込むの用語解説 - [動マ五(四)]1 あてにする。望みをかける。「値上がりを―・んで大量に仕入れる」「君を男と―・んで頼む」2 将来有望だと思う。「―・まれて養子になる」3 予想して勘定に入れる。「損失を―・む」4 ... -
日本銀行「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」
経済・物価情勢の展望(展望レポート) : 日本銀行 Bank of Japan
