会社や行政の文書では、
「事業計画を立案する」
「基本計画を策定する」
「政策を立案する」
「方針を策定する」
といった表現が使われます。
「立案」と「策定」はどちらも、何かを考えて計画・方針などを作る場面で使われるため、
- 「立案」と「策定」は何が違う?
- 計画は「立案する」「策定する」のどちら?
- 政策立案と政策策定は同じ?
- 「立案→策定」という順番になる?
- 策定は「正式決定」という意味?
- 「制定」「作成」「計画」とはどう違う?
と迷うことがあります。
結論からいうと、「立案」は案・計画などを考えて形にすること、「策定」は計画・方針・基準などについて内容を検討し、一定の形として定めることです。
簡単に整理すると、
立案=案を作る
策定=計画・方針などを組み立てて定める
という違いがあります。
ただし、実務では意味が重なる部分も多く、「立案した案を検討して策定する」という流れになることもあれば、「計画を立案する」「計画を策定する」がほぼ同じ段階を指すこともあります。
この記事では、「立案」と「策定」の意味・違いから、「計画・方針・政策・戦略」ではどちらを使うのか、「制定・作成・決定」との違いまで詳しく解説します。
- 結論:「立案」は案を作ること、「策定」は計画・方針などを定めること
- 「立案」とは?
- 「策定」とは?
- 「立案」と「策定」の最大の違い
- 「立案→策定」という順番になる?
- 策定=最終決定という意味?
- 「計画を立案する」と「計画を策定する」の違い
- 「立案」と「計画」の違いとの関係
- 「政策立案」と「政策策定」の違い
- 「方針」は立案と策定のどちら?
- 「戦略」は立案と策定のどちら?
- 「施策」は立案と策定のどちら?
- 「改善策」は立案と策定のどちら?
- 「基準」は立案と策定のどちら?
- 「指針」は立案と策定のどちら?
- 「立案」と「制定」の違い
- 「策定」と「制定」の違い
- 「策定」と「設定」の違い
- 「策定」と「作成」の違い
- 「策定」と「決定」の違い
- 「策定」と「決裁」の違い
- 立案は「たたき台」、策定は「完成版」?
- 行政では「立案」と「策定」をどう使い分ける?
- 会社ではどう使い分ける?
- 「立案者」と「策定者」の違い
- 「立案中」と「策定中」の違い
- 「立案した」と「策定した」の違い
- 「立案」と「構想」の違い
- 「立案」と「企画」の違い
- 「立案」と「起案」の違い
- 「立案」と「提案」の違い
- 「立案・策定・実施」の関係
- 「立案・策定・決定・実施」は必ず別工程?
- 「策定」は日常会話でも使う?
- 「立案」は日常会話でも使う?
- 「立案」と「策定」の自然な例文
- 一つの文章で「立案」と「策定」を使う例
- どちらを使うか迷ったときの判断方法
- よくある誤解1:「立案」は思いつくだけ
- よくある誤解2:「策定」は文書を書くこと
- よくある誤解3:「策定したら必ず承認済み」
- よくある誤解4:「立案と策定は必ず別工程」
- FAQ:「立案」と「策定」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
結論:「立案」は案を作ること、「策定」は計画・方針などを定めること
| 言葉 | 基本的な意味 | 重点 | よく使う対象 |
|---|---|---|---|
| 立案 | 案・計画などを考えて作る | 案を生み出し具体化する過程 | 政策、施策、企画、計画、改善策 |
| 策定 | 計画・方針などを検討し定める | 内容を組み立て一定の形にすること | 計画、方針、戦略、基準、指針 |
たとえば、会社で新しい人材育成制度を作るとします。
最初に、
- どんな研修を行うか
- 誰を対象にするか
- どんな制度にするか
を考えて案を作ることは、
「人材育成策を立案する」
と表現できます。
その後、関係部署との調整などを行い、
- 目標
- 期間
- 実施方法
- 評価方法
まで整理して正式な人材育成計画としてまとめるなら、
「人材育成計画を策定する」
と表現できます。
このように、
立案=アイデア・案を具体化する側
策定=計画・方針などとしてまとめる側
という違いを意識すると理解しやすくなります。
「立案」とは?
立案(りつあん)とは、案・計画などを考えて作ることです。
辞書では、工夫して計画を立てること、案を立てること、草案・文案を作ることなどを意味します。
たとえば、
- 政策を立案する
- 新規事業を立案する
- 改善策を立案する
- 企画を立案する
- 販売計画を立案する
などと使います。
重要なのは、まだ何もない状態から、検討できる案へ形にしていくニュアンスがあることです。
「立案」の基本的な意味については、「立案」とは?意味・読み方・使い方をわかりやすく解説|「起案・提案・企画」との違いと例文でも詳しく解説しています。
「策定」とは?
策定(さくてい)とは、計画・方針・戦略・基準などについて内容を考え、組み立て、一定の形として定めることです。
「策」には、計画・手段・方法という意味があります。
「定」には、定める・決めるという意味があります。
そのため「策定」は、
「方策・計画などを考えて定める」
というイメージです。
よく使われる表現には、
- 基本計画を策定する
- 経営方針を策定する
- 中期経営計画を策定する
- 事業戦略を策定する
- ガイドラインを策定する
- 選定基準を策定する
などがあります。
「立案」と「策定」の最大の違い
最大の違いは、どの段階・どの側面を強調するかです。
「立案」は、
「どんな案にするか考え、形にする」
ことに重点があります。
一方「策定」は、
「計画・方針などとして内容を組み立て、定める」
ことに重点があります。
たとえば、
「新しい防災対策を立案する」
なら、どのような対策を取るかについて案を考えている段階です。
「地域防災計画を策定する」
なら、目標・役割・対応方法などを計画として体系的にまとめる意味が強くなります。
「立案→策定」という順番になる?
実務では、
立案 → 検討・調整 → 策定
という流れになることがあります。
たとえば自治体の計画なら、
- 課題を整理する
- 計画案を立案する
- 関係部署と協議する
- 必要に応じて意見を聴く
- 内容を修正する
- 計画を策定する
という流れです。
この場合、
立案=案の作成
策定=計画としてまとめる
という違いが明確になります。
ただし、すべての組織でこの順番が厳密に決められているわけではありません。
策定=最終決定という意味?
必ずしも「最終的な承認まで完了した」という意味ではありません。
「計画を策定した」といえば、一般的には計画の内容がまとまり、一定の形として定められたことを表します。
しかし組織によっては、策定した計画について、さらに、
- 取締役会の承認
- 議会の議決
- 上位者の決裁
- 公表手続き
などが必要な場合があります。
したがって、
策定=必ず最終承認
と機械的に考えるのは適切ではありません。
「内容を計画・方針として組み立て、定める」という意味で理解するのが安全です。
「計画を立案する」と「計画を策定する」の違い
両方とも使われる表現です。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| 計画を立案する | 計画の案を考え、内容を作る |
| 計画を策定する | 計画の内容を検討し、計画としてまとめる・定める |
たとえば、
「担当部署が計画案を立案する」
なら、案を作ることに重点があります。
「会社として中期経営計画を策定する」
なら、組織として計画の内容をまとめる意味が強くなります。
「立案」と「計画」の違いとの関係
「立案」と「計画」も意味が近い言葉ですが、今回の「策定」とは比較軸が異なります。
立案は、計画・案を作る行為です。
計画は、目的達成のための方法・順序・予定などを考えること、またその内容です。
策定は、その計画・方針などを一定の形として組み立てて定めることです。
たとえば、
計画案を立案する
↓
関係者と調整する
↓
計画を策定する
という流れで整理できる場合があります。
「政策立案」と「政策策定」の違い
「政策」では、特に政策立案という表現がよく使われます。
政策立案とは、社会的な課題に対して、
- 何を目的とするのか
- どんな政策手段を使うのか
- 誰を対象とするのか
- どんな制度にするのか
などを考え、政策案として形にすることです。
一方、政策について全体的な方針・戦略を定める意味で「策定」を使うこともあります。
例:
「新たな産業振興政策を立案する。」
「産業振興の基本方針を策定する。」
前者は政策案を作る行為、後者は方針を一定の形にまとめることに重点があります。
「方針」は立案と策定のどちら?
一般的には、
「方針を策定する」
が非常によく使われます。
方針は、今後どの方向に進むのかを示す基本的な考え方です。
そのため、検討した内容を一定の方針として定める「策定」と相性がよい言葉です。
ただし、
「新しい経営方針案を立案する」
と表現することもできます。
この場合は、まだ案を作っている段階という意味が強くなります。
「戦略」は立案と策定のどちら?
戦略については、
戦略を立案する
戦略を策定する
の両方が使われます。
違いをつけるなら、
戦略を立案する=どのような戦略にするか案を考える
戦略を策定する=戦略の内容を体系的にまとめ、定める
という整理ができます。
ただし、実際のビジネスでは両者をほぼ同じ意味で使うこともあります。
「施策」は立案と策定のどちら?
施策については、
「施策を立案する」
が自然です。
課題に対して「どんな対策・施策を実施するか」を考えて案にするからです。
一方、複数の施策をまとめた総合的な計画を作るなら、
「推進計画を策定する」
などと表現できます。
「改善策」は立案と策定のどちら?
一般には、
「改善策を立案する」
が使いやすい表現です。
問題に対して、
- どこを変えるか
- どんな対策を取るか
- どう改善するか
を考えて案を作るためです。
「改善計画を策定する」とすれば、その改善策を具体的な計画としてまとめる意味になります。
「基準」は立案と策定のどちら?
基準については、
「基準を策定する」
が自然です。
たとえば、
- 評価基準を策定する
- 選定基準を策定する
- 安全基準を策定する
などです。
複数の条件などを整理して、基準として定めるからです。
「基準案を立案する」なら、正式に定める前の案を作る意味として使えます。
「指針」は立案と策定のどちら?
指針についても、
「指針を策定する」
がよく使われます。
組織などが今後の行動・判断のよりどころとなる内容をまとめ、定めるためです。
例:
「情報セキュリティに関する運用指針を策定する。」
「立案」と「制定」の違い
制定は、法律・規則・制度などを新しく定めることです。
一般的には、
立案=案を作る
制定=ルールとして正式に定める
という違いがあります。
たとえば、
「新しい社内規程案を立案する」
↓
「決裁を経て規程を制定する」
という流れが考えられます。
「策定」と「制定」の違い
「策定」と「制定」は似ていますが、使う対象に違いがあります。
一般的には、
策定=計画・方針・戦略・基準などを定める
制定=法律・規則・制度などを新しく定める
という使い分けです。
たとえば、
「中期経営計画を策定する」
「就業規則を制定する」
といった使い方があります。
詳しくは、「制定」と「策定」の違いは?意味・使い分けを法律・規則・計画の例文で解説も参考にしてください。
「策定」と「設定」の違い
設定は、条件・数値・場所・状態などを決めることです。
一方、「策定」は計画・方針・基準などを、検討しながら組み立てる意味が強い言葉です。
例:
目標値を設定する
目標達成計画を策定する
このように、数値など一点を決める場合は「設定」、複数の内容から成る計画をまとめる場合は「策定」が自然です。
詳しくは、「策定」と「設定」の違いとは?意味・使い分けを計画・目標・方針・数値・ビジネスの例文で徹底解説をご覧ください。
「策定」と「作成」の違い
作成は、文書・資料・表・計画などを作ることを広く表します。
策定は、単に文書を作るだけでなく、その中身となる計画・方針などについて考え、内容を定める意味があります。
たとえば、
「経営計画を策定する」
は、経営計画の内容そのものを検討・決定するニュアンスです。
「経営計画書を作成する」
は、その内容を文書としてまとめる作業にも使えます。
実務では、策定した内容を計画書として作成する、という流れになる場合があります。
「策定」と「決定」の違い
決定は、物事を最終的に決めることを広く表します。
「策定」は、計画・方針などについて内容を組み立てて定める行為です。
たとえば、
「新しい経営計画を策定した」
と言えば、計画の中身を作り上げたことがわかります。
「経営会議でその計画を正式に決定した」
と言えば、意思決定手続きに重点があります。
組織によっては策定と決定が同時になる場合もあります。
「策定」と「決裁」の違い
決裁は、権限を持つ上司・責任者が案について承認・不承認を決めることです。
一方、「策定」は計画・方針そのものを作り上げる行為です。
たとえば、
担当部署が計画を策定する
↓
部長・経営会議などの決裁を受ける
という流れになることがあります。
立案は「たたき台」、策定は「完成版」?
わかりやすい説明としては近い面がありますが、必ずそうとは限りません。
立案されたものが必ず単なる「たたき台」だとは限らず、かなり完成度の高い案であることもあります。
また策定した文書でも、その後の承認・改訂が必要な場合があります。
したがって、
立案=未完成
策定=完全完成
と絶対的に線引きするのではなく、
立案は案を作る行為、策定は計画・方針として定める行為
と考えるほうが正確です。
行政では「立案」と「策定」をどう使い分ける?
行政では、
政策立案
計画策定
という組み合わせがよく見られます。
政策立案では、社会課題に対して、どのような政策を実施するか考えます。
計画策定では、その政策を進めるための、
- 目標
- 期間
- 具体的施策
- 役割分担
- 評価指標
などを計画として体系的にまとめます。
そのため、
政策を立案し、実行のための計画を策定する
という流れで使うことができます。
会社ではどう使い分ける?
会社では、次のような使い分けが考えられます。
立案が自然な例
- 新規事業案を立案する
- コスト削減策を立案する
- 販売促進策を立案する
- 新しい人事制度を立案する
策定が自然な例
- 中期経営計画を策定する
- 年度方針を策定する
- 事業戦略を策定する
- 評価基準を策定する
- 人材育成計画を策定する
「何をするか」という案を考えるなら立案、組織として使う計画・方針・基準にまとめるなら策定が使いやすいでしょう。
「立案者」と「策定者」の違い
立案者は、その案を考え、作った人です。
たとえば、
「政策立案者」
「企画の立案者」
などと使えます。
一方、「策定者」は、計画・方針などの策定を行った人・組織という意味で使うことができます。
ただし実務では、
「策定主体」
「策定担当部署」
「計画を策定した○○部」
などのほうが自然な場面もあります。
「立案中」と「策定中」の違い
立案中は、案そのものを考え、形にしている途中です。
策定中は、計画・方針などについて内容を検討し、まとめている途中です。
たとえば、
「現在、新制度を立案中です」
なら、制度の仕組みや案を考えている印象があります。
「現在、次期中期経営計画を策定中です」
なら、経営計画として具体的な内容をまとめている印象になります。
「立案した」と「策定した」の違い
過去形でも違いがあります。
「新制度を立案した」
なら、新制度の案を作ったことを表します。
「新制度の運用計画を策定した」
なら、実施方法などを計画としてまとめたことを表します。
「立案した」だけでは正式採用されたかどうかはわかりません。
「策定した」も、組織上の最終承認まで済んでいるかどうかは文脈次第です。
「立案」と「構想」の違い
構想は、大まかな考え・全体像を思い描くことです。
「立案」は、その構想を具体的な案にする段階として使われることがあります。
たとえば、
新工場建設の構想
↓
建設案を立案
↓
建設計画を策定
という流れで整理できます。
ただし、これも必ずこの工程になるわけではありません。
「立案」と「企画」の違い
「企画」は、何かを実現するために計画を立てること、またその計画を表します。
「立案」は、その企画や計画を具体的な案として作る行為です。
たとえば、
「新商品の企画を立案する」
という表現ができます。
企画と立案は意味がかなり近いため、文章によってはどちらか一方だけで十分なこともあります。
「立案」と「起案」の違い
起案は、特に会社・行政で、決裁を受けるための文書案を作ることを表します。
一方、立案は政策・企画・改善策など幅広い案を考えることです。
たとえば、
改善策を立案する
↓
その内容を稟議書として起案する
という流れが考えられます。
「立案」と「提案」の違い
立案は案を作ることです。
提案は、その案・意見を相手に示すことです。
したがって、
案を立案する
↓
上司に提案する
↓
採用された内容を計画として策定する
という流れになることもあります。
「立案・策定・実施」の関係
実務では、
立案 → 策定 → 実施
という順序で理解できるケースがあります。
例:
① 新しい安全対策を立案する
② 安全管理計画を策定する
③ 計画に基づいて対策を実施する
この場合、
立案=何をするか考える
策定=どう進めるか計画としてまとめる
実施=実際に行う
となります。
「立案・策定・決定・実施」は必ず別工程?
必ずしも別ではありません。
小さな会社や小規模な案件では、担当者が案を作り、その場で方針を定め、そのまま実施することもあります。
一方、大きな行政計画や経営計画では、
- 素案作成
- 立案
- 関係者調整
- 策定
- 承認
- 公表
- 実施
など、複数の段階を踏む場合があります。
つまり、用語の意味は理解しつつ、実際の手続きはその組織のルールで確認することが重要です。
「策定」は日常会話でも使う?
意味は通じますが、かなり硬い言葉です。
たとえば、
「週末の旅行計画を策定した」
と言うと、必要以上に大げさに聞こえます。
日常会話なら、
「旅行の計画を立てた」
が自然です。
「策定」は、主に、
- 行政
- 企業
- 政策
- 経営
- 制度
- 組織運営
など、正式・組織的な場面で使われることが多い言葉です。
「立案」は日常会話でも使う?
「策定」ほどではありませんが、「立案」もやや硬い言葉です。
日常生活なら、
「夕食の献立を立案する」
より、
「夕食の献立を考える」
が自然です。
一方、
「新商品の販売戦略を立案する」
「政策を立案する」
のような仕事上の場面では自然です。
「立案」と「策定」の自然な例文
立案の例文
- 営業部が新しい販売促進策を立案した。
- 地域活性化のための政策を立案する。
- 担当者が新規事業案を立案した。
- 事故再発防止のための改善策を立案する。
- プロジェクトチームが基本構想をもとに計画案を立案した。
策定の例文
- 来年度の事業計画を策定する。
- 会社として新しい経営方針を策定した。
- 5年間の中期経営計画を策定する。
- 事故防止のための安全基準を策定した。
- 地域振興に関する基本計画を策定する。
一つの文章で「立案」と「策定」を使う例
両者の違いは、一つの文章にすると理解しやすくなります。
「担当部署が新しい省エネ施策を立案し、関係部署との調整を経て、省エネルギー推進計画を策定した。」
この文章では、
立案=具体的な施策案を作る
策定=その施策を含む計画としてまとめる
という違いがあります。
もう一つ例を挙げます。
「人事部が新しい研修制度を立案し、その制度を実施するための人材育成方針を策定した。」
この場合も、案から正式な方針へ具体化していく流れが表れています。
どちらを使うか迷ったときの判断方法
新しい案・アイデアを具体化している?
→ 立案
例:
「業務改善策を立案する。」
計画・方針を一定の形としてまとめている?
→ 策定
例:
「業務改善計画を策定する。」
法律・規則を正式に新設する?
→ 制定
例:
「新たな規程を制定する。」
数値・条件を決める?
→ 設定
例:
「売上目標を設定する。」
文書そのものを作る?
→ 作成
例:
「経営計画書を作成する。」
よくある誤解1:「立案」は思いつくだけ
違います。
立案は単に思いつくことではなく、案・計画として具体的に組み立てることです。
思いつきの段階なら、
「発案」
「着想」
などが適する場合があります。
よくある誤解2:「策定」は文書を書くこと
策定は単なる文書作成ではありません。
計画・方針などの中身を検討し、内容を定めることが中心です。
策定した内容を文書化する作業は「作成」と表現できる場合があります。
よくある誤解3:「策定したら必ず承認済み」
必ずしもそうとは限りません。
策定後に上位機関・経営会議などの承認が必要な組織もあります。
具体的な手続きは、その組織のルールを確認してください。
よくある誤解4:「立案と策定は必ず別工程」
これも必ずしも正しくありません。
小規模な案件では、案を作ることと計画としてまとめることが一体化している場合があります。
両者は意味として区別できますが、実務上の工程が必ず分離されているわけではありません。
FAQ:「立案」と「策定」に関するよくある質問
Q1.「立案」と「策定」の違いを一言でいうと?
「立案」は案を考えて作ること、「策定」は計画・方針などの内容を組み立てて定めることです。
Q2.計画は「立案する」「策定する」のどちら?
どちらも使えます。
計画案を作ることに重点を置くなら「立案」、計画として内容をまとめて定めることに重点を置くなら「策定」が適しています。
Q3.政策は「立案」「策定」のどちら?
政策そのものの案を考える場合は「政策立案」が一般的です。
政策に関する基本方針・計画をまとめる場合は「策定」が使われます。
Q4.方針はどちら?
一般的には「方針を策定する」が使いやすい表現です。
Q5.戦略はどちら?
どちらも使えます。
戦略案を考えるなら「立案」、戦略を体系的にまとめるなら「策定」という違いをつけられます。
Q6.「立案→策定」の順番で正しい?
そのような流れになる仕事はあります。
ただし、すべての組織で決められた共通ルールではありません。
Q7.策定は「決定」と同じですか?
完全には同じではありません。
策定は計画などを内容から作り上げて定めること、決定は物事を最終的に決めることを広く表します。
Q8.策定は「制定」と同じですか?
違います。
策定は計画・方針・戦略など、制定は法律・規則・制度などに使われやすい言葉です。
Q9.「策定中」とはどういう意味?
計画・方針などについて、内容を検討しながらまとめている途中という意味です。
Q10.「立案中」と「策定中」の違いは?
「立案中」は案を作っている途中、「策定中」は計画・方針などとして内容をまとめている途中というニュアンスがあります。
Q11.「計画を作成する」と「計画を策定する」の違いは?
「作成」は計画を作ることを広く表します。
「策定」は、計画の内容を検討し、組み立て、一定の方針として定める意味が強くなります。
Q12.日常会話で「策定する」は使いますか?
使えますが、かなり硬い表現です。
旅行や勉強などの日常的な予定なら「計画を立てる」のほうが自然です。
まとめ
「立案」と「策定」は、どちらも何かを考えて形にする言葉ですが、重点が異なります。
- 「立案」は案・計画を考えて作ること
- 「策定」は計画・方針・戦略・基準などを検討して定めること
- 「立案」は案を作るプロセスに重点がある
- 「策定」は内容を体系的にまとめる意味が強い
- 実務では「立案→検討・調整→策定」という流れになることがある
- ただし、立案と策定が必ず別工程とは限らない
- 計画は「立案する」「策定する」の両方が使える
- 政策は「立案」、方針・計画・基準は「策定」が使われやすい
- 「制定」は法律・規則などを新しく定める意味
- 「設定」は数値・条件などを決める意味
- 「作成」は文書・資料などを作ることを広く表す
最も簡単に覚えるなら、
立案=「案を作る」
策定=「計画・方針としてまとめて定める」
です。
ただし両者は意味が重なる場面もあります。
実際の文章では、まだ案を作っていることを強調したいのか、それとも計画・方針として内容をまとめていることを強調したいのかを基準に選ぶと、自然に使い分けられるでしょう。
