「原告は被告に100万円の支払いを求めた」
「被告人は起訴内容を否認した」
「被告」と「被告人」は、どちらも裁判に関係する言葉です。
「被告人」を短くしたものが「被告」だと思われることもありますが、法律上は使われる裁判の種類が異なります。
そのため、
「被告と被告人は何が違う?」
「刑事裁判で『被告』と呼んではいけない?」
「被告は犯罪をした人?」
「被疑者はいつ被告人になる?」
「原告と被告、検察官と被告人はどう違う?」
と迷うことがあります。
簡単にいうと、「被告」は民事裁判などで訴えを起こされた側の当事者を表します。一方、「被告人」は、刑事事件で検察官によって起訴された人を表す法律上の正式な用語です。
たとえば、AさんがBさんに貸した100万円の返還を求めて民事訴訟を起こした場合、
Aさん=原告
Bさん=被告
です。
一方、検察官がCさんを窃盗罪で起訴した場合、刑事裁判でCさんは、
「被告人」
と呼ばれます。
一言で覚えるなら、
被告=「民事裁判で訴えられた側」
被告人=「刑事裁判で起訴された人」
です。
ここで重要なのは、
「被告=悪いことをした人」ではない
ことです。
民事訴訟では、単に「訴えを起こされた側」であるため、最終的に原告の請求が棄却され、被告側の主張が認められることもあります。
同様に、
「被告人=有罪が確定した人」でもありません。
被告人は起訴された段階の人であり、その後の刑事裁判で有罪・無罪が判断されます。
この記事では、「被告」と「被告人」の基本的な違いから、「原告」「被疑者」「容疑者」「受刑者」との違い、「被告人」と「被告」をニュースでどう使い分けるかまで詳しく解説します。
- 「被告」と「被告人」の違い【結論】
- 「被告」とは?
- 「被告」は犯罪者という意味ではない
- 会社や法人も「被告」になる
- 「原告」と「被告」の違い
- 「被告人」とは?
- 「被疑者」から「被告人」へ変わるタイミング
- 逮捕されても「被告人」とは限らない
- 逮捕されずに「被告人」になることもある
- 「被告人」は有罪が確定した人ではない
- 無罪推定と「被告人」
- 「被告」と「被告人」の決定的な違い
- 刑事裁判で「被告」と書くのは間違い?
- 民事裁判の「被告」と刑事報道の「○○被告」に注意
- 「被疑者」と「被告人」の違い
- 「容疑者」と「被告人」の違い
- 「被告人」と「受刑者」の違い
- 「被告」と「債務者」の違い
- 「原告・被告」と「検察官・被告人」を比較
- 「被告・被告人」で迷ったときの3秒判定
- 「被告」を使った例文
- 「被告人」を使った例文
- 具体例で比較:貸したお金を返してもらう裁判
- 具体例で比較:窃盗事件
- 具体例で比較:企業への損害賠償請求
- よくある間違い1:「被告人」を短くしたのが「被告」だと思う
- よくある間違い2:「被告=犯罪者」だと思う
- よくある間違い3:「被告人=有罪の人」だと思う
- よくある間違い4:「逮捕されたら被告人になる」と思う
- よくある間違い5:「逮捕されなければ被告人にはならない」と思う
- よくある間違い6:「民事裁判で被告が無罪になった」と表現する
- よくある間違い7:「被告」と「被告人」が文章内で混在する
- 「被告」と「被告人」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考資料・出典
「被告」と「被告人」の違い【結論】
| 比較項目 | 被告 | 被告人 |
|---|---|---|
| 読み方 | ひこく | ひこくにん |
| 主な裁判 | 民事裁判 | 刑事裁判 |
| 意味 | 訴えを起こされた側の当事者 | 検察官によって起訴された人 |
| 相手方 | 原告 | 検察官 |
| 犯罪との関係 | 犯罪とは限らない | 犯罪について起訴されている |
| 有罪確定を意味するか | そもそも民事では有罪・無罪を判断しない | 意味しない |
| 人以外になれるか | 会社・法人なども被告になり得る | 刑事責任の主体について事件ごとに判断される |
3秒で判断するなら、
「民事裁判で訴えられた側?」 → 被告
「刑事事件で起訴された人?」 → 被告人
と考えると分かりやすいでしょう。
「被告」とは?
民事訴訟で訴えを起こされた側
裁判所は、民事訴訟について、
原告=訴えた人
被告=訴えられた人
と説明しています。
たとえば、
- 貸したお金を返してほしい
- 売買代金を支払ってほしい
- 建物を明け渡してほしい
- 損害賠償を支払ってほしい
などとして民事訴訟を起こした人が「原告」、その訴えの相手方が「被告」です。
「被告」は犯罪者という意味ではない
「被告」という言葉には、犯罪をしたという意味はありません。
単に、
「民事訴訟で訴えられた側」
という法律上の立場を示しています。
たとえば、AさんがBさんに、
「100万円を貸したので返してほしい」
として裁判を起こしたとします。
この場合、
Aさん=原告
Bさん=被告
です。
しかし、裁判の結果、
「Aさんが100万円を貸した事実は認められない」
として原告の請求が棄却される可能性もあります。
つまり、被告になったこと自体は、
「法的に悪いことをしたと認定された」
ことを意味しません。
会社や法人も「被告」になる
民事裁判では、人だけでなく会社・法人などが訴訟の当事者になることがあります。
たとえば、消費者が企業に対して損害賠償請求訴訟を起こした場合、企業が「被告」になることがあります。
したがって、
「被告=人間一人を表す言葉」
でもありません。
法人なども、民事訴訟では被告となり得ます。
「原告」と「被告」の違い
民事訴訟を理解するうえで基本となる組み合わせです。
| 原告 | 被告 |
|---|---|
| 訴えを起こした側 | 訴えを起こされた側 |
| 裁判所に一定の請求をする | その請求に対して争うなどする |
| 訴状を提出する | 答弁書などを提出する |
裁判所の民事訴訟案内でも、法廷では原告・被告またはそれぞれの訴訟代理人が主張を述べ、証拠を提出する仕組みが説明されています。
「被告人」とは?
刑事裁判で起訴された人
「被告人(ひこくにん)」とは、犯罪を行った疑いについて、検察官から公訴を提起、つまり起訴された人です。
法務省は、
「起訴された者」
を被告人と説明しています。
刑事裁判では、裁判所が検察官から提出された証拠、被告人・弁護人の主張や証拠などを調べ、
被告人が犯罪を行ったのか
を判断します。
「被疑者」から「被告人」へ変わるタイミング
前回の記事で解説した「被疑者」との関係を整理しましょう。
犯罪の嫌疑を受け、捜査対象になっているものの、まだ起訴されていない人は、
「被疑者」
です。
検察官がその人を起訴すると、法律上の呼び方が、
「被告人」
に変わります。
| 段階 | 法律上の呼び方 |
|---|---|
| 捜査中・起訴前 | 被疑者 |
| 起訴後・刑事裁判中 | 被告人 |
したがって、
逮捕されたから被告人になる
のではありません。
起訴された時点で被告人になる
と覚えることが重要です。
逮捕されても「被告人」とは限らない
逮捕された直後の段階では、通常まだ起訴されていません。
そのため、法律上は「被疑者」です。
たとえば、
「警察が被疑者を逮捕した。」
という表現が正確です。
その後、検察官が不起訴処分とすれば、その人は刑事裁判の被告人にはなりません。
したがって、
逮捕=被告人
ではありません。
逮捕されずに「被告人」になることもある
反対に、逮捕されなかったから被告人にならないとも限りません。
被疑者を逮捕せず、在宅のまま捜査・送致し、検察官が起訴することがあります。
その場合は、逮捕されていなくても、起訴された時点から「被告人」です。
つまり、
被告人になる条件は「逮捕」ではなく「起訴」
です。
「被告人」は有罪が確定した人ではない
ここも非常に重要です。
「被告人」は、検察官によって起訴された人を意味するだけで、
有罪判決が確定した人
という意味ではありません。
刑事裁判では、裁判所が証拠を調べ、検察官・弁護人・被告人の主張などを踏まえて、犯罪が成立するかを判断します。
その結果、無罪判決になる可能性もあります。
したがって、
「被告人=犯罪者」
と決めつけるのは不正確です。
無罪推定と「被告人」
刑事手続では、有罪が確定するまでは犯罪者と決めつけないという考え方が重要です。
法務省も刑事司法に関する説明の中で、無罪推定の原則について説明しています。
被告人は、起訴されて裁判を受けている人ではありますが、
起訴されたこと自体が有罪の証明ではありません。
ニュースやSNSで事件について語る際にも、この点には注意が必要です。
「被告」と「被告人」の決定的な違い
違い1:民事か刑事か
最も重要な違いです。
被告=民事裁判
被告人=刑事裁判
です。
裁判所の案内でも、
民事裁判では、
原告と被告
刑事裁判では、
検察官と被告人
という形で明確に使い分けられています。
違い2:訴える主体が違う
民事訴訟では、私人・企業などが裁判所へ訴えを起こします。
その相手方が「被告」です。
一方、刑事裁判では、原則として検察官が公訴を提起します。
その対象として起訴された人が「被告人」です。
違い3:裁判の目的が違う
民事裁判は、私人間などの法律上の紛争を解決するための裁判です。
たとえば、
- 金銭の支払い
- 損害賠償
- 建物の明渡し
- 契約上の権利
などを争います。
一方、刑事裁判では、
被告人が犯罪を行ったか
そして、有罪なら、
どのような刑を科すか
を判断します。
違い4:「被告」には有罪・無罪という概念がない
民事裁判は犯罪について有罪・無罪を判断する手続ではありません。
そのため、
「民事裁判で被告が無罪になった」
という言い方は通常正確ではありません。
民事なら、
「原告の請求が認められた」
「原告の請求が棄却された」
などと表現します。
刑事裁判で「被告」と書くのは間違い?
新聞・テレビ・インターネットの記事では、刑事事件で起訴された人について、
「○○被告」
と表現することがあります。
これは報道などで「被告人」を短く表した呼称として使われることがあります。
しかし、法律上の正式な用語は、
「被告人」
です。
したがって、
一般のニュース記事 → 「○○被告」と書かれることがある
法律・裁判手続を正確に説明 → 「被告人」
と考えるとよいでしょう。
民事裁判の「被告」と刑事報道の「○○被告」に注意
ここが混乱しやすいポイントです。
法律上、「被告」といえば基本的には民事訴訟などの相手方です。
ところが報道では、刑事裁判の被告人について、
「○○被告」
と略して呼ぶことがあります。
そのため、文章の中で「被告」という言葉を見た場合は、
民事裁判の正式な「被告」なのか、刑事事件の「被告人」を略した報道表現なのか
を文脈から判断する必要があります。
「被疑者」と「被告人」の違い
刑事事件では特に重要な区別です。
| 被疑者 | 被告人 |
|---|---|
| 犯罪の嫌疑を受けて捜査されている | 検察官によって起訴されている |
| 起訴前 | 起訴後 |
| 捜査段階 | 刑事裁判の段階 |
最も簡単に覚えるなら、
起訴前=被疑者
起訴後=被告人
です。
「容疑者」と「被告人」の違い
「容疑者」は報道などで、犯罪の疑いを持たれている起訴前の人物について広く用いられる呼称です。
一方、「被告人」は起訴後の法律上の正式な名称です。
ニュースの流れでいえば、
「○○容疑者を逮捕」
と報道されていた人物が、その後起訴されると、
「○○被告」
などと報道される場合があります。
法律上は、
被疑者 → 起訴 → 被告人
という変化です。
「被告人」と「受刑者」の違い
「受刑者」は、刑事裁判で有罪判決が確定し、刑事施設などで刑の執行を受けている人を指す場合に使われます。
一方、「被告人」はまだ刑事裁判を受けている段階の人です。
したがって、
被告人=裁判中
受刑者=有罪が確定し、刑に服している段階
という違いがあります。
ただし、有罪判決後でも判決がまだ確定していない場合など、刑事手続上の状態はより細かく分かれます。
「被告」と「債務者」の違い
お金を請求する裁判では、「被告」と「債務者」が混同されることがあります。
しかし意味は異なります。
被告は、民事訴訟で訴えられた側という訴訟上の立場です。
債務者は、金銭の支払いなど一定の義務を負う人という実体法上の立場です。
訴訟では、原告が「被告は債務者だ」と主張していても、裁判の結果、その債務自体が存在しないと判断されることもあります。
したがって、被告だから必ず債務者とは限りません。
「原告・被告」と「検察官・被告人」を比較
| 裁判 | 訴える・追及する側 | 相手方 |
|---|---|---|
| 民事裁判 | 原告 | 被告 |
| 刑事裁判 | 検察官 | 被告人 |
この表を覚えておくだけでも、「被告」と「被告人」をかなり見分けやすくなります。
「被告・被告人」で迷ったときの3秒判定
| こんな場合 | 選びやすい言葉 |
|---|---|
| 貸金返還請求で訴えられた | 被告 |
| 損害賠償請求で訴えられた | 被告 |
| 会社が民事訴訟を起こされた | 被告 |
| 犯罪の疑いで捜査されているが未起訴 | 被疑者 |
| 犯罪について検察官が起訴した | 被告人 |
| 刑事裁判を正式な法律用語で説明する | 被告人 |
| 刑事事件のニュースで「○○被告」と表記 | 「被告人」の略称として使われることがある |
| 民事裁判で訴えた側 | 原告 |
最も簡単に覚えるなら、
被告=「民事で訴えられた側」
被告人=「刑事で起訴された人」
です。
「被告」を使った例文
- 原告は被告に100万円の支払いを求めた。
- 被告は原告の請求を争った。
- 裁判所は被告に建物の明渡しを命じた。
- 被告会社は答弁書を提出した。
- 原告の請求が棄却され、被告側の主張が認められた。
「被告人」を使った例文
- 被告人は起訴内容を否認した。
- 検察官が被告人に対して懲役刑を求刑した。
- 被告人と弁護人が最終意見を述べた。
- 裁判所は被告人に無罪を言い渡した。
- 被告人は黙秘権を行使した。
具体例で比較:貸したお金を返してもらう裁判
AさんがBさんに100万円を貸したとして、返還を求める訴訟を起こしたとします。
この場合、
Aさん=原告
Bさん=被告
です。
ここでは犯罪が成立したかを争っているわけではありません。
したがって、Bさんを「被告人」と呼ぶのは適切ではありません。
具体例で比較:窃盗事件
Cさんが窃盗事件について警察の捜査を受けているとします。
まだ起訴されていなければ、法律上は、
「被疑者」
です。
その後、検察官がCさんを窃盗罪で起訴すると、
「被告人」
になります。
この場合、正式な刑事手続上の呼称として「被告」を使うのではなく、「被告人」を使います。
具体例で比較:企業への損害賠償請求
消費者が企業の商品によって損害を受けたとして、企業に対して損害賠償訴訟を起こしたとします。
この場合、企業は、
「被告」
です。
「被告」という言葉だからといって、その企業が犯罪を行ったことを意味するわけではありません。
民事訴訟の相手方という立場を表しているだけです。
よくある間違い1:「被告人」を短くしたのが「被告」だと思う
法律上は別の用語です。
「被告」は民事訴訟などで訴えられた側、「被告人」は刑事裁判で起訴された人です。
ただし報道では、刑事事件の「被告人」を「○○被告」と略して表現することがあります。
よくある間違い2:「被告=犯罪者」だと思う
誤りです。
被告は民事訴訟で訴えられた側にすぎません。
犯罪とは無関係な契約・金銭・不動産などの紛争でも使われます。
よくある間違い3:「被告人=有罪の人」だと思う
被告人は起訴された人ですが、有罪が確定した人ではありません。
裁判の結果、無罪判決が言い渡される場合もあります。
よくある間違い4:「逮捕されたら被告人になる」と思う
被告人になる基準は「逮捕」ではなく「起訴」です。
逮捕されても起訴前なら法律上は「被疑者」です。
よくある間違い5:「逮捕されなければ被告人にはならない」と思う
在宅のまま捜査され、逮捕されずに起訴されるケースもあります。
その場合でも、起訴後は被告人です。
よくある間違い6:「民事裁判で被告が無罪になった」と表現する
民事裁判では、有罪・無罪を判断しません。
民事なら、
「原告の請求が認められた」
「原告の請求が棄却された」
などと表現します。
よくある間違い7:「被告」と「被告人」が文章内で混在する
法律記事を書くときは特に注意が必要です。
民事なら「原告・被告」、刑事なら「検察官・被告人」という基本的な組み合わせを崩さないようにすると、文章が正確になります。
「被告」と「被告人」に関するよくある質問
Q1. 「被告」と「被告人」は同じ意味ですか?
法律上は異なります。
「被告」は主に民事訴訟で訴えられた側、「被告人」は刑事事件で起訴された人です。
Q2. 刑事裁判では「被告」と呼んではいけませんか?
法律上の正式な用語は「被告人」です。
ただし、新聞・テレビなどでは「○○被告」と略して表記されることがあります。
Q3. 被告は犯罪をした人ですか?
いいえ。
被告は民事訴訟で訴えられた側というだけで、犯罪をしたことを意味しません。
Q4. 被告人は犯罪者ですか?
起訴されている人ですが、有罪は確定していません。
刑事裁判で無罪となる可能性もあります。
Q5. 被疑者と被告人の違いは?
起訴前が「被疑者」、起訴後が「被告人」です。
Q6. 容疑者と被告人の違いは?
「容疑者」は主に捜査段階の人物に使われる報道上の呼称です。
「被告人」は起訴後の法律上の正式用語です。
Q7. 逮捕されたらいつ被告人になりますか?
逮捕された時点ではありません。
検察官によって起訴された時点で被告人になります。
Q8. 会社も被告人になりますか?
民事訴訟では会社・法人が「被告」になることは一般的にあります。
刑事事件で法人の刑事責任が問題となる場合もありますが、犯罪ごとの法律上の規定によって扱いが異なります。
Q9. 原告と被告人は対になる言葉ですか?
基本的には違います。
民事裁判では「原告」と「被告」、刑事裁判では「検察官」と「被告人」という組み合わせになります。
Q10. 迷ったときの簡単な見分け方は?
「民事で訴えられた側?」 → 被告
「刑事で起訴された人?」 → 被告人
と考えてください。
まとめ
「被告」と「被告人」は似た言葉ですが、法律上は使用される裁判の種類が異なります。
| 被告 | 被告人 |
|---|---|
| 主に民事裁判で使う | 刑事裁判で使う |
| 訴えを起こされた側 | 検察官によって起訴された人 |
| 相手方は原告 | 刑事裁判では検察官が公訴を維持する |
| 犯罪とは限らない | 犯罪について起訴されている |
| 民事なので有罪・無罪という概念ではない | 有罪はまだ確定していない |
最も簡単な覚え方は、
被告=「民事で訴えられた側」
被告人=「刑事で起訴された人」
です。
裁判所も、民事訴訟について、
「訴訟を起こした原告と、その相手方である被告」
という関係を示しています。
一方、刑事事件では、
「罪を犯したとして検察官に起訴された被告人」
について、裁判所が証拠を調べ、犯罪を行ったのかどうかを判断します。
また、刑事事件では、
被疑者 → 起訴 → 被告人
と呼び方が変わります。
ここで間違えてはいけないのが、
「被告だから悪い人」
「被告人だから有罪」
ではないということです。
「被告」は民事訴訟上の立場にすぎず、「被告人」も刑事裁判で起訴された段階の人です。
裁判に関するニュースを正確に理解するためには、
民事=原告・被告
刑事=被疑者 → 起訴 → 被告人
という基本的な区別を覚えておくとよいでしょう。
参考資料・出典
本記事は、以下の裁判所・法務省等の公的資料を参照し、内容を整理したうえで作成しています。
-
裁判所「裁判官」
― 民事訴訟では訴訟を起こした「原告」と相手方である「被告」、刑事事件では検察官に起訴された「被告人」という区別を示す公的資料 -
裁判所「民事訴訟」
― 民事訴訟について「原告(訴えた人)」「被告(訴えられた人)」と説明する公的資料 -
裁判所「当事者席・証言台」
― 民事裁判では「原告・被告」、刑事裁判では「検察官・被告人・弁護人」が法廷に参加することを示した資料 -
法務省「検察庁と刑事手続の流れ」
― 「被告人」を「起訴された者」と説明し、刑事裁判における検察官・被告人の関係を示した資料 -
法務省「司法」
― 犯罪をしたと疑われ捜査されている人を「被疑者」、刑事裁判を起こされている人を「被告人」と説明する資料 -
裁判所「傍聴前に知っておきたい裁判用語集」
― 民事裁判と刑事裁判で使用される「被告」「被告人」などの関連用語を確認できる資料
※法律上、「被告」と「被告人」は区別されます。本記事では、一般的な民事訴訟の相手方を「被告」、刑事事件で起訴された人を「被告人」と整理しています。
※報道では刑事事件の被告人について「○○被告」と略して表記することがありますが、刑事訴訟法上の正式な用語は「被告人」です。
※「被告」は、犯罪をした人を意味する言葉ではありません。民事訴訟で相手方として訴えられているという訴訟上の立場を表します。
※「被告人」は起訴された人を意味しますが、有罪が確定した人物を意味するものではありません。
※本記事は日本の裁判用語について一般的な違いを解説したものであり、個別事件について法的判断を行うものではありません。
