ビジネスメールや社内文書では、
「あらかじめご了承ください」
「先方の承諾を得ました」
「日程変更について了承しました」
「条件変更を承諾しました」
といった表現をよく使います。
「了承」と「承諾」は、どちらも相手の申し出などを受け入れる意味を持つため、違いが分かりにくい言葉です。
しかし、両者には使われやすい場面とニュアンスに違いがあります。
結論からいうと、「了承」は事情や内容を理解・納得したうえで受け入れること、「承諾」は相手からの依頼・申し出・希望などを受け入れることです。
簡単に覚えるなら、
了承=「事情は分かりました。受け入れます」
承諾=「その依頼・申し出を受け入れます」
です。
たとえば、商品の発送が通常より2日遅れることについて理解してもらうなら、
「あらかじめご了承ください」
が自然です。
一方、取引条件や依頼について相手から正式なOKを得るなら、
「先方の承諾を得る」
が自然です。
また「承諾」は法律上も重要な用語です。民法第522条では、契約について、申込みに対して相手方が承諾したときに成立すると規定されています。
この記事では、「了承」と「承諾」の基本的な違いから、「ご了承ください」の使い方、「了解」「承知」「同意」「承認」との違い、契約での「承諾」の意味まで詳しく解説します。
- 「了承」と「承諾」の違い【結論】
- 「了承」とは?
- 「ご了承ください」がよく使われる理由
- 「承諾」とは?
- 「承諾」には法律上の意味もある
- 「了承」と「承諾」の最大の違い
- 具体例1:商品の発送が遅れる場合
- 具体例2:納期変更の依頼
- 具体例3:社内で新しい施策を実施する場合
- 「ご了承」と「ご承諾」の違い
- 目上の人に「ご了承ください」は失礼?
- 「ご承諾いただけますでしょうか」は使える?
- 「了承を得る」と「承諾を得る」は両方使える?
- 「本人の了承」と「本人の承諾」はどちら?
- 「了承」と「了解」の違い
- 「了解しました」は目上の人に失礼?
- 「了承」と「承知」の違い
- 「承諾」と「承認」の違い
- 「承諾」と「同意」の違い
- 「承諾」と「許諾」の違い
- 契約では「了承」より「承諾」が重要
- 条件を変更して「承諾」したらどうなる?
- 「了承」と「承諾」で迷ったときの3秒判定
- 「了承」を使った例文
- 「承諾」を使った例文
- ビジネスメール例:「了承」を求める場合
- ビジネスメール例:「承諾」を求める場合
- よくある間違い1:「了承」と「承諾」は完全に同じと思う
- よくある間違い2:「ご了承ください」は単に『読んでください』という意味だと思う
- よくある間違い3:「了承を得たら必ず契約が成立する」と考える
- よくある間違い4:「承諾は目上の人に使えない」と思う
- よくある間違い5:「了承しました」が最も丁寧な返事だと思う
- よくある間違い6:「ご了承いただく」と「ご確認いただく」を同じ意味で使う
- よくある間違い7:「承諾」と「承認」を必ず同義で使う
- 「了承」と「承諾」に関するよくある質問
- まとめ
- 参考リンク・出典
「了承」と「承諾」の違い【結論】
| 比較項目 | 了承 | 承諾 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 事情をくんで理解・納得し、受け入れる | 相手の意見・希望・要求・申し出などを受け入れる |
| 重視される点 | 事情・内容への理解 | 依頼・申し出への意思表示 |
| よく使う場面 | 注意事項、変更、制約、事情説明 | 依頼、条件、契約、正式な申し出 |
| 代表表現 | 「ご了承ください」 | 「承諾を得る」 |
| 法律用語 | 日常語・実務語として使われることが多い | 契約成立などで法律上も使われる |
| 簡単な言い換え | 事情を分かったうえで受け入れる | 申し出にOKする |
3秒で判断するなら、
「事情や条件を理解して受け入れてもらう?」 → 了承
「依頼や申し出に正式なOKをもらう?」 → 承諾
と考えると分かりやすいでしょう。
「了承」とは?
事情をくんで納得し、受け入れること
「了承」は「りょうしょう」と読みます。
デジタル大辞泉では、
事情をくんで納得すること。承知すること。
という意味で説明されています。
「了承」の特徴は、単純に「YES」と答えるだけではなく、
相手側の事情や条件を理解したうえで受け入れる
というニュアンスを持つことです。
たとえば、
- 納期が変更になる
- 商品に一定の制限がある
- サービスを一時停止する
- 返答まで時間がかかる
- 写真をWebサイトへ掲載する
といった事情を説明したうえで、相手に理解・受容を求める場合に「了承」が使われます。
「ご了承ください」がよく使われる理由
「了承」は、
ご了承ください
という形で非常によく使われます。
たとえば、
「混雑状況により、お待ちいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。」
という文章です。
ここでは、相手に何かを「許可」してもらうというより、
「このような事情がありますので、理解したうえで受け入れてください」
という意味になります。
そのため、
- 店舗のお知らせ
- サービス利用規約
- イベント案内
- 配送案内
- Webサイトの注意事項
などで「ご了承ください」がよく使われます。
「承諾」とは?
相手の依頼・希望・申し出などを受け入れること
「承諾」は「しょうだく」と読みます。
デジタル大辞泉では、
相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れること
と説明されています。
代表的な使い方は、
- 依頼を承諾する
- 上司の承諾を得る
- 条件変更を承諾する
- 使用について承諾を得る
- 契約の申込みを承諾する
などです。
「了承」と比較すると、
相手から示された具体的な依頼・申し出に対して、受け入れる意思を示す
場面で特に使いやすい言葉です。
「承諾」には法律上の意味もある
「承諾」は、日常的なビジネス用語だけでなく、法律上も重要な言葉です。
民法第522条第1項では、契約について、
契約内容を示して締結を申し入れる「申込み」に対して、相手方が承諾したときに契約が成立する
という仕組みが定められています。
つまり契約法の基本的な場面では、
申込み + 承諾 = 契約成立
という関係があります。
そのため契約・取引の話では、「了承」より「承諾」のほうが正式な意思表示を表す言葉として登場しやすくなります。
「了承」と「承諾」の最大の違い
両者を区別するポイントは、
何を受け入れるのか
です。
了承
事情・状況・条件などを理解したうえで受け入れる
承諾
相手からの申し入れ・依頼・提案などに応じ、受け入れる
と考えると分かりやすくなります。
具体例1:商品の発送が遅れる場合
通販サイトで、
「天候の影響により、通常より発送に時間がかかる場合があります」
と案内するとします。
この場合、
「あらかじめご了承ください」
が自然です。
購入者に対して、
「このような事情がありますので理解してください」
と求めているからです。
具体例2:納期変更の依頼
取引先から、
「納期を9月20日から9月25日に変更してほしい」
という具体的な申し出があったとします。
その要求を受け入れた場合は、
「納期変更について承諾しました」
と表現できます。
具体的な申し出に対して、YESという意思を示したからです。
具体例3:社内で新しい施策を実施する場合
担当者が上司へ、
「この内容でキャンペーンを実施したい」
と提案したとします。
上司がその提案を受け入れる場合、
「上司の承諾を得た」
と表現できます。
一方、関係部署に、
「実施期間中は一部の通常業務を停止します」
と事情を説明して理解を求める場合には、
「関係部署の了承を得る」
という表現も自然です。
「ご了承」と「ご承諾」の違い
| 表現 | 意味 | 代表的な場面 |
|---|---|---|
| ご了承ください | 事情・条件を理解して受け入れてください | 注意事項、制限、予定変更など |
| ご承諾ください | 申し出・条件等を受け入れてください | 正式な依頼・取引条件など |
たとえば、
「在庫状況によって商品の色が変更となる場合があります。ご了承ください。」
は自然です。
一方、契約条件について相手から明確な意思表示を得たいなら、
「内容をご確認のうえ、ご承諾くださいますようお願いいたします。」
などと表現できます。
目上の人に「ご了承ください」は失礼?
「ご了承ください」自体が誤った敬語というわけではありません。
ただし、文脈によっては、
「この条件を受け入れてください」
と結論を先に決めたような響きになることがあります。
特に個別の取引先や上司へお願いする場合は、状況に応じて、
「ご了承いただけますと幸いです」
「何卒ご了承くださいますようお願いいたします」
など、依頼の形を柔らかくする方法があります。
一方、店舗やWebサービスの一般的な注意事項では、
「あらかじめご了承ください」
が広く使われています。
「ご承諾いただけますでしょうか」は使える?
使えます。
相手から明確に承諾を得る必要がある場面では、
「下記条件について、ご承諾いただけますでしょうか。」
と尋ねることができます。
より改まった文章なら、
「下記条件につきまして、ご承諾賜りますようお願い申し上げます。」
などの表現もあります。
ただし、単に事情を理解してほしいだけなら、「ご了承」のほうが自然な場合があります。
「了承を得る」と「承諾を得る」は両方使える?
どちらも使えます。
ただしニュアンスが変わります。
「関係者の了承を得る」
なら、事情・方針について関係者が理解し受け入れたイメージです。
「本人の承諾を得る」
なら、具体的な申し出に対して本人が受け入れる意思を示したイメージが強くなります。
「本人の了承」と「本人の承諾」はどちら?
文脈によって両方使われます。
たとえば写真掲載について、
「本人の了承を得た」
でも一般的な日本語として不自然ではありません。
ただし、明確な許可・意思表示を得たことを強調したい場合は、
「本人の承諾を得た」
のほうが意味を明確にしやすいでしょう。
法的な権利・契約が関係する場面では、「了承」という一般語だけで判断せず、法令や契約で定められた「同意」「承諾」「許諾」などの正式な用語を確認する必要があります。
「了承」と「了解」の違い
「了承」と非常に似ているのが、
了解
です。
デジタル大辞泉では「了解」を、
物事の内容や事情を理解して承認すること
と説明しています。
さらに、「了承」は「了解」よりも承認する意味が強いとされています。
| 了解 | 了承 |
|---|---|
| 内容・事情を理解する意味が強い | 理解したうえで受け入れる意味がやや強い |
| 「内容を了解する」 | 「上司の了承を得る」 |
「了解しました」は目上の人に失礼?
「了解しました」が日本語として誤りというわけではありません。
ただし、ビジネスでは上司や取引先への返答として、
「承知しました」
「承知いたしました」
を選ぶことが多くあります。
「承知」は、依頼や事情について「分かりました」という返答として使いやすいためです。
一方、同僚同士の短い連絡などでは「了解しました」も一般的に使われます。
「了承」と「承知」の違い
「承知」は、
- 事情を知る
- 分かる
- 依頼を聞き入れる
などの意味を持ちます。
ビジネスメールでは、相手から依頼を受けた際の返答として、
「承知いたしました」
がよく使われます。
一方「了承」は、
相手の事情を理解し、受け入れる
意味で使われやすい言葉です。
したがって、取引先から、
「明日の会議を15時へ変更してください」
と言われたとき、自分の返事としては、
「承知いたしました」
が自然です。
第三者について説明するなら、
「日程変更について部長の了承を得ています」
のように使えます。
「承諾」と「承認」の違い
「承諾」と「承認」も似ています。
一般的なビジネス実務では、
承諾=相手の依頼・申し出を受け入れる
承認=申請・内容などを認める
と整理すると分かりやすいでしょう。
たとえば、
「取引先からの納期変更を承諾する」
「部下の経費申請を承認する」
という違いです。
「承諾」と「同意」の違い
「同意」は、
他人の意見などに賛成すること
や、一定の行為について同じ意思を示す意味で使われます。
一方「承諾」は、
相手からの申し出・要求などを受け入れる
意味が中心です。
たとえば、
「その考え方に同意する」
は自然ですが、
「その考え方を承諾する」
は文脈によって不自然になる場合があります。
逆に、
「依頼を承諾する」
は非常に自然です。
「承諾」と「許諾」の違い
「許諾」は、
相手の希望や願いを聞き入れて許すこと
です。
特に、
- 著作物の利用
- 商標の使用
- 画像の使用
など、権利者から使用を許してもらう場合に「許諾」がよく使われます。
たとえば、
「著作権者から利用許諾を得る」
という表現です。
「承諾」は、より広く相手の申し出・依頼を受け入れる意味で使えます。
契約では「了承」より「承諾」が重要
契約について説明するときには、「了承」と「承諾」を安易に同義語として置き換えないほうが安全です。
民法第522条では、
申込みに対して相手方が承諾をしたときに契約が成立する
と定めています。
また民法には、
- 承諾期間を定めた申込み
- 承諾期間を定めない申込み
- 承諾の通知を必要としない場合
- 申込みに変更を加えた承諾
などについて規定があります。
法律上の「承諾」は単なる「事情を分かりました」という意味ではなく、契約成立などの法的効果に関係する意思表示となる場合があります。
条件を変更して「承諾」したらどうなる?
契約については重要な注意点があります。
民法第528条では、申込みを受けた側が、
条件を付けたり内容を変更したうえで承諾した場合
には、元の申込みを拒絶し、新しい申込みをしたものとみなすとされています。
たとえば、
「100万円なら購入します」
という申込みに対し、
「110万円なら承諾します」
と返答した場合、単純に元の申込みを承諾したことにはなりません。
法律上の契約場面では、日常会話以上に「承諾」の内容が重要になります。
「了承」と「承諾」で迷ったときの3秒判定
| こんな場面 | 使いやすい言葉 |
|---|---|
| 事情を理解してもらう | 了承 |
| 注意事項を受け入れてもらう | 了承 |
| 予定変更を理解してもらう | 了承 |
| 依頼を引き受ける | 承諾 |
| 具体的な申し出を受け入れる | 承諾 |
| 契約の申込みに応じる | 承諾 |
| 「分かりました」と返事する | 承知も使いやすい |
| 申請にGOを出す | 承認が使いやすい |
最も簡単な判断基準は、
事情を理解して受け入れる → 了承
相手の申し出にYESと答える → 承諾
です。
「了承」を使った例文
- 日程変更について、関係者の了承を得ました。
- 事情をご了承いただけますと幸いです。
- 配送に時間がかかる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
- 担当者変更について先方の了承を得ています。
- 下記の注意事項をご了承のうえ、お申し込みください。
「承諾」を使った例文
- 取引先から納期変更の承諾を得ました。
- 依頼内容を確認し、正式に承諾しました。
- 本人の承諾を得たうえで写真を掲載します。
- 契約条件について相手方が承諾しました。
- 先方が提案を承諾したため、次の手続きへ進みます。
ビジネスメール例:「了承」を求める場合
相手に事情を理解してもらいたい場合は、
「誠に恐れ入りますが、通常よりお届けまでにお時間を頂戴する場合がございます。あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。」
のように書けます。
単に「ご了承ください」とするより、事情を先に説明すると丁寧な印象になります。
ビジネスメール例:「承諾」を求める場合
明確な意思表示が必要なら、
「下記の変更内容をご確認いただき、ご承諾いただけますでしょうか。」
と書けます。
この場合、単に内容を読んでもらうだけではなく、
その変更を受け入れるかどうか返答してもらいたい
ことが明確です。
よくある間違い1:「了承」と「承諾」は完全に同じと思う
意味は重なっていますが、ニュアンスが異なります。
「了承」は事情への理解・納得、「承諾」は依頼・申し出を受け入れることに重点があります。
よくある間違い2:「ご了承ください」は単に『読んでください』という意味だと思う
「了承」には受け入れる意味があります。
単に資料を見てほしいのであれば、
「ご確認ください」
のほうが適切です。
よくある間違い3:「了承を得たら必ず契約が成立する」と考える
契約成立の要件については、民法や個別契約の内容を確認する必要があります。
民法第522条では「申込み」に対する「承諾」が契約成立の基本的な要素として規定されています。
一般語としての「了承」と法律上の「承諾」を安易に同一視しないよう注意してください。
よくある間違い4:「承諾は目上の人に使えない」と思う
「上司の承諾を得る」「取引先の承諾を得る」のように、目上の人や取引先についても使えます。
承諾という言葉自体が失礼なのではありません。
よくある間違い5:「了承しました」が最も丁寧な返事だと思う
依頼を受けた本人が相手へ返事する場合は、
「承知いたしました」
のほうが自然な場面も多くあります。
「了承」は第三者の同意状況を説明したり、相手へ事情の受容を求めたりするときによく使われます。
よくある間違い6:「ご了承いただく」と「ご確認いただく」を同じ意味で使う
違います。
ご確認=内容をチェックしてもらう
ご了承=内容・事情を理解し受け入れてもらう
です。
「確認したが了承できない」ということもあり得ます。
よくある間違い7:「承諾」と「承認」を必ず同義で使う
一般的なビジネス実務では、
承諾=相手の申し出を受け入れる
承認=申請・内容等を認める
という使い分けができます。
ただし法律・社内規程では独自の意味が定められていることがあります。
「了承」と「承諾」に関するよくある質問
Q1. 「了承」と「承諾」の一番簡単な違いは?
了承は「事情を理解して受け入れる」、承諾は「相手からの申し出を受け入れる」です。
Q2. 「了承」と「承諾」は言い換えられますか?
意味が近いため言い換えられる場面もあります。
ただし、事情への理解を強調するなら「了承」、具体的な依頼への意思表示を強調するなら「承諾」が適しています。
Q3. 「ご了承ください」はどんな意味ですか?
「事情や条件を理解したうえで受け入れてください」という意味です。
注意事項・制約・予定変更などの案内でよく使います。
Q4. 「ご了承ください」と「ご承諾ください」はどちらが丁寧ですか?
丁寧さより意味の違いです。
事情への理解を求めるなら「ご了承」、具体的な申し出への同意を求めるなら「ご承諾」が適しています。
Q5. 上司に「ご了承ください」と言ってもよいですか?
日本語として使えます。
ただし一方的に条件を受け入れるよう求める響きになる場合があります。
個別の依頼なら、「ご了承いただけますと幸いです」など、状況に応じて柔らかい表現にするとよいでしょう。
Q6. 「了解」と「了承」は何が違いますか?
どちらも事情を理解する意味がありますが、辞書では「了承」のほうが承認・受容の意味が強いと説明されています。
Q7. 契約では「了承」と「承諾」のどちらを使いますか?
民法の契約成立では「承諾」という用語が使われています。
契約書や法律問題では、一般的な言い換えではなく法令・契約書で使われる正式な用語を優先してください。
Q8. 「承諾を得る」と「同意を得る」は同じですか?
近い意味ですが完全に同じではありません。
承諾は申し出を受け入れる意味が中心で、同意は他者の意見・行為などについて同じ意思を示す意味があります。
法律上はそれぞれ個別の意味を持つ場合があります。
Q9. 「ご了承のほどよろしくお願いいたします」は使えますか?
使えます。
ただし、「ご了承くださいますようお願いいたします」「ご了承いただけますと幸いです」などの形にすると、依頼内容がより明確になります。
Q10. 「承知」「了承」「承諾」の使い分けは?
大まかには、
承知=「分かりました」と返答する
了承=事情を理解し受け入れる
承諾=依頼・申し出を受け入れる
と整理すると分かりやすいでしょう。
まとめ
「了承」と「承諾」は、どちらも相手の内容を受け入れる意味を持っていますが、重点が異なります。
| 了承 | 承諾 |
|---|---|
| 事情をくんで納得する | 意見・希望・要求などを受け入れる |
| 理解・受容に重点 | 意思表示に重点 |
| 注意事項・事情説明でよく使う | 依頼・申し出・契約でよく使う |
| 「ご了承ください」 | 「承諾を得る」 |
| 一般的なビジネス表現 | 法律上の契約用語としても重要 |
最も簡単な覚え方は、
了承=「事情は分かりました。受け入れます」
承諾=「その申し出を受け入れます」
です。
たとえば、
「納期が通常より遅れる可能性があります」
という事情を理解してもらうなら、
「あらかじめご了承ください」
が自然です。
一方、
「納期を9月20日から25日へ変更していただけませんか」
という具体的な依頼を相手が受け入れたなら、
「納期変更について承諾を得た」
と表現できます。
また、契約では「承諾」が特に重要です。
民法第522条では、契約内容を示した「申込み」に対して相手方が「承諾」したときに契約が成立すると規定されています。
そのため、
日常的な事情への理解 → 了承
具体的な依頼へのYES → 承諾
契約上の意思表示 → 法令・契約で定められた「承諾」等の用語を確認
と考えるとよいでしょう。
関連する言葉まで整理すると、
了解=内容・事情を理解し認める
承知=知る・分かる・依頼を聞き入れる
了承=事情を理解し受け入れる
承諾=相手の申し出を受け入れる
承認=申請・内容などを認める
同意=意見や行為について同じ意思を示す
という違いがあります。
ビジネスでは、「全部OKという意味だから同じ」と考えるのではなく、
「何を理解し、何を受け入れ、どのような意思表示を求めているのか」
を意識して言葉を選ぶと、より正確に伝えられるでしょう。
参考リンク・出典
-
コトバンク「了承」
― デジタル大辞泉で「事情をくんで納得すること。承知すること。承諾」と説明 -
コトバンク「承諾」
― デジタル大辞泉で、相手の意見・希望・要求などを聞いて受け入れることと説明。日本国語大辞典では法律上の「承諾」の意味も掲載 -
コトバンク「了解」
― 「了解」と「了承」の用法の違いを掲載し、「了承」は「了解」より承認する意味が強いと説明 -
e-Gov法令検索「民法」
― 第522条で契約の「申込み」と「承諾」による成立を規定。第523条以降には承諾期間や承諾の通知、第528条には内容を変更した承諾について規定
※「了承」と「承諾」は意味が重なるため、日常会話や一般的なビジネス文書ではどちらも成立する場面があります。本記事では、両語の中心的な意味と、相手へ意図が伝わりやすい使い分けを整理しています。
※「ご了承ください」は日本語として不適切な敬語ではありません。ただし、相手に一定の事情・条件を受け入れるよう求める表現であるため、個別の取引先や目上の相手には、事情説明を添えたり「ご了承いただけますと幸いです」などの表現を選んだりすると適切な場合があります。
※契約・個人情報・著作権・医療など、法律上の「同意」「承諾」「許諾」等が問題になる場面では、一般的な日本語のニュアンスだけで法的効果を判断することはできません。該当する法令・契約・制度上の定義を確認してください。
