「諮問」と「答申」の違いとは?意味を簡単に解説|誰が誰にする?審議会での流れ

行政・審議会に関するニュースや資料では、

「審議会に諮問する」
「審議会が答申する」

という表現がよく使われます。

「諮問」と「答申」はセットで登場することが多いため、

  • 諮問と答申は何が違うのか
  • 誰が誰に諮問するのか
  • 誰が誰に答申するのか
  • 諮問したら必ず答申されるのか
  • 「諮問→審議→答申」はどのような流れなのか
  • 答申には法的拘束力があるのか
  • 提言・意見聴取・上申とは何が違うのか

と迷うことがあります。

結論からいうと、

諮問=権限を持つ機関・人が、専門機関などに意見を求めること

答申=諮問を受けた側が、調査・審議した結果をまとめて意見として返すこと

です。

つまり、

諮問=質問する側から出すもの

答申=質問された側から返すもの

と考えると非常にわかりやすいでしょう。

この記事では、「諮問」と「答申」の違いを簡単に整理したうえで、審議会での実際の流れ、誰が誰に行うのか、答申の法的拘束力、「審議・意見聴取・提言・上申」との違いまで詳しく解説します。

  1. 結論|「諮問」は意見を求める、「答申」は意見を返す
  2. 「諮問」とは?意味を簡単に解説
  3. 「答申」とは?意味を簡単に解説
  4. 一番簡単な違い|「質問」が諮問、「回答」が答申
  5. 誰が誰に「諮問」するの?
  6. 誰が誰に「答申」するの?
  7. 「諮問→審議→答申」の流れ
  8. 「諮問」と「審議」の違い
  9. 「審議」と「答申」の違い
  10. 「答申書」とは?
  11. 答申には法的拘束力がある?
  12. 「答申を受ける」とは?
  13. 「答申を踏まえる」とは?
  14. 「諮問」と「相談」の違い
  15. 「諮問」と「意見聴取」の違い
  16. 「答申」と「提言」の違い
  17. 「答申」と「上申」の違い
  18. 「諮問・審議・答申・提言」の違い一覧
  19. 具体例|制度改正ならどういう流れ?
  20. 実際の法令でも「諮問→答申」が使われる
  21. 「諮問する」の例文
  22. 「答申する」の例文
  23. よくある間違い|諮問と答申の方向を逆にしない
  24. FAQ|「諮問」と「答申」についてよくある質問
    1. Q1.「諮問」と「答申」の違いを一言でいうと?
    2. Q2.諮問の読み方は?
    3. Q3.答申の読み方は?
    4. Q4.誰が諮問するの?
    5. Q5.誰が答申するの?
    6. Q6.諮問したらすぐ答申される?
    7. Q7.答申には法的拘束力がありますか?
    8. Q8.答申が出たら、その内容どおりに決まる?
    9. Q9.諮問と審議は同じ?
    10. Q10.審議と答申の違いは?
    11. Q11.答申と提言の違いは?
    12. Q12.答申と上申の違いは?
    13. Q13.「答申を受ける」のは誰?
    14. Q14.諮問と意見聴取の違いは?
    15. Q15.覚え方は?
  25. まとめ|「諮問」は問いかけ、「答申」はその回答
  26. 参考リンク・出典

結論|「諮問」は意見を求める、「答申」は意見を返す

まず、違いを一覧で確認しましょう。

比較 諮問 答申
読み方 しもん とうしん
意味 専門的な機関などに意見を求めること 諮問された事項について意見をまとめて返すこと
方向 行政機関など → 審議会など 審議会など → 行政機関など
タイミング 調査・審議の前 調査・審議の後
代表表現 審議会に諮問する 大臣に答申する
役割 専門家へ問いを投げる 検討結果を返す

典型的な流れは、

諮問する → 審議する → 答申する

です。

たとえば、大臣が重要な制度改正について審議会へ意見を求め、その審議会が専門的に調査・審議したうえで、大臣へ結果を返す場合、

大臣が審議会へ諮問する

↓

審議会が調査・審議する

↓

審議会が大臣へ答申する

という関係になります。

「諮問」とは?意味を簡単に解説

「諮問」は、

しもん

と読みます。

行政などで、ある事項について専門的な知識を持つ審議会・委員会などに意見を求めることを表します。

たとえば、

  • 大臣が審議会に諮問する
  • 重要事項について諮問する
  • 制度改正案を審議会へ諮問する
  • 諮問事項について審議する

などと使います。

「諮問」そのものについて詳しく知りたい方は、「諮問」とは?意味・「答申・審議・相談・意見聴取」との違いも参考にしてください。

「答申」とは?意味を簡単に解説

「答申」は、

とうしん

と読みます。

諮問を受けた審議会などが、その事項を調査・審議し、結果・意見をまとめて諮問した側へ返すことを表します。

たとえば、

  • 審議会が大臣に答申する
  • 答申を取りまとめる
  • 答申を提出する
  • 答申を受ける
  • 答申を踏まえて制度を改正する

などと使います。

「答申」について詳しく知りたい方は、「答申」とは?意味・「諮問・提言・上申」との違いも参考になります。

一番簡単な違い|「質問」が諮問、「回答」が答申

厳密には普通の質問・回答とは異なりますが、関係を覚えるだけなら、

諮問=質問

答申=回答

と考えると理解しやすくなります。

たとえば、

「この制度をどのように見直すべきでしょうか」

と専門家で構成される審議会へ意見を求めるのが諮問です。

それに対して審議会が調査・審議し、

「このような方向で制度を見直すのが適切です」

という形で意見をまとめて返すのが答申です。

誰が誰に「諮問」するの?

行政分野では、

大臣・行政機関などが、審議会・委員会などへ諮問する

という形が典型的です。

参議院法制局は、審議会について、国の行政機関に附属し、その長の諮問に応じて特別な事項を調査・審議する合議制機関と説明しています。

つまり、

行政機関側が専門的な意見を求める

という方向です。

たとえば、

「厚生労働大臣が審議会に諮問した」

なら、意見を求めている側は厚生労働大臣です。

誰が誰に「答申」するの?

答申は逆方向です。

諮問を受けた審議会・委員会などが、諮問した大臣・行政機関などへ答申します。

つまり、

行政機関 → 諮問 → 審議会

行政機関 ← 答申 ← 審議会

という関係になります。

「諮問する人」と「答申する人」を逆に覚えないことがポイントです。

「諮問→審議→答申」の流れ

一般的な審議会では、次のような流れになります。

  1. 行政機関などが重要事項を検討する
  2. 専門的な意見が必要になる
  3. 審議会などへ諮問する
  4. 審議会が資料を集める
  5. 委員が調査・審議する
  6. 審議結果をまとめる
  7. 審議会が行政機関へ答申する
  8. 行政機関が答申を参考に最終判断する

会計検査院の情報公開・個人情報保護審査会でも、諮問された事件について調査・審議を行い、その結果に基づいて答申を行う流れが示されています。

つまり、

諮問と答申の間に「審議」が入る

と考えると整理しやすいでしょう。

この関係については、「諮問」と「審議」の違い|諮問→審議→答申の流れでも詳しく解説しています。

「諮問」と「審議」の違い

「諮問」は、意見を求める行為です。

「審議」は、諮問された内容などについて、関係者が話し合い、詳しく検討することです。

したがって、

諮問=検討してほしいテーマを渡す

審議=そのテーマについて話し合い、検討する

という違いがあります。

「諮問」と「審議」は同じものではありません。

「審議」と「答申」の違い

「審議」は検討する過程です。

「答申」は、その検討を経てまとめられた結果を返すことです。

たとえば、

審議会で何度も会議を開催して議論することが「審議」であり、最終的に結論を文書にまとめて大臣へ提出することが「答申」です。

審議=途中

答申=結果

と考えるとわかりやすいでしょう。

「答申書」とは?

「答申書」は、諮問を受けた機関が、調査・審議の結果を文書としてまとめたものです。

内容は案件によって異なりますが、一般に、

  • 諮問された事項
  • 調査・審議した内容
  • 審議会としての考え方
  • 結論
  • 今後の方向性

などが示されます。

行政機関のウェブサイトでは、実際の「諮問書」「答申書」が公開されていることもあります。

答申には法的拘束力がある?

ここは注意が必要です。

すべての答申に法的拘束力があるわけではありません。

参議院法制局は、審議会を機能によって「参与機関」と「諮問機関」に分けて説明しています。

一般的な諮問機関では、重要政策・基本施策について行政機関に意見を述べますが、答申に法的拘束力はないとされています。

その場合、最終的な意思決定を行うのは、諮問した行政機関です。

一方で、個別の法律によって異なる扱いが定められていることもあります。

したがって、

「答申が出た=その内容がそのまま決定される」

とは限りません。

「答申を受ける」とは?

「答申を受ける」とは、

諮問した側が、審議会などから答申を受け取ること

です。

たとえば、

「大臣は審議会から答申を受けた。」

という使い方をします。

ここで注意したいのは、

審議会が答申を受けるのではなく、通常は諮問した側が答申を受ける

ということです。

「答申を踏まえる」とは?

「答申を踏まえる」とは、

答申の内容を基礎・参考にして、その後の政策・判断を行う

という意味です。

たとえば、

「政府は審議会の答申を踏まえ、制度改正を検討する。」

などと使います。

「答申どおりに必ず決定する」という意味ではありません。

「諮問」と「相談」の違い

「相談」は、困ったこと・決めかねていることなどについて、相手の意見を聞く一般的な言葉です。

一方「諮問」は、行政・組織などで、専門機関に正式に意見を求める場面で使われることが多い言葉です。

つまり、

相談=日常的・幅広い

諮問=制度的・公式な意見照会

という違いがあります。

「諮問」と「意見聴取」の違い

どちらも意見を聞くことですが、「諮問」は、一定の事項について意見をまとめて返すことを求める性格が強い言葉です。

一方「意見聴取」は、関係者から意見を聞くことを広く表します。

意見聴取では、複数の人からそれぞれ異なる意見を聞くだけの場合もあります。

それに対し、審議会への諮問では、委員が調査・審議し、機関として意見をまとめて答申する形が典型的です。

「答申」と「提言」の違い

「提言」は、ある問題について自分・組織の考えや改善案を積極的に示すことです。

答申との大きな違いは、諮問を受けているかどうかです。

答申=諮問に対して返す意見

提言=必ずしも諮問を受けずに示す意見・提案

と整理できます。

「答申」と「上申」の違い

「上申」は、部下・下位組織などから上司・上位機関へ意見や事情を申し述べることです。

方向だけを見ると答申と似ていますが、関係が異なります。

答申=諮問を受けた側が返す

上申=下位から上位へ自発的・業務上申し述べる

という違いがあります。

「諮問・審議・答申・提言」の違い一覧

言葉 意味の中心 例
諮問 専門機関に意見を求める 大臣が審議会に諮問する
審議 内容について話し合い検討する 審議会で制度案を審議する
答申 諮問に対する意見をまとめて返す 審議会が大臣に答申する
提言 考え・改善案を積極的に示す 政府に政策提言する

具体例|制度改正ならどういう流れ?

例として、ある制度を改正するとします。

担当する大臣だけで判断するのではなく、専門家の意見を聞く必要がある場合、審議会へ諮問します。

① 大臣「制度をどう変えるべきか意見をください」

これが諮問です。

次に審議会が、

  • 現行制度を調査する
  • 問題点を整理する
  • 専門家同士で議論する
  • 関係資料を確認する

などの審議を行います。

そして、

② 審議会「検討した結果、このように改正するのが望ましいと考えます」

と大臣へ意見を返します。

これが答申です。

実際の法令でも「諮問→答申」が使われる

実際の法令でも、この関係が明確に表れています。

たとえば「国会等の移転に関する法律」では、審議会は内閣総理大臣の諮問に応じて候補地などについて調査審議し、内閣総理大臣はその諮問に対する答申を受けたときに国会へ報告すると定められています。

つまり、法律上の文章でも、

諮問 → 調査審議 → 答申

という順序になっています。

「諮問する」の例文

  • 大臣が審議会に制度改正について諮問した。
  • 重要事項について専門委員会へ諮問する。
  • 政府は新制度のあり方を審議会に諮問した。
  • 諮問された事項について審議を開始する。
  • 委員会に専門的な意見を諮問する。

「答申する」の例文

  • 審議会は大臣に答申した。
  • 委員会が調査結果を答申する。
  • 審議会は制度改正を求める答申をまとめた。
  • 答申を踏まえて新しい方針を決定する。
  • 大臣は審議会から答申を受けた。

よくある間違い|諮問と答申の方向を逆にしない

最も注意したいのは、方向です。

たとえば、

「審議会が大臣に諮問した」

という文章は、通常想定される審議会の流れとは逆です。

典型的には、

大臣 → 審議会:諮問

審議会 → 大臣:答申

です。

「行きが諮問、帰りが答申」と覚えてもよいでしょう。

FAQ|「諮問」と「答申」についてよくある質問

Q1.「諮問」と「答申」の違いを一言でいうと?

諮問は意見を求めること、答申は求められた意見をまとめて返すことです。

Q2.諮問の読み方は?

「しもん」と読みます。

Q3.答申の読み方は?

「とうしん」と読みます。

Q4.誰が諮問するの?

行政では、大臣・行政機関などが審議会・委員会などへ諮問する形が典型的です。

Q5.誰が答申するの?

諮問を受けた審議会・委員会などが、諮問した側へ答申します。

Q6.諮問したらすぐ答申される?

通常は、その間に調査・審議などが行われます。

Q7.答申には法的拘束力がありますか?

すべての答申に法的拘束力があるわけではありません。個別の制度・法令によって扱いが異なります。

Q8.答申が出たら、その内容どおりに決まる?

必ずしもそうではありません。一般的な諮問機関の場合、最終的な政策決定は行政機関側が行います。

Q9.諮問と審議は同じ?

同じではありません。諮問は意見を求める行為、審議はその内容を話し合い・検討する行為です。

Q10.審議と答申の違いは?

審議は検討する過程、答申はその結果をまとめて返すことです。

Q11.答申と提言の違いは?

答申は諮問に対して返す意見、提言は必ずしも諮問を受けずに示す意見・改善案です。

Q12.答申と上申の違いは?

答申は諮問を受けた側が返すもの、上申は下位の立場から上位へ事情・意見などを申し述べるものです。

Q13.「答申を受ける」のは誰?

通常は、最初に諮問した大臣・行政機関などです。

Q14.諮問と意見聴取の違いは?

意見聴取は広く意見を聞くことです。諮問は、一定の事項について機関として調査・審議し、意見をまとめて返すことを求める性格があります。

Q15.覚え方は?

「行きが諮問、帰りが答申」と覚えるとわかりやすいでしょう。

まとめ|「諮問」は問いかけ、「答申」はその回答

「諮問」と「答申」は、行政・審議会などでセットとして使われることが多い言葉です。

ポイントをまとめると、

  • 諮問=専門機関などへ意見を求めること
  • 答申=諮問を受けた側が意見をまとめて返すこと
  • 典型的には「行政機関→審議会」が諮問
  • 「審議会→行政機関」が答申
  • 諮問と答申の間で調査・審議が行われる
  • 基本的な流れは「諮問→審議→答申」
  • 答申には必ずしも法的拘束力があるわけではない
  • 最終的な政策決定は行政機関が行う場合が多い
  • 提言は必ずしも諮問を前提としない
  • 上申は下位から上位へ意見・事情を申し述べること

と覚えておくとよいでしょう。

最も簡単に整理すれば、

諮問=「専門家のみなさん、この問題について意見をください」

答申=「審議した結果、私たちはこう考えます」

です。

そして、

諮問 → 審議 → 答申

という一連の流れを理解しておけば、「諮問」と「答申」の違いを迷うことはほとんどなくなるでしょう。

参考リンク・出典

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